黒柴とまと16歳&ママの散歩道(お空組)

私のとまとは黒とまと。麻呂眉つけてどこいくの?ゆっくりゆっくりと歩いて行こうね。たくさんの愛をありがとう(^^)/

山で発見された日だね

2008年01月30日 | ペット

この写真はむーちゃんが
中央アルプス宝剣岳で遭難して
操作を打ち切られ一人で千畳敷きホテルに泊まり
ホテルから朝日を拝んだ時の写真です
左には持って行ったむーちゃんの帽子を置きました

+

静かな朝でした
初めてみた 山間から出る朝日を

冷んやりした透明な空気が身体を包む
ぽつんと 光が顔を出し
まるで「希望」って感じ
オレンジ色の光が
大きな手を広げるように

言葉もなく 
オレンジ色の日の出をみました
その時は 一緒にいた感じがしました
隣で・・一緒に


これから長い文になりますし
リアルな現状箇所もあるので
楽しい話題ではないので パスの方はパスしてくださいね

++++++++


今日は1月30日

ちょうど1年前の今日だった
朝9時頃に電話が鳴る
長野県警からだった
「今朝ご主人らしき人が発見されました
遺体確認をお願いします」との内容でした

春まで会えないね
でも・・春までは 思い出にしたりながらのんびり待とう
そんな気持ちで暮らしてた

遭難と分かってから23日めの事だった
知らせを聞いても なんだか冷静だったかも

遺体に会いに行くなんて初めての事

ムー娘にも知らせたけど
万が一 違う人だといけないので
私が先ず 行って確認してくると伝えた
妊娠してるので 無理はさせたくなかった

高速バスで一人で行った
途中・・なんで隣に夫がいないの?と思ったら
涙がでてきて止まらなかった

バスが着いて・・地元の友達も来てくれて
私の叔父と待ち合わせ駒ヶ根警察へ行った

何やら 発見された遺体からの遺品を先に見せられた

夫のお財布だった
夫の時計だった

覚悟はしてたからか まだ冷静状態の自分

逢うまでは 逢うまでは・・
どれだけ 逢いたかったか
早く 逢わせてよ

きっとベットに寝てて
白い布が顔にかかってて
私はそこへ駆け寄り 白い布を開ける
懐かしい 夫の顔があって
そこで 私は泣き崩れるのかな

そんな想像をちらちらさせながら
警察の何やら長い確認調べを聞いていた

早く逢いたいのになぁ
淡々とお話する警察官の方
「これから 対面してもらいます
一つだけ言っておきますが・・(とってもいいずらそう)
旦那さん・・顔と手がちょっとぐちゃぐちゃになってたので
こちらで処置して包帯をまいてますので
そこのところ ご了承ください

