ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

池の平湿原でキツネに出会いました

2010年07月28日 | 旅行
 子ギツネと、標高2000メートルの池の平湿原の駐車場で会いました。
 浅間山山系の西側にある、広大な池の平湿原に設けられた木道を一周して駐車場に戻ってきたら、子ギツネが1匹いました。


 駐車場にいた数人によると、少し前に駐車場に出現し、そこにいた人に寄ってきて何かをねだる感じだったとのことでした。確かに、人慣れしていて逃げません。少し毛並みが荒れています。

 以下は想像です。おそらく、池の平湿原を訪れたトレッキングの方の中で、「子ギツネがかわいい」と、餌をあげる方が何人もいて、人になついてしまったものと思います。確かに、子ギツネはかわいいです。でも、自然の中で生き延びていくには、人間から餌をもらうような楽する生活は厳禁です。野生の動物にとっては堕落です。冬場になると、生き残れない可能性があります。

 似たような話です。最近、比較的手軽に行くことができる高原や湿原などでは、飼い犬を連れて立ち入ろうとし、「飼い犬を連れての進入は禁止」と自然観察員などに注意される方が増えています。車から愛犬を連れ出す方が少なくありません。自然が好きということで、気楽に来られる方が増え、自然との付き合いを知らない方が増えました。飼い犬の臭いが木道などにつくと、野生の動物が警戒して近づかなくなることを知らない方が増えています。人間の住む地域の常識と、自然界の掟(常識)は違います。その接点になっている山村での動物による農作物の被害は予想以上に深刻です。

 だいぶ以前のことですが、群馬県下仁田町・富岡市・安中市にまたがる妙義山の山中にある中之嶽神社(なかのたけじんじゃ)近くの大駐車場には、以前はサルの群れがよく現れました。赤ちゃん猿を抱いている母ザルは確かに可愛かったです。餌を与える方が当時はいました。その内に、餌をねだるようになり、問題になったようです。最近は、サルは餌をたかりません、人間も近づきませんと、思います。

 以前、夏の朝に軽井沢町の中軽井沢付近を車で走行していると、住民の方が花火をしていました。最初は状況が分からず、「朝から酒興(すいきょう)な人もいるな」と思っていたら、花火でサルを威嚇していたのです。軽井沢町ではサルやクマの被害が出ているとのニュースをテレビでみた記憶があります。悲しいことです。人間にとっても、野生の動物にとってもです。

 話を池の平湿原に戻します。
 池の平湿原の端に佐久市方面が見える崖の部分があります。この崖部分からは上昇気流に乗って霧が上がってきます。このガレ場近くにクロマメノキなどの低木が生えています。今回、このガレ場付近で、高価なカメラを三脚に載せている自然観察のグループに出会いました。「鳥がお目当てですか」と尋ねると、「蝶です」との答えでした。


 ミヤマモンキチョウという高山固有のチョウが、この期間はクロマメノキに産卵しに集まっているとのことでした。確かに、小さな黄色いチョウがたくさんいました。時々、草に留まるのですが、小さいために撮影に失敗しました。池の平湿原はミヤマモンキチョウが集まる所として、蝶好きには有名な所だそうです。ミヤマモンキチョウは浅間山系と北アルプス山系でしかお目にかかれないそうです。

 今回、池の平湿原を訪れてうれしかったことは、シャクナゲがごく少数ですがまだ咲いていたことです。普通ですと、もうとっくに咲き終わっているころです。


 湿原の周囲の森の木陰部分に少し咲いていました。白いのでハクサンシャクナゲのようです。シャクナゲを見るような、軽い登山から遠ざかっているからです。

 自然の中を歩くなどの体を動かさない人間は、餌をねだるキツネのように堕落した存在と同じであると反省しきりです。