劇団四季で活躍されていたミュージカルスター沢木順が、さくら貝の歌、あざみの歌の作曲者、八洲(やしま)秀章の息子さんとは知らなかった。故八洲は、今年、生誕100年になるのだという。それを記念したコンサートが近くのホールで開催された。沢木の進行がとても楽しく、また内容も素晴らしい音楽会だった。
第一部が”沢木順・芸能生活50周年ミュージカルコンサート”で、沢木をはじめ、オペラ座の怪人やミス・サイゴンなどの主役を務めたことのある、吉岡小鼓音、伊東えり、そして、八洲の孫の有馬聡一郎と、現役ミュージカルスターの出演という豪華ステージ。そして、ぼくも知っているミュージカルナンバーの名曲が次々。まず、沢木が、”見果てぬ夢”(ラマンチャの男)、”君住む街角”(マイフェアーレディー)を自分の新人時代のエピソードを紹介しながら歌う。そして、踊り明かそう(伊藤)、星降る今宵(有馬)、そして美女と野獣とサウンドオブミュージックから伊東と沢木の共演。圧巻はクリスティー役の吉岡とファントム役の沢木が競演する”オペラ座の怪人”の4曲。素晴らしい歌声で、実際のミュージカル舞台を思い出して、胸があつくなる。
第二部は”八洲秀章生誕百年コンサート”。八洲の名曲を前述の歌手の皆さんのほか、平均年齢75歳という男声コーラスの”パン”そして、”すずかけ児童合唱団”による歌声。八洲、最初のヒット曲、”高原の旅愁”、大ヒットした”山のけむり”そして、遺作”鎌倉旅情”を沢木が歌った。そして、最後は、”あざみの歌”と”さくら貝の歌”を観客も含めて全員合唱で幕を閉じた。
鎌倉芸術館の大ホールが満席。来年もこの時期に予約を入れたそうだ。ぼくもリピーターになるのは間違いなさそう。
鎌倉市民だった八洲秀章さんに因み、由比ヶ浜に2年ほど前に”さくら貝の碑”が建ったが、沢木さんの話によると、浜にさくら貝が増え続けているそうだ。ほんとかどうか、今日にでも確かめにいこう(笑)。
沢木順のステージ(私、沢木だけは写真撮影可能です、とおっしゃってたので1枚だけ)
さくら貝の歌
作詞:土屋花情
作曲:八洲秀章
美(うるわ)しき 桜貝一つ
去り行ける 君にささげん
この貝は 去年(こぞ)の浜辺に
われ一人 ひろいし貝よ
ほのぼのと うす紅染むるは
わが燃ゆる さみし血潮よ
はろばろと かよう香りは
君恋うる 胸のさざなみ
ああなれど 我が想いははかなく
うつし世の なぎさに果てぬ