何の事かしら?と思った
包帯?怪我でもしたのかな~?
遭難死は きれいだと思ってたのに

「怪我でもしたのですか?」
聞いてみた

小動物に食べられてました
頭とか首の損傷がひどく 手もここから両手がね
・・・とジェスチャーで説明がありました・・
食べられた? なんだかよくわかりません

ガラガラ・・大きな重そうなドアを開けてくれました
冷凍のシェルターがある外の霊安室です

よくドラマで見る感じとは全然違うな

中に入りました
ベットはありません
地面に毛布が被されてる何かがありました

キョロって回りを見たら
捜索隊の数人の方がいました
夫を雪の中からヘリで引き上げてくださった方達だと紹介がありました
代表の方が毛布を頭の方からめくりました

あ!包帯
初めに目にしたのは ぐるぐる巻きになった顔のような物
月光仮面? 
なんだかすごくショック
だって 大好きな夫の顔がないんだもの

包帯と言われてたけど頭の上の方だけとか思ってた
全部 ぐるぐるって巻かれてた
ただ・・顔の輪郭は夫だった

次に変だと思ったのは 腕が片方あがってる状態
何だか・・ちょっと可笑しくなってしまった
まるで先生って手を挙げてるみたいで

凍ってるので手を戻せないんですの説明

そして
両手がなくって 手首はぐるぐる包帯巻き

大好きな手は どこにも見当たらない
逢いたかったと手もにぎれないよ

そして・・次にもう少し毛布を下げてくれた

え~!心の中で叫んでしまった
だって 全裸状態です
それも コチンコチンで凍っててね

触っても 人間の感覚はまったくなくて
何だか 冷凍イカを想像してしまう私

段々と毛布をさげていく係りの人
もちろん この全裸が夫かそうでないかは
わかるけど・・・

足・・もちろん・・夫の足だった

「旦那さまですね」って一応「はい」と言わないと
確認にならないから素直に「はい」と


涙もでやしない
だって 私の知ってる 夫ではない

着てた服は 死亡検証のため 破いたらしい 
こちこちに凍ってらしい

履いてた靴を渡してくれた
元の形のままきれいだった

何だか怪物に会ったようだった

待っててくれた地元の友達に
死体検案書を取りに一緒に行ってもらったりした

結局その日は近くのホテルに一人で泊まった

凍ってるし手もあがったままでお棺に入らないし
ここで火葬するしかないと言われ
そうする事に


次の日は 忙しかった
役場に行って 火葬証明をもらったり
電話連絡したりで 

 晴天だった
駒ヶ根の街を 一人で用事で歩きまわるのに
雪の白がキラキラとまぶしかったなぁ

途中 警察の前を通ったので(全部歩き行動)
外の霊安室に行ってしまった
扉は開かないけど
扉にくっついて 「明日くるからね」と言った
そこにいるのに そこにいるのに
私の夫でがない気がして仕方なかった

同じホテルに二泊した
夜は一人でどうだったのかな
携帯でブログ更新したりメールしたりだったかな
よく覚えてない



火葬の日
朝・・両方の子供たちが来た

夫の子供たちが対面
久しぶりに会う父親が・・・こんな姿だと思うと
それがとってもせつなくて・・可哀そうだった

火葬場に行くので最後のご対面になりますと言われ
未だに納得いかない 夫の身体に触れた

昨日も今日もカチカチに凍っていて解けない
触れるにも氷状態だから 冷たいし硬い


それでもこれで姿が見えなくなると思い
足の先から撫ぜてみよう
寒かったよねって 
足の先から 撫ぜた

ただ・・冷たいだけ
それでも 撫ぜて膝・・腿・・お腹・・胸へと触れて行った

胸はたくさん撫ぜた
生きてる時してたように

そして 顔を見たら顔がない
もうどうしようもなくて 首にしがみついた

そしたら そしたら
ギュッて 離れなくなってしまい
パズルが合体したようになってしまった
夫も私を引きよせたと思う
二人で泣いたんだ

ヤダヤダ~~と
ただ・・ただ・・・ヤダ~~ヤダ~~って
大声をだしたと思う

それからは あんまり覚えてないけど
きっと 狂ったように泣き叫んだと思う

どんな風に泣いたか 
どんな風な言葉を叫んだかは記憶にない

ただ・・途中引きさかれ
一旦外に出されて 少したって中に入ったら
もうお棺の蓋は閉められてた

あ~がっかり

でも 不思議にパキって元の自分に戻り
火葬場に 行った

私の他は子供と二人の親戚だけだった

火葬場でも 最後のお別れで
ガシャって 焼く門がしまった時には
また 狂ってしまったけど

骨を拾う時は 冷静になってた

そのまま お骨を抱いて
車で家まで親戚の人に送ってもらった

途中疲れるからお骨を座席に置いたらと言われたけど
3時間あまり 膝の上にずっといた

寒い膝をぽかぽか温めてくれてたから
重くもなかったし 疲れる事もなかった

これが夫なんだ・・
このぽかぽかしてる物が



やっと やっと お家に戻ってきたね

「おかえりなさい・・・おつかれさま」って言いました

その日は 

お布団でお骨を抱いて寝ました

「やっと 帰ってきたね」 って

++++


夫の命日は1月6日ですが(推定)
私は・・この30日に 夫の姿と久しぶりに対面でした

普通の遺体ではなくって
何だか 変わった遺体でした

その直後は 何でこんな形で?
意地悪とか思ってました

顔がない事が・・食べられた事が
あまりにも 悲しくって
はなんさんにメールでその事をお話したんです

そしたら
「むーさん やさしいのね もう身体は必要ないから
お腹すかしてる動物にあげたのよ」って

がーん! 
そんな風には考えもしませんでした
顔がない・・・なんで動物が食べちゃうの?
なんで 大好きな人の顔を食べるの?
としか思ってなかったので
がーん!でした

