気ままに

大船での気ままな生活日誌

秋知草

2007-09-20 10:29:42 | Weblog
中秋の候になり、萩が咲き始めましたね。萩の別名に「秋知草(あきしりぐさ)」があることを、山下景子さんの「花の日本語」で知りました。それに萩とゆう字を分解してみれば、草冠に秋です。秋を代表する花と認められたようなものですね。万葉集でも,一番たくさん詠まれた花です、梅、桜より上なんですね。欧米人にはこの良さが分らないそうです、なんでこんな地味な花がと思うそうです。ボクは、きっと日本の暑い夏を知らない人には、秋を知らせる草のよさが分らないのではないかと推察しています。

鎌倉のお寺の秋知草を訪ねてみました。北鎌倉駅で降りて、円覚寺に入ってみました。ここの松嶺院で、いろいろな品種の萩がみられるのです。でも、この日も閉まっていました(最近開いていないことが多いのです)。それで、鎌倉街道を少し上り、亀ヶ谷切り通しの道に入りました。すると、すぐ右側の、長寿寺の垣根に、たくさんの萩が、赤、白、そして赤白まだらの花々を誇らしげに風に揺らしているのが目に入りました。少し見上げるような位置に植えてありますので、萩のうつくしさのひとつ、しなやかな枝振りもたっぷり鑑賞できます。

そして、海蔵寺。山門前の石段両脇に被さるように咲く、赤と白の萩が一番の見所です。よく雑誌にも出てくる風景です。まだちょっと早いかなと近づいてみると、落ちている花びらもあったり、一方つぼみも結構残っている状態でした。雑誌の写真にはもう少し後かなと思いますが、ボクはこれぐらいが好きなのです。自分みたいな、未熟者が好きなのです(笑)。山門をくぐると、ボクが好きな、のっぽの紫苑がもう、一株だけですが、うすい紫色の花を咲かせていました。♪咲かせて咲かせて紫吐息♪でした。境内にも、萩がいくつかあり、桃色(赤と白のまだら)の萩が、♪咲かせて咲かせて桃色吐息 あなたに 抱かれて こぼれる華になる♪と詠っていました。そうかと、そっと触ってあげましたら、本当にはらはらと花びらがこぼれました。花にも心があるんですね。

それから,浄光明寺。ここの萩は、自然ぽく何気なく、植えてあり、とても風情があります。のびのびと育って、好きな花を咲かせてるとゆう感じですね。植物もきっと、人間と同じで、管理されるのが嫌いなのかもしれませんね。そういえば、ここの彼岸花も円形の花壇風なところのはまだ、大部分は、ひょろひょろして、わずかしか咲いていないのに、管理区域外(笑)の彼岸花は、みな元気に真っ赤な曼珠沙華を披露していました。♪赤い花なら曼珠沙華 オランダ屋敷に雨が降る 濡れて泣いてるジャガタラお春♪ 雨は降っていなかったですが、ちょっと思い出した歌です。

不動堂前の石段に腰掛け、誰もみていないと思って行水をしている小町娘のように、のびやかで、うつくしい萩をしばらく眺めていました。誰もいないと思っていましたら、うしろの方から声がしました。今年はいい花をつけましたよ、もう一雨くると最高の見頃になりますよ、お寺の関係の方でした。来週あたり、もう一度、訪ねてみようと思いました。

・・・
写真は浄光明寺の秋知草です。
コメント
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