元旦の荒天から尻上がりに晴天続き、博多の年始

　2008年は元旦から（正確には年末から）休みなしで仕事にかかった。
娘は中学受験も間近で塾で特訓、妻も元旦から仕事だったので家族ぐる
みで忙しい正月だった訳だ。本厄だった2007年は反省することばかり、
昨年を教訓に今年は自分にとって飛躍の年にできればと、まずは地元の
山王日吉神社（山王宮・黒田家三社詣りの一）へ家族で詣った。

　福岡地方では三社詣りは普通に行う。東京などでは「三社詣り」と言
っても通じないとラジオで言っていた。我が家の今年の三社詣りは、山
王日吉神社、櫛田神社、そして太宰府天満宮である。受験生の娘を連れ
て元旦の夕暮れ時に太宰府天満宮へ詣った。裏道を行ったため渋滞にも
巻き込まれずに、いつもより早く到着。絵馬を書き合格祈願グッズを手
に入れて娘も落ち着いたようだ。塾（全教研）から太宰府天満宮のお守
りが届く、先生が元旦朝一に詣り速達で届けてくれたものだ。

　年明け、近隣で火事（不審火）が続く。大晦日恒例、柳橋連合市場で
縁起物を買いに出掛けたが、３日未明に市場の一部が火災で焼失、いつ
も買い出しついでに立ち寄る100円ショップ等が焼けていた。自宅から
見える御笠川沿いの住宅も２日に火災で焼けて死者も出た模様。戦後の
バラック建て家屋林立時代を今に伝えていた１軒だった。

　４日は対外的仕事始めの日。朝一で打合せ後、中呉服町界隈の撮影に
向かった。作成中のパンフレット用に使う町並み等の写真撮影である。
奈良屋公民館に立ち寄り、館長と新年の挨拶を交わす。屋上から昭和通
り沿いを撮影させてもらい、博多についての雑談を交わした。

　５日、午前中に仕事を済ませて午後は大洋映画劇場へ「魍魎の匣（も
うりょうのはこ）」を観に行った。言わずと知れた？京極夏彦原作のベ
ストセラー作である。思ったよりも観客が多く空席僅かだった。

　前作に美術協力（エンドロールに名有り）している事に加え、今作は
私の実家のある豊前市・求菩提山も謎解きに登場する。求菩提資料館に
行けば京極夏彦氏が取材の際に訪れた軌跡も観ることができるし、京極
氏の作品が展示されている。映画は上海ロケ、監督が原田氏へ変わった
ことでさらに期待して観た。

　原作ファンとしては賛否両論ありそうだが、私はこの原作がどう映像
になるかに興味集中。空想で思い描いていたイメージに比較的近かった
ので安心して観ることができた。見終わった後、原作など知らないカッ
プルが「微妙」と二人で話しているのが聞こえてきたが、ムリないかも
しれない。原作も難解であるし、今をときめく配役人に惹かれて初めて
京極作品に触れた人には一見での理解は困難だろう。

　気が早いかもしれないが、できればシリーズを続けて映像化してほし
い。少なくとも第４弾「鉄鼠の檻」までは観てみたい。第一弾で美術協
力した、架空旅館「箱根・仙石楼」が事件の舞台である。吉田初三郎の
鳥瞰図をもとに作成された仙石楼のパンフレットが活躍できるからであ
る。内容である山岳宗教を舞台にした活劇ももちろん観たい。

　今年は秋の吉田初三郎展が控える。準備を少しずつ進めながらも、新
たな資料・逸話発掘にも力を入れ続けるつもり。年末、吉川英治記念館
の片岡氏からメールが届いた。初三郎と吉川英治の交流が手紙などで遺
っていないかの調査をお願いしていてが、書簡の中に初三郎名の見える
ものがあるそうだ。昭和24年と26年に知人医師とともに３名で乗鞍岳
への登山を計画、しかし実現したかは不明である。初三郎が大病した時
期であり、計画で終わったかもしれない。

　５日の西日本新聞朝刊は西日本鉄道百周年の特集記事が掲載された。
年末に記者からも相談を受けたものだが、事務局長は年末休暇を記事の
対応に費やしたようだ。しかしその甲斐あって、一般人でも西鉄百年に
興味を抱ける内容になっていた。年末には記念サイトを西鉄広報で立ち
上げている。私も写真資料等でお手伝いした。
にしてつ１００年
　
今日の写真は、今年の年賀状に使わせてもらった初三郎の美人画。
昭和21年発行「歌の新聞VOL.3」表紙である。

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