'14.05.28 『グランド・ブダペスト・ホテル』(試写会)@スペース汐留
見たいと思って試写会応募したけどハズレ 当選したお友達のおこぼれに与って行ってきたー
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「1968年、かつて栄華を誇ったグランド・ブダペスト・ホテルに滞在中の作家は、このホテルの経営者ミスター・モスタファにインタビューする機会を得る。食事をしながら伝説のコンシェルジュと、若き日のモスタファにまつわる話を聞くことになるが・・・」という話。これは面白かった! 冒頭からウェス・アンダーソンの世界全開という感じ。なにより出演を熱望し、監督に手紙を書いて交渉したというジュード・ロウを初めとした、豪華キャストたちが嬉々として演じている姿を見ているだけでも楽しいし、また使い方が上手い!
第64回ベルリン国際映画祭オープニング作品で、審査員グランプリを受賞。ウェス・アンダーソン監督が、脚本、原案、製作も手掛けたという、ウェス・アンダーソンによる、ウェス・アンダーソン作品(笑) 監督の作品の特徴と言えば、まるで絵本を読んでいるかのような美しくてカワイイ映像と、クスリと笑えながらも意外に毒を含むストーリー。重いテーマを重く描く映画も好きだけれど、個人的には軽いタッチで見せて、余韻を残す作品が好き。なので、ウェス・アンダーソン作品は好きで結構見ている。だから何?という感じですが、要するに今まで見た作品の中でも、かなり好きな作品だということが言いたいわけです(笑)
架空の国ズブロフスカ共和国が舞台。このズブロフスカ共和国について、公式サイトでは実際にあった国かのように説明されていて、それによるとヨーロッパ大陸の東端の国で中心都市はルッツ。各地に温泉保養地があり、ヨーロッパ中の上流階級やお金持ちが訪れた。しかし、1930年代ファシストに占領され、独立国家ズブロフスカ共和国は消滅。その後共産圏となった。圧政に泣く人々をプロイセン風邪が襲うなどの悲劇に見舞われ、現在では旧ズブロフスカ共和国の国民的作家による傑作小説「グランド・ブダペスト・ホテル」のみが、この国を知る唯一の手がかりであるとのこと。ここまで背景が考えらえているってスゴイ! そしておもしろい! いくらなんでも1930年代まで存在した国が、1冊の本でしか歴史が知られていないっていうのもどうかと思うけど、そういうツッコミは映画自体と関係ないのでなし(笑)
この作品は1932年、1968年、そして現代3つの視点で描かれているのだけど、老作家が自身の作品について語るシーンが入っているので、現代に比較的近い時代も入れて、4つということになるのかな? 冒頭、1人の少女が雪の舞う墓地を訪れる。ヨーデルのようでもあり、東ヨーロッパの民俗音楽のようでもある男声合唱が流れる中、墓地を進む少女の姿を横から映す。そのカメラワークや音楽、バックの建物など冒頭からウェス・アンダーソン全開で( ̄ー ̄)ニヤリ 少女は作家のお墓の前で「グランド・ブダペスト・ホテル」を読み始める。旧ズブロフスカ共和国にあったグランド・ブダペスト・ホテルは1930年代の温泉リゾートとして最も栄華を誇った。ネベルスバートの山の上にあるホテルには、ケーブルカーに乗って行かなくてはならないが、多くのお金持ちたちが訪れた。まるで絵のように美しいと言われていたというナレーションとともに映し出されるホテルは、絵のようでもあり砂糖細工のようでもあり。とにかく美しくてカワイイ もうゾクゾクするかわいさ!
