おはようございます。
吉永小百合主演の”北の三部作”の最終章である”北の桜守”は、今春、公開されたものだが、見逃していた。それが逗子のホールで上映されているというので、いそいそと出掛けてきた。小百合ちゃんは、ラジオの赤胴鈴之助のさゆり役以来のファンだから、スクリーンでお顔を拝見するだけで満足(笑)。さらに今回は、ぼくの好きな満開桜と満月がラストシーンを飾り、まるで、滝田洋二郎監督がぼくのために制作してくれたよう。感動的でとてもいい映画でしたよ。
戦時中ではあったが、南樺太に住む江蓮家は平穏な日々を過ごしていた。それが、20年8月に入って、突如、ソ連が日ソ不可侵条約を破棄して、攻め込んできたところから物語は始まる。ここに残って、戦わねばならぬ江蓮徳次郎(阿部寛)は、家族を網走に引き揚げさせることにし、妻てつ(吉永小百合)と二人の息子に満月の日に満開になる桜を内地で見ようと約束する。家族を乗せた引き揚げ船は途中で砲撃され、海に放り出される。てつと次男は網走に辿りつくが、長男は波にのまれた。
時が流れ、1971年、高度成長期の日本。渡米していた次男、修二郎(堺雅人)が外資系店舗の支配人として札幌に凱旋する。そして、久しぶりに再会した老いた母の姿におどろく。少しぼけが始まっているようだった。修二郎は18歳のとき、今日限り、母のことは忘れるようにと言われ、この地を離れたのだが、また、母と共に過ごそうと思う。
そして、札幌での生活が始まるが、うまくはいかない。母と子で思い出の地を巡る旅に出る。そのときの回想シーンで、引き揚げ後の、親子の赤貧洗うがごときの暮らしや、修二郎が学校でいじめにあったこと、また、回りには暖かく見守ってくれる人々もいた、等が明らかになる。
不可解な行動をとる母は認知症ではなく、戦争で負ったPTSDの症状だった。そして、”私は幸せになってはいけない人間なのよ”と常々、言っていたらしい。そして、母は突如、病院を抜けだし、行方不明になる。
それから、2年が経過し、北見でてつに似た人をみたという知らせが入る。修二郎が駆け付けると、そこには、すっかり白髪になった母が、桜守をしていた。再会した修二郎を徳次郎(夫)と思いこみ、抱きつく母。修二郎は何もいわず、父のふりをしてやさしく受けとめる。折しも、南樺太で夫が約束した通り、満開の桜の上に満月が昇っていた。
小百合ちゃんと満開桜と満月が見られ、おまけに感動的物語で、大満足であった。
ぼくが見た、満開桜と満月(2018年3月31日)↓
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!