気ままに

大船での気ままな生活日誌

”千羽鶴”の茶室公開 円覚寺仏日庵

2014-05-29 23:02:05 | Weblog

今日はなかなか面白い一日だった。早朝、目を醒ますと、窓の外は結構、深い霧だった。前回の朝霧のときは、近場の、霧にけぶる大長寺の境内と裏山を観に行った。さて、今日の朝散歩はどこにしようかと、ふと頭に浮かんだのが、北鎌倉。浄智寺山門あたりの霧景色なんぞ、おつなもんじゃなかろうかと、出掛けた。しかし、東慶寺も、お目当ての浄智寺も霧は消え失せ、(あるいは初めから生じなかったのか)、ただ、普通の早朝の風景だった。源氏山なら少しはけむっているだろうと、途中まで登ってみたが、ここも、いつもみる普通の山道だった。

で、普通の北鎌倉散歩をして帰ったのだが、転んでも只では起きないのがおいら。貴重な情報をみつけている。駅前の掲示板で、円覚寺の仏日庵の茶室が特別公開していることを知った。この茶室は川端康成の”千羽鶴”に登場することで有名だし、立原正秋が好きな方なら、”やぶつばき”を思い起こすだろう。この茶室”煙足軒”は普段、閉鎖していて、僕も一度も室内を覗いたことがなかった。

それで、朝飯を食べてから、再度、円覚寺を訪問した。たしかに仏日庵では、本堂の延命地蔵尊と煙足軒が公開されていた。これまで、仏日庵について、あまり紹介していなかったように思うので、茶室だけではなく、この円覚寺の塔頭についても少し、触れてみたい。

ここは、八代執権・北条時宗の廟所として建立され、九代執権・貞時、最後の十四代執権・高時も合葬されている。

本堂には、今回、特別公開された延命地蔵尊が。

さて、茶室、煙足軒。茶室前の枝垂れ桜は、鎌倉在住だった大佛次郎の奥さんから贈られたもの。

さあ、はじめて茶室へ。

にじり口

 茶室内

茶室庭園に珍しい紫陽花系の花が開いていた。

仏日庵ではお茶を頂ける。山紫陽花も咲いていた。

そうそう、ここには葉書の木、多羅葉もあるんですよ

円覚寺境内にはユキノシタが花盛りだった。

そのあと午後からは、大船で楽しい音楽会もあり、なかなかの面白い一日だった。音楽会については、明朝にでも。では、おやすみなさい。
 

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超絶技巧!明治工芸の粋

2014-05-29 08:27:50 | Weblog

三井記念美術館で開催中の”超絶技巧!明治工芸の粋”を観に行って、びっくり。帰ってから、録画しておいたNHK日曜美術館を観て、さらにびっくりした。何故って、老眼鏡で現物を観たものより、テレビ画像では、さらに微細に映し出されるのだもの。だから、このブログ記事も。テレビ画像を中心に紹介したいと思う。

まず、いつも大物が展示される、個室展示(展示室2)の竹の子・梅。象牙の彫刻に彩色を施したものだが、本当に、今、掘ってきたばかりの本物の筍みたい。相当な時間をかけて、じっくり丁寧に制作しているのが一目でわかる。作者は安藤緑山だが、人との交渉を嫌い、弟子もとらなかったため、この素晴らしい技術の継承はされなかったという。また、こういう作品はアカデミックなところでは評価されず、忘れられてきたんです、再評価したいと美術史家の山下裕二さんが語る。

 

安藤緑山の作品は展示室4に12点もあり、十分、楽しめる。野菜とか果物とか身近なものが多い。もし、これらをテーブルの上にちょこんと置いておけば、招待された初対面のお客さんもびっくり、みな笑顔になり、すぐ打ち解けるだろう。お見合いの席にいいかも。

柘榴(一部)

蜜柑(一部)

そして刺繍絵画もすごい。絹糸をまるで絵筆のようにつかって縫い、織る。下絵は竹内栖鳳ら日本画家が担当した。これも、西洋人を驚かし、喜ばしたに違いない。びっくり仰天の孔雀や瀑布図。これも、手が込んでいて、3年くらいかけて制作されたのではないかという。職人さんの絵画に負けてなるものかの、心意気が感じられる作品ばかり。

孔雀図屏風

瀑布図

七宝も

薩摩焼き。 ”蝶に菊つくし” 無数の蝶が舞う。3mmの蝶には翅の上下が色分けされている。

金工 ”古瓦鳩香炉”鳩の視線は蜘蛛。

自在 ”蛇”。明治になって職を失った甲冑師がその技術を生かして制作した。

自在に動くことを確かめ、おどろく井浦新さん。

漆工 ”四季草花蒔絵堤箪笥”

明治の超絶技巧にめろめろになった展覧会だった。これらは、村田コレクション、清水三年坂美術館所蔵のものだという。一度、小村雪岱展で寄ったことがあるが、今度は、工芸品見学で訪ねてみたい。

 

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