シーン変わって老作家(トム・ウィルキンソン)が自身の作品を語る。孫のかわいらしいジャマが入るこの場面から、1968年のグランド・ブダペスト・ホテルへ。若き日の作家(ジュード・ロウ)が訪れた時にはすっかり寂れてしまっている。途中ナレーションがトム・ウィルキンソンからジュード・ロウに変わるの好き。特に何もすることがない作家は、ベルボーイ Mr.ジーン(ジェイソン・シュワルツマン)と仲良くなり、彼からある宿泊客についての情報を得る。このホテルの経営者であるミスター・モスタファ(F・マーリー・エブラハム)。移民である彼がどのように巨万の富を築き、このホテルを手に入れたのか、あまり知られていない。しかも、年に1度ふらりと訪れて、1番狭い元従業員部屋に泊まるという謎の人物。彼に興味を覚えた作家は、温泉で偶然に出会ったミスター・モスタファに質問すると、ディナーに誘われる。食事をしながら全てを話そうというのだった。大広間のような食堂で向かい合う2人。ミスター・モスタファの口から語られたのは、ある伝説のコンシェルジュの話。この時代のホテルの内装は完全の共産圏の香り。ミスター・モスタファにデカダンス過ぎると言われてしまうけど、個人的には嫌いじゃない。1932年の本物嗜好の豪華さに比べると、豪華だけれどどこかチープというか、寒々しい感じがするデザインは、確かにデカダンスではあるし、この時代に自分が生きていたら特別惹かれることもなかったのかもしれないけれど、浴槽が並んだだけの味も素っ気もない温泉施設も含めて嫌いじゃない。やっぱりセンスいいと思う。
温泉施設の浴槽
1932年、移民としてズブロフスカ共和国にやってきたゼロ・モスタファ(トニー・レヴォローリ)は、見習いベルボーイとしてグランド・ブダペスト・ホテルに勤務していた。そこにいたのは伝説のコンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)。ホテルの全てに目を配り、彼なくしてはホテルは回らない存在。この辺りをゼロの目線でコミカルに見せるのも楽しい。1968年の退廃感などウソのような煌びやかな世界。その中心にいるグスタヴ・Hはゼロの憧れ。彼目当てで来る宿泊客は引きも切らず、女性たちの真の目的は彼の夜のご奉仕。彼自身は独身のようだけれど、意外と老女好みなのかも? 上客であるマダム・D(ティルダ・スウィントン)は84歳。彼女の年齢にビックリするゼロに対し、もっと年上も相手にしたとあっけらかんと言ってたし(笑) まぁ、そこも含めてお客様を喜ばせるというプロ意識なのでしょうけれど、このサービスはどうよ?というツッコミもなしで(笑)
ある日、マダム・Dが何者かに殺害されてしまう事件が起きる。このニュースをグスタヴ・Hに伝えたゼロは、彼と共にルッツにあるマダム・Dの屋敷を訪れることになる。個室での列車の旅。途中、数人の警官が乗り込んで来る。通行証を見せるように言われ、差し出す2人。しかし、移民であるゼロの通行は認められない。毅然とした態度で抗議するグスタヴ・Hは警官に殴られてしまう。彼らを制して現れたのはヘンケルス警部補(エドワード・ノートン)。幼い頃グランド・ブダペスト・ホテルで親切にしてくれたグスタヴ・Hに恩義を感じていたヘンケルス警部補は、2人の通行を許可し、ゼロの仮通行許可証を発行してくれる。同じシーンが後に出てくるけれど、結末は違う。それがあることを象徴している作りが上手い。
さて、ルッツのマダム・Dの豪邸で待ち構えていたのは、手下の殺し屋J・G・ジョプリング(ウィレム・デフォー)を従えた息子のドミトリ(エイドリアン・ブロディ)ら、遺産目当ての親族たち。もちろんグスタヴ・Hとゼロは招かれざる客。そんな中、弁護士のコヴァーチ(ジェフ・ゴールドブラム)が遺言書を読み上げる。一見何の問題もないように思えたが、最近書き加えられた一通により、貴重な絵画「少年と林檎」がグスタヴ・Hに贈られることになる。他の遺産は手に入るのだから、絵画の1枚くらいいいじゃないかと思うけれど、どうやらとんでもなく価値のある絵らしい。ということで当然ドミトリは大反対。先手を打って厨房へ向かうグスタヴ・Hとゼロ。そこには執事のサージX(マチュー・アマルリック)が待っており、まんまと「少年と林檎」を別の絵とすり替えて持ち出すことに成功 この「少年と林檎」という絵画は映画のために創作されたものだと思うけれど、この絵とすり替えられたのがエゴン・シーレ!ちょっと検索してみたけど、同じ作品の画像が出てこなかったので、もしかしたらこれも創作されたものかもしれないけれど、絵のタッチは間違いなくエゴン・シーレ。後にこのすげ替えをメイドのクロティルド(レア・セドゥ)にバラされてしまい、逆上したドミトリがエゴン・シーレを破ってしまう! 要するにドミトリにとって絵画そのものに興味はないということ。こういう俗物を皮肉っているのだろうし、価値は後付けであり、その時代によっても変わる。そしてその価値を認める人がいて初めて価値が生まれるとうことが言いたいのかなと・・・
グランド・ブダペスト・ホテルに戻り「少年と林檎」を隠したものの、直ぐにドミトリの追手が迫る。しかも、サージXは偽の証言をさせられ、マダム・D殺害容疑で指名手配されてしまう。グスタヴ・Hはコンシェルジュ仲間による秘密結社クロスト・キーズ協会(鍵の秘密結社)の情報網を使い逃走する計画を立てる。Mr.アイヴァン(ビル・マーレイ)、Mr.マーティン(ボブ・バラバン)から指示を受け移動していくのが面白い! ある修道院でサージXと再会。彼から偽証せざるを得なかったこと、大切な書類を「少年と林檎」に隠したことを告げられる。しかし、指にメリケンサックを装着したJ・G・ジョプリングの魔の手が迫っていた。雪上でのチェイスは楽しく、ソリでボブスレーのコースを滑っちゃったりする。この辺りもウェス・アンダーソン節だけど、画面のトーンは暗め。お菓子みたいなホテル、重厚で豪華なマダム・D邸、そして雪の逃避行と、どんどん色が少なくなって、暗いトーンになって行く。これも、ファシズムの胎動直前の暗さを表現しているのかな?
