ヒトリシズカのつぶやき特論

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日本経済新聞紙の「武田 京大とiPS研究 10年で200億円提供」を拝読しました。

2015年04月18日 | 日記
 2015年4月17日に発行された日本経済新聞紙の夕刊一面に掲載された「武田 京大とiPS研究 10年で200億円提供 心不全治療など」という記事を拝読しました。

 武田薬品工業と京都大学のiPS細胞研究所の両者は「4月17日に心不全などの分野で、iPS細胞を使った共同研究を始めるとの契約を交わした」と発表したのを受けた記事です。

 心不全の複数の疾患を対象に、創薬研究や細胞治療に取り組むそうです。その共同研究費として、武田薬品工業は10年間で合計200億円、1年当たり20億円を提供するそうです。日本の企業が大学との本格的な共同研究を実施する典型例になりそうです。

日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では、見出し「武田 京大とiPS研究 心不全治療などに200億円」と載せています。



 この共同研究の研究テーマの中身の詳細は今後詰めるが、心不全や糖尿病、精神神経疾患、がん免疫療法などが有力と、伝えています。10件前後のプロジェクトを同時に進める予定で、基礎研究だけでなく人を対象にした臨床試験への応用を目指すそうです。京大iPS細胞研の所長を務める山中伸也さんが研究全体を指揮します。

 武田薬品工業と京大iPS細胞研究所は、それぞれ約50人ずつ研究者を出し合って研究に取り組みます。武田薬品工業は200億円の共同研究費に加えて、湘南研究所(神奈川県藤沢市)の設備なども提供するそうです。

 京大iPS細胞研究所と武田薬品工業は既に2008年から、患者が少なく治療が難しい希少疾患の新薬開発などで共同研究を進めてきています。そして、今回は、心不全や糖尿病などの患者数が多い分野や、再生医療にも対象を広げると、発展したようです。

 実際には、iPS細胞を使って患部を再現し、新薬候補物質の効き目や安全性を確認するそうです。

 今回、武田薬品工業は10年で共同研究費として200億円を拠出します。現実には、創薬開発などでは1新薬当たりで総額1000億円を超すとされる新薬開発の期間短縮や費用抑制に役立つため、採算は十分にとれるとの見方が多いようです。

 

 4月17日の夕方に、東京都内のホテル会場で記者会見した武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長・CEO(兼最高経営責任者)は「両者が力を合わせることで創薬のあり方を変えていくことができる。ランドマークとなる提携だ」と語ったそうです。

 今回の共同研究は、英国の製薬企業のグラクソスミスクライン(GSK)のワクチン部門トップだったウエバーさんを社長に据えた効果の一つのようです(ウエバーさんを社長に選んだ経緯は、2017年3月6日編をご覧ください)。