でもその言葉を聞いて
そっうか・・そうだね 
むーちゃんなら そうするよって納得して
暖かい気持ちになれました

はなんさん ありがとう

そして・・・後でわかった事もありました
何で顔がなかったのかって事が



それは 
夫の考え通りにした事かもしれない

きっと自分の死に顔を私に見せたくなかったんだ
私には元気な時の自分だけを記憶に残してもらいたかったんだ
こちこちの手を握らせたくなかったんだ
生きてる時の温もりのある手だけを
思い出して欲しかったんだ

きっとそんな考えでそうしたんだと思う
それをするような人だから

だから

私の想い出す夫の顔は 笑ってる顔だし
生き生きしてる顔だし
おちゃらけてる顔なんです

そしてふっくらした手
暖かい手

それしか思い出せません
だって 死んだ顔見てないし
凍った手も繋いでないのだから

それが 私にしてくれた 
最後の愛情表現だったのね

きっと そう
だって それだけ愛の深い人
最後まで 私を想ってくれる人でした

+++

30日に発見してくださった○○さんには
感謝しております・・・その日があって今がある

そんなこんなで
1年たちました

2007年の1月のその時の記事には
たくさんのコメントをいただきました
コメント返しはその時はできませんでしたが

今になってお礼申し上げます
現地で携帯からコメント読んで
あたたかい涙を流してましたよ
一人じゃないって 皆がいるって

そうして 

今までこうして来てます
ありがとう ございます
感謝の気持ちでいっぱいです

長い文を読んでくださってありがとう
やはり 対面した日は私にとっては特別な日でしたので
1年後の今日はこの記事にしました


月日がたって

私への夫への愛は薄れるどころか  
愛は深まってきてます

男女間の愛というよりも
人間愛みたいなものかな~

魂になると
男でも女でもなくなるらしいですね
一つの魂か・・・

ふーーーん そうなんだぁ



 

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22 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
1年・・・ (そら&まめ母)
2008-01-30 12:53:18
ろみさん、長く、けれどあっと言う間の1年でしたね。
心の葛藤がとても伝わってます。
そばにいることがどれほど大切なことなのかを痛切に感じた1年でした。
むーちゃんさんは、いつでもろみさんのそばに寄り添ってらっしゃいます。
はなんさんの詞、とってもあったかいですね。

だいすきなろみさんへ

いつもそばにいます

返信する
全部読みました。 (麦ママ)
2008-01-30 13:02:49
ろみさん 全部読みましたよ。
しっかり 何回も読みました。

気持ちを上手に書くことが出来ないのですが。

「話して下さってありがとうございます。。
 本当にありがとう。」(合掌)。
返信する
なんと書いたらいいのか・・・ (div)
2008-01-30 14:53:40
ろみさん、思い出すのも辛かったことが多くあったでしょうに…。
1年前のブログ記事、主人と一緒に読んでいたのを思い出しました。
「この方…強いよね…」主人がそう言っていました。

もう1年経つのですね…。
むーさんの優しさが伝わってきて、ろみさんとの
深い愛も感じられる内容でした。
大切な内容なのに…お話しくださってありがとうございました。
これからも、むーさんとろみさん…ずっと一緒です。
私の目標のご夫婦です。
返信する
Unknown (猫じゃらし)
2008-01-30 15:20:31
ろみさん、

今まで、むーさんが遭難して亡くなられた、ということしか存じ上げませんでした。

以前お会いしたときは、とても明るい方だと印象うけました。こんな辛い体験をして1年も経っていなかったとは信じられない思いです。

ご遺体との対面は、想像を絶する辛さだったと思います。でも、肉体は仮のぬいぐるみだと、私も思っています。ろみさんの瞼に残したい最後のご自分の姿を、ちゃんとわかっていらしたのですね。