結局、逮捕されてしまったグスタヴ・Hは牢獄へ。ここは悪名高い刑務所。でも、持ち前のおもてなし力と機転で、ルドウィグ(ハーヴェィ・カイテル)ら囚人仲間の信頼を得ることに成功。ゼロの婚約者で街の人気ベーカリーMENDEL(メンドル)のパティシエ アガサ(シアーシャ・ローナン)が作る、チョコレート菓子コーディザン・オウ・ショコラの中にヤスリを仕込んでもらい、脱獄する計画を練る。このメンドルの四角いピンクの箱にMENDEL.Sと赤のロゴが書かれたデザインがカワイイ! チョコレート菓子も切っちゃうのもったいないくらいカワイイ 決行の日、仲間に若干の犠牲者が出たものの無事脱獄! グランド・ブダペスト・ホテルはグスタヴ・H不在の2年間ですっかり変わっていた。後任のコンシェルジュは軍人のMr.チャック(オーウェン・ウィルソン)。ほぼ軍人のためのホテルになっていた。もうあの優雅なグランド・ブダペスト・ホテルはない。さて、このホテルにある「少年と林檎」を取り戻すべく、再びアガサの登場。グスタヴ・Hとゼロでは顔が割れてしまっているため、アガサが隠し場所に潜入して取ってくるしかない。お店からの差し入れだとコーディザン・オウ・ショコラを配るアガサ。ピンクの箱を盾に従業員の目を反らす。無事「少年と林檎」を探し出したものの、グスタヴ・Hを追ってきた警察や、何故かドミトリも加わり、追いつめられる。ベランダから彼女が落下したのはメンドルの車の荷台。あのカワイイピンクの箱の山の中で、駆け付けたゼロと見つめ合うシーンはもう絵のようにカワイイ
MEDEL.Sの箱の山のアガサ&ゼロ
「少年と林檎」の裏に隠してあったサージXの告発文により、全ての悪事はドミトリによるものであったことが判明。グスタヴ・Hの容疑は晴れ、マダム・Dの遺産が入り、彼はグランド・ブダペスト・ホテルといくつかのホテルを購入。何故またグスタヴ・Hとゼロが、列車で旅することになったか忘れてしまったけれど、再び個室列車の旅。以前と同じように警官たちによる検閲があり、通行証を求められる。そしてゼロの通行が認められず、毅然とした態度でヘンケルス警部補の仮許可証を見せるも、アッサリ破り捨てられてしまう。そう、政権が変わってしまったのだった・・・ 抵抗したグスタヴ・Hは殺されてしまう。そのシーンは見せず、1968年の食堂でミスター・モスタファが語るという形になっている。グスタヴ・Hの遺産は遺言によりゼロに残された。こうして彼はグランド・ブダペスト・ホテルのオーナーとなったというわけ。後にアガサと結婚したけど幸せは長く続かず、ヨーロッパ中に蔓延したプロイセン風邪により、若くしてアガサと幼い息子を亡くしてしまった。彼にとってグランド・ブダペスト・ホテルは、人生の輝かしい思い出であり、最も辛い記憶でもある。だから彼はかつて自分が暮らした使用人部屋に泊まっているのね・・・ 映画は、現代に戻り、少女が小説「グランド・ブダペスト・ホテル」を読み終えて終わる。全てが作り物であるという終わり方も良かった。例え全てが実話であっても、小説や映画になった時点で、それはやっぱり作り物だということかと・・・
と、ほとんど一気に書いてしまった。もう十分長いけど、公式サイトやWikipediaや、町山智浩氏による「たまむすび」(諸事情によりYouTubeリンクなしです(;´・ω・`)ゞごめんなさい)での解説音源などから得た知識を書いておこうかな!備忘のために(笑) 音楽に拘りのある監督だけど、今回の東ヨーロッパの国らしい音楽をということで、ヨーデルやバラライカを取り入れ、ハンマー・ダルシマーという楽器を使用したとのこと。音楽は全部好きだった! 頬にメキシコ型のアザ(何故メキシコ型なのかは謎)のアガサが作るコーディザン・オウ・ショコラは、地元ベーカリーのアネモネ・ミュラー・グロスマンさんが作ったのだそう。地元って何よって感じですが(笑) 撮影は主にドイツとポーランド国境沿いのゲルリッツで、2013年1月~3月の間で行われたのだそう。この間、ゴールドブラム、ウィルソン、デフォー、ノートンが写った写真がネット上に出回ったらしい。1930年代の温泉リゾートから共産圏時代の衰退期を撮影するため、ヨーロッパ的で視覚的に変更可能なロケ地という条件で探したところ、20世紀に入る寸前にゲルリッツに建てられた、広大なデパートが選ばれたそうで、ホテル内部はほぼこのデパートで、外観は模型を使い撮影されている。また、時代別にアスペクト比率を変えていて、1968年はアナモルフィックワイドスクリーン、1930年代は1.37:1フォーマット、現代は1.85:1で撮影するという拘りよう! さすがウェス・アンダーソン監督! ここは注目して見て欲しいところ\_( ゚ロ゚)ここ重要
