気ままに

大船での気ままな生活日誌

お彼岸の東慶寺は秋色に染まっていた  なんと十月桜も

2007-09-23 08:25:13 | Weblog
お彼岸ですね。ふらりと半月振りに、北鎌倉の東慶寺を訪ねました。驚きました、ちょっとみぬ間に、境内はすっかり秋色に染まっていました。

まず、思いのほかたくさんの真っ赤な彼岸花、これがちょうど見頃になっていました。♪赤い花なら曼珠沙華 カケコミお寺の ジャガタラお秋♪でしょうか。そして白花彼岸花も。曼珠沙華の向こうには、”吾も亦 紅なりと ひそやかに (虚子)”の吾亦紅(ワレモコウ)が、ここでは、”ひそやかに”でなく彼岸花に負けずに、”はれやかに”咲いています。

そして♪淡紅(うすべに)の秋桜が秋の日の何気ない陽溜りに揺れている♪。 もちろん、秋の七草の三羽がらす、萩、女郎花、すすきも、”お控えなすって、てめーしょうごく、と仁義をきっています。加えて、鮮やかなピンク色のオオケタデ(大毛蓼)、大きな白花のジンジャー、咲き始めのうす紫のホトトギス、玉紫陽花、秋明菊、秋海棠も、あたい達も忘れないでね、と。秋の花々のオールスター競演です。

墓地も花盛り。お彼岸の仏花で、秋の花々がいっぱい。小林秀雄さんのお墓も、りんどう、ススキ等の秋の花束で飾られていました。お参りをしての帰りみち、山門前の書院の庭の方からオイと呼びかけられたような気がして振り返りました。書院の庭は板塀で囲まれ、中の様子は外からはうかがいしれません。でも、塀のすきまがあり、そこから、”なにやらゆかし”の雰囲気が漂ってきます。ボクはフェロモンに誘われる虫のように、ふらふらとそちらに引っ張られていったのでございます。

塀の向こうの、小町娘の行水をのぞくかのように(汗)、そっとその隙間に目を近づけました。すると、な、なんと、さ、ささくら、サクラ、桜、ボクが死ぬほど好きな桜が咲いているではございませんか。♪さくら さくら 弥生の空は みわたすかぎり・・♪ボクはあたりを憚らず歌い始めて、はたと気づきました。今は弥生三月ではない、たしか、九月長月のはずだ、とすると、この花は、狂い咲きか、はたまた幻か、自分のアタマが狂い咲きなのか・・ボクのアタマはしばらく混乱状態に陥ってしまったのでございます。

そ、そうか、今は九月だけれど、十月桜が咲き始めたのかもしれない、ボクは漸く正気を取り戻しました。ボクの散歩道のいたち川のは、数日前はまだ一輪も咲いていなかったけれど、ここのは早咲きなのだろう、ボクは走って、山門前の受付の人に聞きに行きました、やっぱり間違いなく十月桜でした。

そうか、きっと桜好きの小林秀雄さんの魂が桜の樹に乗り移って、みんなが集まるお彼岸に花を咲かせたのだろう、そうにちがいないと思いました。でも塀の内側で誰も気づかないと思いますよ。”のぞき窓ここです、美女が行水してます”と案内を出しておくといいと思います。

たくさんの秋の草花だけではなく、思いがけず、ボクの大好きな十月桜まで観ることができ、本当に、死ぬほど(彼岸なので)嬉しい一日だったのでした。

・・・
写真はのぞき窓から撮った十月桜です。裏窓の桜です。











コメント
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