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【tv】100分de名著「赤毛のアン」(第2回)

2018-10-11 23:18:54 | tv

【tv】100分de名著「赤毛のアン」(第2回)

異なる価値を認め合う

 

 

1回25分×4回で1つの作品を読み解く番組。10月はルーシー・モード・モンゴメリ著「赤毛のアン」(Wikipedia)で、講師は脳科学者の茂木健一郎氏。今回はその2回目。


伊集院光氏の感想:それぞれのキャラの小さいバージョンが自分の中にいる。

 

アヴォンリー村は小さなコミュニティ。

 

アンが眠る前のお祈りを知らないことに驚いたマリラは、アンを日曜学校に行かせることにする。そのため3着アンの洋服を仕立てるが、全く飾り気のないワンピースにアンはガッカリするが、気に入ったふりをする。マリラはそれに気づき何が不満か問うと、1着でも膨らませた袖のパフスリーブが欲しかったと言う。

 

"身体性"の違い重要。パフスリーブを着ていないことで友達と「身体」が違うことになり、アンはさらに自信をなくしてしまう。

 

うーん🤔 自分はもうおばちゃんだから似合わなければ流行でも着ないけど、若い頃、特に思春期には周りと違う格好をしていることに恐怖のようなものを感じることはあった。仲間外れにされてしまうというような。どんな格好でも自分は自分と貫けるような自己も自信もなかったし。それにやっぱり自分も流行の服を着たいと思ったし。

 

アンに親友が出来る。同じ年のダイアナ・バリー。マリラ曰く美人で目が黒く、顔はバラ色をしているとのこと。アンは会う前から夢中になってしまう。

 

自分は美人じゃないから、せめて美人の腹心の友が欲しいと思っていた。ダイアナは想像どおり。腹心の友になって欲しいと申し出ると、ダイアナはこれを受け入れてくれる。2人は忠誠を誓い合う。ダイアナは、あんたって変わっているわね。変わっているとは聞いていたけど、あんたのことが好きになりたいと語る。

 

ダイアナはアンにとって初めての生身の友達。それまでの友達は、友達①本棚のガラスに映る自分の姿(ケティ・モーリス)、友達②谷に住むこだま(ヴィオレッタ)。初めての友達を前にコミュニケーション能力を全開。

 

アンは「安全基地」を探している。友達に受け入れられることが最初の「安全基地」=腹心の友

 

読んだ時にはアンの豊かな空想力と思っていたケティ・モーリスもヴィオレッタも、改めて聞くとかわいそう過ぎる😢 ガラスに映った自分もさることながら、こだまって😵 ダイアナと腹心の友になれてよかった。

 

アンとダイアナは通学路に名前をつけながら登校する。"恋人の小路"(通学路)、"ウィローミア"(小さな丸い池)、"すみれの谷"(森の陰にある窪池)、"樺の道"(ダイアナが命名)

 

伊集院光氏の感想:不思議なセンスを共有できてよかった。

 

ダイアナにあんたみたいにいろいろな場所に名前をつけるひとは見たことがないと言われると、アンはマリラに何か取り柄があるっていいわねと語る。ダイアナという「鏡」に映った自分の長所に気づく。(ミラーニューロン:他人の行動を見て自分のことのように感じる脳の前頭葉にある神経細胞)

 

伊集院光氏の感想:お前が話すドリフの話が面白いと言われ、自分は話が上手いのではないかと気づいた。

 

事件が起きる! アンが学校に通い始めて3週間後、2歳年上のギルバートが登校してくる。同じ学級に年上がいる多様性も描く。

 

うーん。茂木さんは多様性と言っているけど、これは多様性というか昔の田舎の学校で、そんなに生徒がいないから全学年一緒に勉強しているだけなのでは?🤔

 

ギルバートは前の席の女子生徒にちょっかいを出したり、アンに目くばせしたりする。アンは図々しいと不快感を抱き無視する。アンの木を引きたいギルバートは赤毛を引っ張り「にんじん」と言ってしまう。アンは怒りに震え石板をギルバートの頭に打ちおろす。ギルバートが自分が悪いと庇うが、先生は"アン・シャーリーは癇癪持ちです"と書いた黒板の前に立たせる。アンには耐えがたい屈辱だった。

 

実はお互いひとめぼれ。ギルバートはアンをきれいだと思ったので、赤毛がコンプレックスとも思いもよらずからかってしまう。

 

うーん。まぁ、思春期特有の感じだとは思うけれど、いくら相手のコンプレックスに気づかなかったとはいえ、赤毛に対してにんじんはないと思うよ😅 アンが赤毛を気に入っていたとしても、にんじんと言われていい気はしないでしょう。でも・・・

 

伊集院光氏の感想:自分が悪いと名乗り出るギルバートは男前。

 

ギルバートの良さを分かるかどうかで、読者の成熟ぶりが分かる! アンは事件以降ギルバートを徹底して無視。ギルバートは餡を尊重し許してくれるまで待つ。

 

確かに、あのにんじん事件は酷いと思うけど、その後のギルバートは偉いと思う。ちょっとかわいそうになるくらいアンは徹底無視だし。この後出て来ると思うけど、アンが溺れそうになっているところを助けてくれたり、ダンスの相手カードを取ったりとアン大好き感が溢れていじらしい。ずっとギルバートと結ばれて欲しいと思っていたのに、続編では別の彼氏ができてしまったりとハラハラしたけど、ちゃんと結婚して7人の母親になる。

 

翌日、アンは昼休み後教室に戻るのが遅れ、罰としてギルバートの隣の席にされてしまう。このことからアンは不登校になる。マリラはリンド夫人に相談する。リンド夫人は、あの子が自分から言い出すまでは、二度と学校ということを口に出さないことですよ。と答える。

 

リンド夫人は子供を10人育て上げた。経験から生み出された「黄金の法則」を語る。

 

伊集院光氏の感想:自分も不登校。両親も同じ対応だった。

 

脱学校化。学校だけが学びの場ではない。最先端の不登校対策や学びの多様性を描いている。

 

まぁ、確かに学校が嫌になって行けなくなっているわけだから、学校に行けというのは逆効果だよね。たまに休みたいと思う時、行けと言われると余計行きたくなくなったりしたもの。脱学校化とか不登校対策とか思って書いたのかは謎だけど、モンゴメリとしても逆効果であると思っていたってことだよね。

 

さらに事件が起きる。アンはマシュウとマリラの留守にダイアナをお茶会に招くが、間違って葡萄酒を出して酔わせてしまう。アンとしてはお茶会のホストになるのは晴れ舞台。いちご水と間違えてしまう。ダイアナは葡萄酒を3杯飲んで酔っ払ってしまう。

 

特別な日だからということで、とっておきのいちご水を出していいと言われてアンは喜ぶのだけど、実はいちご水を飲んだことがなくて、どれか分からなかったという切ない話でもあるんだよね。マリラの葡萄酒は有名なのだけど、確かキリスト教の観点から葡萄酒を作ることをよく思ってない人もいるらしく、これで葡萄酒作り反対派の口実が出来たとも言っていた気がする。

 

ダイアナの母親は激怒し、二度とアンとは会わせないと言われてしまう。この事件後、アンは学校に行く。私の人生に残されているのは学校だけだと語る。でも、ダイアナとのつき合いは禁じられたまま。そんな時・・・

 

ある日、政治集会のためマシュウ以外の大人が留守にした間、ダイアナの妹ミニー・メイが喉頭炎になり、アンに助けを求めて来る。アンは里親の家で子守をしていた時に喉頭炎の子供を看病した経験があり知識があった。アンは薬を持ってダイアナの家に向かう。お手伝いの少女にテキパキと指示し、ミニー・メイの手当てをする。マシュウが医者を連れて来た時は午前3時で、その頃にはほぼ回復していた。医者はアンの的確な処置に感心する。

 

これを受けてダイアナの母親からお茶に招待され、完全に幸せで赤毛なんか関係ない!とマリラに言う。コンプレックスであった辛い生い立ちからくる経験が、友達を救った! 「赤毛のアン」の大きなテーマは自分の個性をどう受け入れていくか。生い立ちも自分の個性。

 

伊集院光氏の感想:人からコンプレックスも個性と言われても受け入れられない。でもコンプレックスを受け入れたら楽になった。

 

自分の個性を受け入れることがスタート地点。それが出来た人は人生を自分の足で歩み始められる。「赤い髪をもった者はだれだれでもそうだわ。胸がはりさけそうになるのよ。生涯の悲しみとなるでしょうよ。」と語る。アンは全ての不幸を赤毛のせいにしている。生い立ちを受け入れられた時、自然に髪の色が気にならなくなる。

 

伊集院光氏の感想:今月のテーマが「赤毛のアン」と聞いた時、こういうことが学べるとは思わなかった。

 

確かに、思っていたより全然深い。前述したとおり、モンゴメリ自身がどこまで学術的なことだったり、意図的だったりしたのかは不明だけど、要するにいつの時代でもコンプレックスの克服や、安全基地の確立というのは重要なテーマになりうるということなのでしょう。普遍的なテーマというか。3回目も楽しみ😳 


100分de名著:毎週月曜日 午後10:25~10:50 Eテレ

100分de名著


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