で、ウェス・アンダーソン監督が今作を撮ろうと思ったのは3つの要素が1つになったからだそうで、①1930年代のコメディ②シュテファン・ツヴァイク(Wikipedia)③ハンナ・アーレント「イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告」、イレーヌ・ネミロフスキー「フランス組曲」などに見られるナチスに対するヨーロッパ各国の反応があったそうで、そのうち②シュテファン・ツヴァイクについては、彼の本に基づくというようなクレジットがあったので、原作があったのかくらいに思っていたのだけど、公式サイトや町山氏の解説によるとちょっと違うらしい。シュテファン・ツヴァイクは1930年代に世界的大ベストセラー作家だったそうで、代表作は「マリー・アントワネット」 日本のマンガ「ベルサイユのばら」まで受け継がれる、少女だったマリーが凡庸な夫と不幸な結婚をし、運命の恋に落ちるというような、いわゆる"マリー・アントワネット像"を作り上げた人物。ウィーン生まれの彼は世界初の知識人ネットワークを作るなど、精力的に活動したが、ユダヤ系であったためブラジルへ亡命。しかし、彼の本が焼かれる焚書などもあり深く傷つき、第二次世界大戦開戦による絶望から、自ら命を絶ってしまったのだそう。監督はグスタヴ・Hのモデルについては、原案を共同で担当したヒューゴ・ギネスと共通の友人であると語っているそうだけれど、シュテファン・ツヴァイクの影響もあったのかも。秘密結社の辺りとか・・・ また、彼の小説のファンになった監督は、グランド・ブダペスト・ホテル≒ウィーンと考えていたのではないか?というのは町山氏の説。なるほど、芸術とか古いしきたりとか、美しいものがファシズムによりズタズタにされる様を、悲しく思ったのかもしれない。そして、失われた物に敬意を払いつつ、痛烈な皮肉を込めて描いたってことかな? そういう意味で今作は今までの作品とはちょっと違うかも。いつもはもう少し個人の内面の問題を描いていることが多かったような・・・ その上で主人公を取り巻く問題も描いていたけど、もう少し狭い世界だったように思う。今作はちょっとテーマが大きいし、個人的なことよりも、社会とか政治とかに重点を置いている。この変化は何だろう?
豪華キャストについては語り切れないので少しだけ。もうほんと全員主役ができる人たちばかり。彼らが脇役を嬉々として演じているのが楽しい。マダム・Dのティルダ・スウィントンは84歳の老婆になるため、毎日5時間かけてメイクをしたそうで、腕、胸、首、背中、全身プロセスティックをつけ、白内障のコンタクト、老人の歯と耳たぶを着けるなど、素のティルダの部分はほとんどないらしい。知らなったら老女優が演じていると思ってしまうくらいの化けっぷり。もちろんティルダの老女演技が素晴らしかったからでもある。ウェス・アンダーソン作品初出演の2人が主役。ゼロのトニー・レヴォローリは大抜擢という感じだけど、意外に2歳から子役として映画などに出演しているそうで、キャリアは長い。中東系かと思ったらグァテマラ系なのだとか。レイフ・ファインズは脚本執筆段階であて書きしていたそうで、このちょっと気取って、少しトボケた、素晴らしい才能のグスタヴ・Hを好演! 2人の掛け合いが良かった
とにかく、どのシーンもカワイイ 1932年のグランド・ブダペスト・ホテルの豪華絢爛さ、真っ赤なエレベーターとか乗りたくてドキドキする! 1968年の退廃感も好き! 衣装も素敵だった。ミレーナ・ナノネロはマダム・Dの衣装をグスタフ・クリムトの絵画をもとにデザインしたそうで、その辺りも見どころだけど、囚人服の意外なかわいさも忘れがたい。もう、全てがお菓子みたいなかわいさ! でも、意外に重くて深いテーマっていうのが好きo(`・д・´)o ウン!!
真っ赤なエレベーター
ウェス・アンダーソン監督ファンの方は絶対見るよね? 監督の作品初めてでも入りやすい作品だと思う。テーマについては背景を知らないと分かりにくいと思うけど、分からなくても楽しめる。豪華キャストの誰のファンでも見て損はないと思う! オススメ
公式サイトの作りが凝ってる! 開くとエレベーターに乗ってるみたいに画面がスクロールしてトップ画面に移動。ズブロフスカ共和国の歴史も載ってたり遊び心があって、こちらもお菓子みたいなデザインがカワイイ! 特製グッズがDLできるコーナーもある! レターセットとか欲しい! 後でDLする
『グランド・ブダペスト・ホテル』Official site
見たいと思って試写会応募したけどハズレ 当選したお友達のおこぼれに与って行ってきたー
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「1968年、かつて栄華を誇ったグランド・ブダペスト・ホテルに滞在中の作家は、このホテルの経営者ミスター・モスタファにインタビューする機会を得る。食事をしながら伝説のコンシェルジュと、若き日のモスタファにまつわる話を聞くことになるが・・・」という話。これは面白かった! 冒頭からウェス・アンダーソンの世界全開という感じ。なにより出演を熱望し、監督に手紙を書いて交渉したというジュード・ロウを初めとした、豪華キャストたちが嬉々として演じている姿を見ているだけでも楽しいし、また使い方が上手い!
第64回ベルリン国際映画祭オープニング作品で、審査員グランプリを受賞。ウェス・アンダーソン監督が、脚本、原案、製作も手掛けたという、ウェス・アンダーソンによる、ウェス・アンダーソン作品(笑) 監督の作品の特徴と言えば、まるで絵本を読んでいるかのような美しくてカワイイ映像と、クスリと笑えながらも意外に毒を含むストーリー。重いテーマを重く描く映画も好きだけれど、個人的には軽いタッチで見せて、余韻を残す作品が好き。なので、ウェス・アンダーソン作品は好きで結構見ている。だから何?という感じですが、要するに今まで見た作品の中でも、かなり好きな作品だということが言いたいわけです(笑)
架空の国ズブロフスカ共和国が舞台。このズブロフスカ共和国について、公式サイトでは実際にあった国かのように説明されていて、それによるとヨーロッパ大陸の東端の国で中心都市はルッツ。各地に温泉保養地があり、ヨーロッパ中の上流階級やお金持ちが訪れた。しかし、1930年代ファシストに占領され、独立国家ズブロフスカ共和国は消滅。その後共産圏となった。圧政に泣く人々をプロイセン風邪が襲うなどの悲劇に見舞われ、現在では旧ズブロフスカ共和国の国民的作家による傑作小説「グランド・ブダペスト・ホテル」のみが、この国を知る唯一の手がかりであるとのこと。ここまで背景が考えらえているってスゴイ! そしておもしろい! いくらなんでも1930年代まで存在した国が、1冊の本でしか歴史が知られていないっていうのもどうかと思うけど、そういうツッコミは映画自体と関係ないのでなし(笑)
この作品は1932年、1968年、そして現代3つの視点で描かれているのだけど、老作家が自身の作品について語るシーンが入っているので、現代に比較的近い時代も入れて、4つということになるのかな? 冒頭、1人の少女が雪の舞う墓地を訪れる。ヨーデルのようでもあり、東ヨーロッパの民俗音楽のようでもある男声合唱が流れる中、墓地を進む少女の姿を横から映す。そのカメラワークや音楽、バックの建物など冒頭からウェス・アンダーソン全開で( ̄ー ̄)ニヤリ 少女は作家のお墓の前で「グランド・ブダペスト・ホテル」を読み始める。旧ズブロフスカ共和国にあったグランド・ブダペスト・ホテルは1930年代の温泉リゾートとして最も栄華を誇った。ネベルスバートの山の上にあるホテルには、ケーブルカーに乗って行かなくてはならないが、多くのお金持ちたちが訪れた。まるで絵のように美しいと言われていたというナレーションとともに映し出されるホテルは、絵のようでもあり砂糖細工のようでもあり。とにかく美しくてカワイイ もうゾクゾクするかわいさ!
シーン変わって老作家(トム・ウィルキンソン)が自身の作品を語る。孫のかわいらしいジャマが入るこの場面から、1968年のグランド・ブダペスト・ホテルへ。若き日の作家(ジュード・ロウ)が訪れた時にはすっかり寂れてしまっている。途中ナレーションがトム・ウィルキンソンからジュード・ロウに変わるの好き。特に何もすることがない作家は、ベルボーイ Mr.ジーン(ジェイソン・シュワルツマン)と仲良くなり、彼からある宿泊客についての情報を得る。このホテルの経営者であるミスター・モスタファ(F・マーリー・エブラハム)。移民である彼がどのように巨万の富を築き、このホテルを手に入れたのか、あまり知られていない。しかも、年に1度ふらりと訪れて、1番狭い元従業員部屋に泊まるという謎の人物。彼に興味を覚えた作家は、温泉で偶然に出会ったミスター・モスタファに質問すると、ディナーに誘われる。食事をしながら全てを話そうというのだった。大広間のような食堂で向かい合う2人。ミスター・モスタファの口から語られたのは、ある伝説のコンシェルジュの話。この時代のホテルの内装は完全の共産圏の香り。ミスター・モスタファにデカダンス過ぎると言われてしまうけど、個人的には嫌いじゃない。1932年の本物嗜好の豪華さに比べると、豪華だけれどどこかチープというか、寒々しい感じがするデザインは、確かにデカダンスではあるし、この時代に自分が生きていたら特別惹かれることもなかったのかもしれないけれど、浴槽が並んだだけの味も素っ気もない温泉施設も含めて嫌いじゃない。やっぱりセンスいいと思う。
温泉施設の浴槽
1932年、移民としてズブロフスカ共和国にやってきたゼロ・モスタファ(トニー・レヴォローリ)は、見習いベルボーイとしてグランド・ブダペスト・ホテルに勤務していた。そこにいたのは伝説のコンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)。ホテルの全てに目を配り、彼なくしてはホテルは回らない存在。この辺りをゼロの目線でコミカルに見せるのも楽しい。1968年の退廃感などウソのような煌びやかな世界。その中心にいるグスタヴ・Hはゼロの憧れ。彼目当てで来る宿泊客は引きも切らず、女性たちの真の目的は彼の夜のご奉仕。彼自身は独身のようだけれど、意外と老女好みなのかも? 上客であるマダム・D(ティルダ・スウィントン)は84歳。彼女の年齢にビックリするゼロに対し、もっと年上も相手にしたとあっけらかんと言ってたし(笑) まぁ、そこも含めてお客様を喜ばせるというプロ意識なのでしょうけれど、このサービスはどうよ?というツッコミもなしで(笑)
ある日、マダム・Dが何者かに殺害されてしまう事件が起きる。このニュースをグスタヴ・Hに伝えたゼロは、彼と共にルッツにあるマダム・Dの屋敷を訪れることになる。個室での列車の旅。途中、数人の警官が乗り込んで来る。通行証を見せるように言われ、差し出す2人。しかし、移民であるゼロの通行は認められない。毅然とした態度で抗議するグスタヴ・Hは警官に殴られてしまう。彼らを制して現れたのはヘンケルス警部補(エドワード・ノートン)。幼い頃グランド・ブダペスト・ホテルで親切にしてくれたグスタヴ・Hに恩義を感じていたヘンケルス警部補は、2人の通行を許可し、ゼロの仮通行許可証を発行してくれる。同じシーンが後に出てくるけれど、結末は違う。それがあることを象徴している作りが上手い。
さて、ルッツのマダム・Dの豪邸で待ち構えていたのは、手下の殺し屋J・G・ジョプリング(ウィレム・デフォー)を従えた息子のドミトリ(エイドリアン・ブロディ)ら、遺産目当ての親族たち。もちろんグスタヴ・Hとゼロは招かれざる客。そんな中、弁護士のコヴァーチ(ジェフ・ゴールドブラム)が遺言書を読み上げる。一見何の問題もないように思えたが、最近書き加えられた一通により、貴重な絵画「少年と林檎」がグスタヴ・Hに贈られることになる。他の遺産は手に入るのだから、絵画の1枚くらいいいじゃないかと思うけれど、どうやらとんでもなく価値のある絵らしい。ということで当然ドミトリは大反対。先手を打って厨房へ向かうグスタヴ・Hとゼロ。そこには執事のサージX(マチュー・アマルリック)が待っており、まんまと「少年と林檎」を別の絵とすり替えて持ち出すことに成功 この「少年と林檎」という絵画は映画のために創作されたものだと思うけれど、この絵とすり替えられたのがエゴン・シーレ!ちょっと検索してみたけど、同じ作品の画像が出てこなかったので、もしかしたらこれも創作されたものかもしれないけれど、絵のタッチは間違いなくエゴン・シーレ。後にこのすげ替えをメイドのクロティルド(レア・セドゥ)にバラされてしまい、逆上したドミトリがエゴン・シーレを破ってしまう! 要するにドミトリにとって絵画そのものに興味はないということ。こういう俗物を皮肉っているのだろうし、価値は後付けであり、その時代によっても変わる。そしてその価値を認める人がいて初めて価値が生まれるとうことが言いたいのかなと・・・
グランド・ブダペスト・ホテルに戻り「少年と林檎」を隠したものの、直ぐにドミトリの追手が迫る。しかも、サージXは偽の証言をさせられ、マダム・D殺害容疑で指名手配されてしまう。グスタヴ・Hはコンシェルジュ仲間による秘密結社クロスト・キーズ協会(鍵の秘密結社)の情報網を使い逃走する計画を立てる。Mr.アイヴァン(ビル・マーレイ)、Mr.マーティン(ボブ・バラバン)から指示を受け移動していくのが面白い! ある修道院でサージXと再会。彼から偽証せざるを得なかったこと、大切な書類を「少年と林檎」に隠したことを告げられる。しかし、指にメリケンサックを装着したJ・G・ジョプリングの魔の手が迫っていた。雪上でのチェイスは楽しく、ソリでボブスレーのコースを滑っちゃったりする。この辺りもウェス・アンダーソン節だけど、画面のトーンは暗め。お菓子みたいなホテル、重厚で豪華なマダム・D邸、そして雪の逃避行と、どんどん色が少なくなって、暗いトーンになって行く。これも、ファシズムの胎動直前の暗さを表現しているのかな?
結局、逮捕されてしまったグスタヴ・Hは牢獄へ。ここは悪名高い刑務所。でも、持ち前のおもてなし力と機転で、ルドウィグ(ハーヴェィ・カイテル)ら囚人仲間の信頼を得ることに成功。ゼロの婚約者で街の人気ベーカリーMENDEL(メンドル)のパティシエ アガサ(シアーシャ・ローナン)が作る、チョコレート菓子コーディザン・オウ・ショコラの中にヤスリを仕込んでもらい、脱獄する計画を練る。このメンドルの四角いピンクの箱にMENDEL.Sと赤のロゴが書かれたデザインがカワイイ! チョコレート菓子も切っちゃうのもったいないくらいカワイイ 決行の日、仲間に若干の犠牲者が出たものの無事脱獄! グランド・ブダペスト・ホテルはグスタヴ・H不在の2年間ですっかり変わっていた。後任のコンシェルジュは軍人のMr.チャック(オーウェン・ウィルソン)。ほぼ軍人のためのホテルになっていた。もうあの優雅なグランド・ブダペスト・ホテルはない。さて、このホテルにある「少年と林檎」を取り戻すべく、再びアガサの登場。グスタヴ・Hとゼロでは顔が割れてしまっているため、アガサが隠し場所に潜入して取ってくるしかない。お店からの差し入れだとコーディザン・オウ・ショコラを配るアガサ。ピンクの箱を盾に従業員の目を反らす。無事「少年と林檎」を探し出したものの、グスタヴ・Hを追ってきた警察や、何故かドミトリも加わり、追いつめられる。ベランダから彼女が落下したのはメンドルの車の荷台。あのカワイイピンクの箱の山の中で、駆け付けたゼロと見つめ合うシーンはもう絵のようにカワイイ
MEDEL.Sの箱の山のアガサ&ゼロ
「少年と林檎」の裏に隠してあったサージXの告発文により、全ての悪事はドミトリによるものであったことが判明。グスタヴ・Hの容疑は晴れ、マダム・Dの遺産が入り、彼はグランド・ブダペスト・ホテルといくつかのホテルを購入。何故またグスタヴ・Hとゼロが、列車で旅することになったか忘れてしまったけれど、再び個室列車の旅。以前と同じように警官たちによる検閲があり、通行証を求められる。そしてゼロの通行が認められず、毅然とした態度でヘンケルス警部補の仮許可証を見せるも、アッサリ破り捨てられてしまう。そう、政権が変わってしまったのだった・・・ 抵抗したグスタヴ・Hは殺されてしまう。そのシーンは見せず、1968年の食堂でミスター・モスタファが語るという形になっている。グスタヴ・Hの遺産は遺言によりゼロに残された。こうして彼はグランド・ブダペスト・ホテルのオーナーとなったというわけ。後にアガサと結婚したけど幸せは長く続かず、ヨーロッパ中に蔓延したプロイセン風邪により、若くしてアガサと幼い息子を亡くしてしまった。彼にとってグランド・ブダペスト・ホテルは、人生の輝かしい思い出であり、最も辛い記憶でもある。だから彼はかつて自分が暮らした使用人部屋に泊まっているのね・・・ 映画は、現代に戻り、少女が小説「グランド・ブダペスト・ホテル」を読み終えて終わる。全てが作り物であるという終わり方も良かった。例え全てが実話であっても、小説や映画になった時点で、それはやっぱり作り物だということかと・・・
と、ほとんど一気に書いてしまった。もう十分長いけど、公式サイトやWikipediaや、町山智浩氏による「たまむすび」(諸事情によりYouTubeリンクなしです(;´・ω・`)ゞごめんなさい)での解説音源などから得た知識を書いておこうかな!備忘のために(笑) 音楽に拘りのある監督だけど、今回の東ヨーロッパの国らしい音楽をということで、ヨーデルやバラライカを取り入れ、ハンマー・ダルシマーという楽器を使用したとのこと。音楽は全部好きだった! 頬にメキシコ型のアザ(何故メキシコ型なのかは謎)のアガサが作るコーディザン・オウ・ショコラは、地元ベーカリーのアネモネ・ミュラー・グロスマンさんが作ったのだそう。地元って何よって感じですが(笑) 撮影は主にドイツとポーランド国境沿いのゲルリッツで、2013年1月~3月の間で行われたのだそう。この間、ゴールドブラム、ウィルソン、デフォー、ノートンが写った写真がネット上に出回ったらしい。1930年代の温泉リゾートから共産圏時代の衰退期を撮影するため、ヨーロッパ的で視覚的に変更可能なロケ地という条件で探したところ、20世紀に入る寸前にゲルリッツに建てられた、広大なデパートが選ばれたそうで、ホテル内部はほぼこのデパートで、外観は模型を使い撮影されている。また、時代別にアスペクト比率を変えていて、1968年はアナモルフィックワイドスクリーン、1930年代は1.37:1フォーマット、現代は1.85:1で撮影するという拘りよう! さすがウェス・アンダーソン監督! ここは注目して見て欲しいところ\_( ゚ロ゚)ここ重要
で、ウェス・アンダーソン監督が今作を撮ろうと思ったのは3つの要素が1つになったからだそうで、①1930年代のコメディ②シュテファン・ツヴァイク(Wikipedia)③ハンナ・アーレント「イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告」、イレーヌ・ネミロフスキー「フランス組曲」などに見られるナチスに対するヨーロッパ各国の反応があったそうで、そのうち②シュテファン・ツヴァイクについては、彼の本に基づくというようなクレジットがあったので、原作があったのかくらいに思っていたのだけど、公式サイトや町山氏の解説によるとちょっと違うらしい。シュテファン・ツヴァイクは1930年代に世界的大ベストセラー作家だったそうで、代表作は「マリー・アントワネット」 日本のマンガ「ベルサイユのばら」まで受け継がれる、少女だったマリーが凡庸な夫と不幸な結婚をし、運命の恋に落ちるというような、いわゆる"マリー・アントワネット像"を作り上げた人物。ウィーン生まれの彼は世界初の知識人ネットワークを作るなど、精力的に活動したが、ユダヤ系であったためブラジルへ亡命。しかし、彼の本が焼かれる焚書などもあり深く傷つき、第二次世界大戦開戦による絶望から、自ら命を絶ってしまったのだそう。監督はグスタヴ・Hのモデルについては、原案を共同で担当したヒューゴ・ギネスと共通の友人であると語っているそうだけれど、シュテファン・ツヴァイクの影響もあったのかも。秘密結社の辺りとか・・・ また、彼の小説のファンになった監督は、グランド・ブダペスト・ホテル≒ウィーンと考えていたのではないか?というのは町山氏の説。なるほど、芸術とか古いしきたりとか、美しいものがファシズムによりズタズタにされる様を、悲しく思ったのかもしれない。そして、失われた物に敬意を払いつつ、痛烈な皮肉を込めて描いたってことかな? そういう意味で今作は今までの作品とはちょっと違うかも。いつもはもう少し個人の内面の問題を描いていることが多かったような・・・ その上で主人公を取り巻く問題も描いていたけど、もう少し狭い世界だったように思う。今作はちょっとテーマが大きいし、個人的なことよりも、社会とか政治とかに重点を置いている。この変化は何だろう?
豪華キャストについては語り切れないので少しだけ。もうほんと全員主役ができる人たちばかり。彼らが脇役を嬉々として演じているのが楽しい。マダム・Dのティルダ・スウィントンは84歳の老婆になるため、毎日5時間かけてメイクをしたそうで、腕、胸、首、背中、全身プロセスティックをつけ、白内障のコンタクト、老人の歯と耳たぶを着けるなど、素のティルダの部分はほとんどないらしい。知らなったら老女優が演じていると思ってしまうくらいの化けっぷり。もちろんティルダの老女演技が素晴らしかったからでもある。ウェス・アンダーソン作品初出演の2人が主役。ゼロのトニー・レヴォローリは大抜擢という感じだけど、意外に2歳から子役として映画などに出演しているそうで、キャリアは長い。中東系かと思ったらグァテマラ系なのだとか。レイフ・ファインズは脚本執筆段階であて書きしていたそうで、このちょっと気取って、少しトボケた、素晴らしい才能のグスタヴ・Hを好演! 2人の掛け合いが良かった
とにかく、どのシーンもカワイイ 1932年のグランド・ブダペスト・ホテルの豪華絢爛さ、真っ赤なエレベーターとか乗りたくてドキドキする! 1968年の退廃感も好き! 衣装も素敵だった。ミレーナ・ナノネロはマダム・Dの衣装をグスタフ・クリムトの絵画をもとにデザインしたそうで、その辺りも見どころだけど、囚人服の意外なかわいさも忘れがたい。もう、全てがお菓子みたいなかわいさ! でも、意外に重くて深いテーマっていうのが好きo(`・д・´)o ウン!!
真っ赤なエレベーター
ウェス・アンダーソン監督ファンの方は絶対見るよね? 監督の作品初めてでも入りやすい作品だと思う。テーマについては背景を知らないと分かりにくいと思うけど、分からなくても楽しめる。豪華キャストの誰のファンでも見て損はないと思う! オススメ
公式サイトの作りが凝ってる! 開くとエレベーターに乗ってるみたいに画面がスクロールしてトップ画面に移動。ズブロフスカ共和国の歴史も載ってたり遊び心があって、こちらもお菓子みたいなデザインがカワイイ! 特製グッズがDLできるコーナーもある! レターセットとか欲しい! 後でDLする
『グランド・ブダペスト・ホテル』Official site