気ままに

大船での気ままな生活日誌

近代競馬150周年記念/くらべ馬展 馬の博物館

2012-05-25 16:38:30 | Weblog
日本ダービーが近づいてきた。近代競馬が始まって150年になるという。その発祥地は横浜だ。現在の根岸森林公園がその競馬場だった。公園の一画に”馬の博物館”がある。以前、訪ねたときは休館日だったので、今回は確認してから行った。ちょうど、特別展として”近代競馬150周年記念/くらべ馬展”が開催されていた。近代競馬ではなく、古式競馬の”くらべ馬”についての展覧会で、多くの貴重な史料や美術品が展示されていて、十分楽しめたし、勉強にもなった。簡単に紹介したい。

第一章:古式競馬の確立

古式競馬は、その歴史を大宝元年(701年)に遡れるという。続日本書紀にその記載がある。平城京遷都後の奈良時代では史料が見つからないが、平安時代に入ってからは、藤原道長の日記である”御堂関白記”などに具体的な記述があり、五月五日の端午の節句の際、宮中でくらべ馬が開催された。また、宮中だけではなく、摂関家がくらべ馬の大会を催し、天皇が行幸されたらしい。とくに道長は相当な競馬好きだったらしく、自邸で開催していた。

御堂関白記


駒競行幸絵巻(静嘉堂文庫蔵)


源氏物語手鑑


第二章:年中行事化していく”くらべ馬”

平安時代後期になってからは神社などでも行われるようになった。上賀茂神社と春日大社が主なものだが、石清水八幡宮、日吉神社、北野天満宮、仁和寺などでも”くらべ馬”が行われた記載がある。展示の屏風絵、絵巻、衝立図をみると、二騎で競うという場面が多いから、そういう形式で競争したらしい。真剣に走りくらべをしているものもあれば、和気あいあい風のもある。取っ組み合いの喧嘩を始めた馬上の人もいる(笑)。

競馬図屏風 室町時代 (春日大社)


競馬図衝立(若宮調度) 江戸時代 (春日大社所蔵)



第三章:今もつづく競馬神事/賀茂競馬の世界

賀茂競馬のはじまりは寛治7年(1093)とされるが、賀茂競馬の原型が出来上がったのは鎌倉時代初期で、現在も当時の儀式が踏襲されている。五月一日には競馬に出場する馬足の優劣を定める足汰式、五月五日に競馬が行われる。賀茂競馬図屏風によりその儀式の様子を知ることができる。是非、一度、観てみたいものだ。

賀茂競馬図屏風 江戸 久隅守景


賀茂競馬図屏風 江戸 吉江文雄


東海道名所之内 加茂の競馬 河鍋暁斎


賀茂競馬衣装


外に出ると、お馬の親子が草を食していた。毛づやが良かった。


10戦10勝 幻の名馬、トキノミノルがいた。


トキノミノルの向こうに、日本近代競馬の始まり、旧根岸競馬場の一等馬見席がみえる。関東大震災後建てられ、1943年に閉鎖。それ以降、使われていない。JHモルガンの設計。廃墟美の雄。






元競馬場は、今、子供の天国になっている


元競馬場の面影も


楽しい馬の博物館見学だった。


今日、熱海に行き、又兵衛絵巻、三絵巻閲覧を達成した。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする