おはようございます。
横浜美術館もあと数日で長期の休館に入る。先日、見納めに(笑)、今、開催中のトライアローグ展と常設展を見てきた。まず、特別展のトライアローグ展から。
トライアローグとは?三者による話し合い(鼎談)を意味するようだ。各地域を代表する横浜美術館、愛知県立美術館、富山県立美術館、三館の学芸員が十分鼎談し、それぞれのコレクションを有機的に接続し、欧米の20世紀美術を概観するためのラインナップを紡ぎあげた展覧会だという。トライにこだわり、展示構成も3章に、そして、次のように、30年区切りとしたという。1章:1900sアートの地殻変動、2章:1930sアートの磁場転換 3章:1960sアートの多元化。
ぼくはいずれの美術館も訪ねたことがあるが、(ぼくのお気に入りの)山形美術館のような豪華な所蔵品の常設展示はなかったように思う。だから、横浜以外は初めて見る作品ばかり。写真撮影が禁止なので、十分、紹介できないが、ちらしやホームページの写真を借りて一部、記録しておこう。ピカソ、クレーの他、ミロ、エルンスト、ダリ、マグリット、ポロック、ベーコン、ウォーホル、リヒターなど、さらにムンク、デュフィ、ドラン、モディリアーニ、シャガール、ルオーの作品も。20世紀美術史を彩った巨匠たちの作品が約120点も集結している。愛知県立美術館、富山県立美術館の所蔵品を同時に見られる、めったにない機会である。
まずは、三館からの共通の画家の作品。
ピカソ。それぞれの時期の作品が見られたのはうれしかった。
これはクレー。
本展の目玉になっているルネ・マグリットの”王様の美術館”。横浜美術館所蔵なので何度か見ているが、今回は穴のあくほど見る(笑)。マグネットが亡くなる1年前、晩年の作品。
先日、テレビ東京の”新美の巨人たち”でも紹介されていた。ポップアートやグラフィックアートの誕生に影響を与えたシュルレアリスムの巨匠で、普段の姿は静かで生真面目な男、ところがそれは仮の姿。本性はまったく違い、常識を裏切り、見る人を惑わせる作風から、“イメージの魔術師”と呼ばれるようになったそうだ。
濃紺で塗りつぶされた背景に、帽子をかぶった男のシルエット。浮かび上がる男の顔が、こちらを見つめている。体の淡いグラデーションは山間の風景。よく見ると中央には宮殿のような建物が…。実はこの絵こそ、マグリットが築き上げてきた芸術と、静かなる男のとんでもない野望が詰まった1枚なのだそうだ。
晩年のこの作品は、これまでの作品の寄せ集めのようだ。いわば集大成の作品だったのだ。
マティス 待つ
ミロ パイプを吸う男
アンディ・ウォーホル マリリン 2012年の暮れ、ニューヨークのMoMAを訪れたとき、しっかりと色つきマリリンの顔が焼きついた。その後、何度も。
こんな色も。
ヴァシリィ・カンディンスキー 網の中の赤
ゲルハルト・リヒター オランジェリー
ジャック・ボロック 無題
イヴ・クライン 肖像レリーフ アルマン
フランシス・ベーコン 坐像
常設展もなかなか良かったですよ。またの機会に。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!