記憶探偵〜益田啓一郎のブログ(旧博多湾つれづれ紀行)

古写真古地図から街の歴史逸話を発掘する日々。ブラタモリ案内人等、地域の魅力発掘!まち巡りを綴ります。

移り変わる博多情緒。戦前の小田部の藤と32回目の中洲まつり。

2007年10月09日 23時12分52秒 | 昭和の観光学
 6日まで博多は恒例の中洲まつりで賑わった。4日は誘われて人気の
はしご酒大会に参加した。制限時間内に中洲のお店を4軒はしごするこ
とができ今年で3回目。三千円のバー・スナック・居酒屋コースは昨年
廻って良い店を知ることができた。今年は新設されたクラブコース1万
円(3軒はしご)にチャレンジ、一番人気という高級クラブではVIP
ルームを体験できてラッキーだった。

 オイルショックで客足が遠のいた歓楽街中洲を盛り上げようと、地元
の中洲町連合会が主催してはや32回目。中洲勤めの女性陣が参加する
国廣女みこし、中洲大通りいっぱいに連なる露店が秋の博多を彩る。開
会セレモニーは今年から玉屋デパート跡にできたゲイツの11階で行われ、
初めて高層階から中洲や博多川端の町並み、夜景を楽しんだ。

 博多の町は毎週大きな行事が続く。恒例の「灯明ウオッチング」はじ
め、昨年好評だった「博多情緒めぐり」も絡み、二千年の歴史を誇る博
多のまちなか観光を楽しむなら今である。昨日5日は二日酔いのアタマ
を抱え、冷泉の社家町通りでまちづくり企画を行う九州工業大学の学生
さんに、冷泉の戦後史(記念誌)をまとめた際の聴き取りや資料集めの
経験を伝えた。最近は各大学がテーマを持って地域活動に参加する取り
組みが活発である。

 6日は鉄道写真家の小田部さん宅を西鉄のYさんと訪問した。西鉄さ
んの記念写真集のための資料拝見が目的である。小田部さんは以前から
資料提供などで協力いただいていたが、いつもご自宅へ誘われながら伺
ったのはこの日が初めてであった。アクロス福岡で絵葉書展をした際に
も小田部さんは見に来ていただいた。

 戦前の福博名所のひとつであった「小田部の藤」は昭和17年まで、
西公園のそばにあった。小田部さんは藤園を経営していたご子息である。
明治期から無料の藤園を始め、絵葉書もたくさん発行する版元でもあっ
た。藤園は枯れて閉鎖されたが、分けた株が水上公園へ移植されている。

 戦後すぐに撮影し始めた鉄道写真の中から、今回は福岡市内電車のみ
過去にパネル展用に引き伸ばした大判写真を拝見し、使いたい写真を預
かった。写真1枚ずつ、丁寧に解説していただき恐縮しきりだ。できれ
ばお元気なうちに小田部さん名義の写真集やコレクション本が作りたい、
そう思うのに十分な質と種類であった。

 明治~昭和戦前期の絵葉書の原版写真も拝見した。写真館で撮られた
家族写真も素晴らしいものが多い。私が地図好きなのをご存じなので、
地図や観光パンフレットもたくさん見せていただいた。藤園をしていた
関係からか、博多に関する観光モノは藤園のスタンプが押され、一通り
揃っていた。

 戦前の絵葉書類も博多モノや中国モノが大量にあり、絵葉書版元故の
資料として集めたもののようだ。いずれも絵葉書帳にキレイに納められ
状態がとても良かった。これらの資料を今後どうするかは小田部さんも
悩んでいるらしい。

 事務所へ戻って写真資料の整理、アーカイブ化を急いでいる。様々な
活用を前提にした選別だけでも膨大な時間と労力を費やしているが、こ
の作業は好きなことでもあり楽しい。気が付くとついつい明け方近くま
で作業をしてしまい、このところ飲み事も重なってバテ気味である。

今日の写真は小田部の藤園(大正末)。

アンティーク絵葉書に観る懐かしの風景・町並み
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鳥瞰図絵師・前田虹映
オールド地図鳥瞰図コレクション・吉田初三郎ほか

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