気ままに

大船での気ままな生活日誌

岩下志麻さんのトークと主演映画二本

2013-12-12 09:15:06 | Weblog
うちの奥さんは、若い時にはちょっぴり岩下志麻似でひそかに自慢していたのだが、今はすっかり、岩下シマッタになってしまった。でも、さすが女優の志麻さんは違う。同じだけ年を重ねても、シマッタにはならない、ますますうつくしくシマっている。

対談の相手方の鎌倉同人会の山内さんが、女優らしい女優はといえば、まず、頭に浮かぶのは志麻ちゃんだな、と褒めていたが、たしかに、70歳を越えた今でも大女優のオーラを放っている。大船松竹撮影所には16年間、いたそうだ。19歳のときのデビュー作が木下恵介監督の”笛吹川”だったが、まだこの頃は大学生で、学生気分が抜けなかったそうだ。

今回の上映作の一つ、野村芳太郎監督の”五瓣の椿 ”に主演したのが24歳のとき。女優という仕事を生涯やっていこうと決心させた作品だそうだ。ブルーリボン主演女優賞もとった。

ご主人となる、篠田正弘監督とのエピソードが面白い。ある映画の打ち上げのとき、(酔った勢いで)志麻さんは、あたしは監督の奥さんになるような気がする、と言ってシマったそうだ。シマッタと思ったが、実は監督もそう思っていた。相思相愛の仲なのだ。そしてめでたく結婚。

篠田監督とのコンビの映画がつづく。今回上映の30代半ばの”はなれ瞽女おりん”もそう。40代後半までつづいたが、監督からこれが最後と言われた作品を演じたあとは、女優の松竹から男優の東映へ。五社英雄監督から、志麻さんの粋と婀娜を引き出したいと言われ、極道の女を演じるようになる。大ヒットし、極妻シリーズで8本も主演したとのこと。

芸熱心な志麻さんは、盲目のおりんのときは、撮影中だけではなく休憩中も目をつむり、共演の原田芳雄さんをみないようにしていたそうだ。極妻のときも、撮影所に入るとすぐに、お待ちしておりましたと子分共が迎えにきており、すぐ役になりきれたそうだ。ただ、家に戻り、友達からの電話に出て、”わては・・”とやあさん言葉がつい出てしまい苦笑したそうだ(爆)。

楽しい話しがいっぱいで、その上、志麻さんの二本の映画がとても面白くて、朝10時から、夕方4時過ぎまで(五瓣の椿はインターミッションが入るほど長時間)、志麻映画三昧の一日だった。

そうそう、志麻さんは、小津安二郎監督の最後の作品、”秋刀魚の味”のヒロインも演じている。小津映画のラストを締めくくるのは、やっぱり志麻さんなのだ。そういえば、今日、12月12日は小津さんの誕生日であり、ご命日でもある。それも、生誕110年・没後50年の記念すべき日だ。円覚寺にお墓詣りに行ってこよう。たしか記念イベントもあったはずだ。



はなれ瞽女おりん


五瓣の椿


会場


昨日は千葉市美術館の川瀬巴水展をみてきました。よかったですよ。帰りの電車からみえた品川プリンスホテルのクリスマスツリー。
コメント
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