ろみさん、むーさんとは本当のソウルメイトですね。羨ましいくらいです。

返信する
Unknown (slamchan)
2008-01-30 20:44:25
ろみ様

読ませていただきました。
涙が出ました。

本当に一年経って、ろみさんがちゃんと書くことが出来て、辛い気持ちを乗り越えて、えらいなーと思いました。
「ムー」さんの笑っている顔、ふっくらした手、暖かい手、それをしっかり覚えていることが出来て、良かったと思います。
冷たい顔や冷たい手なんて知らないほうがいいです。

ろみさんが書いた「男女の愛というよりも人間愛という」 そうです、それこそが素晴らしいと思います。
その『愛』をつかんだからろみさんは強くなれたのだと思います。
これからもその愛を感じながら、元気に生きてください。
応援しています。
返信する
ありがとう! (かざふ)
2008-01-30 23:32:48
ろみさん辛い記憶を話してくださってありがとうございました。
概略はブログで書かれていたので判っていましたが
そんな事があったんですね。
後になって思えば見せたくなかったのかと思いますが
その時は本当に辛かったでしょうね、心中お察しします。
昔おばあちゃんが亡くなった時を思い出しました。
最初は死んだのがピンと来なくて涙も出なくて、でも最後お棺に入って火葬する前に姿を見た時に思い切り泣いてしまいました。
まあ私の話は良いのですが・・・。

むーさんとろみさんの愛は今でも続いています。
これからもずっと続いていきます。
むーさんの残したものは沢山あってろみさんはその
引き出しを少しずつ引き出していくんですよね
それがろみさんの生きがいへと続いていくんだと思います。
いつまでも応援しています。
皆さんと頑張っていきましょうね!
返信する
一年ですか・・・ (はなん)
2008-01-31 01:14:40
ろみさんこんばんは。
あれからもう一年がたつのですか…。
まだ・・・というべきか、もう・・・というべきか。
私の中では「もう一年が…」という感じですが、この一年のろみさんの活動を拝見していると「まだ一年?」という感じ…。

ブログに私の言葉を書いてくださってありがとうございます。
あの言葉はむーさんの思いをお伝えしたまででした。
ろみさんからむーさんのご様子を伺った時、不意に
「あいつら腹すかしてたから(照)」って。
動物は不思議そうな顔でむーさんを見ていたので、
「食っていいぞ。うまいぞ~」って言ったんだって。
アニマルコミュニケーションしてたみたいでした。
で、ろみさんに伝えたようなあんな言葉になったんです。

生きとし生けるものすべてに愛を。
そんな感じの方なんですね、むーさんって…。
そんなむーさんと「夫」と呼べるろみさんがうらやましいです。
私もろみさんたちに負けない夫婦になるぞー!p(^-^)qファイト!
返信する
 (nana)
2008-01-31 12:12:46
もう1年ですか…
月日が過ぎるのが本当に早いですね。
でも今ろみさんが元気にとまちゃんと過ごしている事が
とっても嬉しく思います。
きっとむーちゃんもそうだと思います。

むーちゃん、なんて愛に満ちた人なんでしょう。
凄く尊敬出来る方ですね。
そんな方の奥さんで居られるのって、とても羨ましいです。
これからも、ず~っと、むーちゃんとは一緒ですね
返信する
あれから・・・ (pittu)
2008-01-31 23:04:33
お正月があけて むーさんが山で消息を絶ってしまわれ、あのころの1日・1日が妙に 長かった気がしていました。 
沢田知可子さんの「会いたい」を偶然聞いてしまって
 むーさんに会ったこともないのに まるで
ろみさんが 乗り移っちゃったように泣いちゃったり。
あれから 1年経ったんですね。
何か すごーく昔のような気もする。。。

でも 姿は見えなくても いつも寄り添って
ろみさんの心を暖めてくれていたんですね。
返信する
こんばんわん (ろみ)
2008-02-01 21:02:30
そら&まめ母さま

皆と歩いてきた1年でした
ほんと・・あっという間でした
これからの1年も早いのでしょうか?
はなんさんのお言葉あって今があるような気がします
いつもありがとね
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