ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

名古屋大学のグリーンモビリティ連携研究センターを見学させていただきました

2011年12月15日 | イノベーション
 名古屋大学の東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)に設置されたグリーンモビリティ連携研究センターを見学させていただきました。東山キャンパスのかなり奥の方に設置されています。

 このグリーンモビリティ連携研究センターは、環境への負荷が少なく、安全かつ安心な交通手段・システムを意味する「グリーンモビリティ」を研究開発する拠点です。グリーンモビリティの実現を目指すグリーンイノベーションは、「日本にとって喫緊の課題です」という背景の下に、つくられたそうです。



 グリーンモビリティ連携研究センターは、名古屋大学大学院の工学研究科やエコトピア科学研究所が中心になって、平成21年度(2009年度)の経済産業省の先端イノベーション拠点創出事業(「グリーンビークル材料研究開発拠点」)を獲得したことを契機に設立準備が進められ、平成23年(2011年)7月1日に設立されました。



 グリーンモビリティ連携研究センターの中で推進されている、いろいろな研究プロジェクトについてご説明をいただきました。その一つは「高性能電池プロジェクト」です。

 冷たい水溶液中で冷たい“プラズマ”をつくる“ソリューションプラズマ”によって、電池反応の触媒の性能向上を支えるナノカーボン担持体・電極の作製を図っています。



 これはソリューションプラズマ装置の電極や水溶液を流す中核機構の部分です。

 愛知県や岐阜県などの東海地域は、自動車や航空機などを開発と生産を担当する、世界有数の輸送機産業の集積地です。輸送機産業の未来を開拓するグリーンモビリティを支える学術領域を研究開発するは、「材料工学、機械工学、電気工学、情報工学、交通工学、社会科学などの従来の枠組みを超えた融合研究領域になるために、融合研究を推進するためには、名古屋大学内の部局や専攻を超えたセンターを構築し、そのセンターを中核拠点とし、産学連携、学学連携、国際連携を先導することが不可欠です」とのことです。

 この融合研究を通して「グリーンモビリティ分野における世界トップ水準の国際競争力を確保し、国際的に活躍できる研究者や技術者を育成することがが、名古屋大学の役割と考えている」そうです。

 先週たまたま経産省からいただいた資料の中に、「グリーンビークル材料研究開発拠点」形成の記述があり、同拠点にはJFEスチールやトヨタ自動車、住友電気工業、中部電力、INAX、日本ガイシ、JR東海などが参加すると書かれていました。ここでの共同研究を通して、高度技術人材を育成する場とすると書かれていました。

名古屋大学のプラズマナノ工学研究センターを見学させていただきました

2011年12月12日 | イノベーション
 名古屋大学の東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)に設置されたプラズマナノ工学研究センター(PLANT)を見学させていただきました。プラズマナノ工学研究センターに設置された、さまざまな最先端装置を見学させていただきました。

 このプラズマナノ工学研究センターは、東海地区の産学官が一体となってプラズマを産業に応用するための拠点として、平成18年(2006年)10月に設置されたそうです。8年間にわたって研究開発する拠点だそうです。同センター長の堀勝教授は「薄型太陽電池などのグリーンイノベーションや医療応用を目指したライフイノベーションの成果を目指している」と解説します。



 日本のモノづくりを強力に支援する産業応用向けのプラズマを研究開発する拠点だそうです。



 “プラズマ”とは、気体を構成する分子が部分的に、あるいは完全に電離して、陽イオンと電子に別れて自由に運動している状態になっているもので、元の気体の分子とは大きく異なった性質を持つために、プラズマは物質の三態の「固体」「液体」「気体」とは異なる、物質の第四態(第四の状態)といわれています。

 グリーンイノベーションでは、部材表面を高速に大面積を表面処理する大気圧プラズマや液中プラズマなどの「超高密度プラズマ」、燃料電池向けに新しいナノカーボンを合成する「ラジカル制御プラズマプロセス」、小型で簡単に元素を分析する環境センサーを目指す「小型ラジカル計測システム」などを実用化する研究開発をしているそうです。

 例えば、薄型アモルファスカーボン太陽電池という新型の太陽電池を開発するための「ラジカル注入型プラズマCVD装置」を見せていただきました。CVD装置とは「化学蒸着」あるいは「化学気相堆積」などと呼ばれる装置で、半導体の製造や表面処理などの用いられている装置を最先端科学向けにアレンジしたものです。

 薄型アモルファスカーボン太陽電池とは、炭素(C)と水素(H)で結晶構造が乱れているアモルファス(非晶質)の薄膜に、不純物を入れてそれぞれn型とP型をつくり、n型とp型を接合させると太陽電池になるというものです。現在、実用化されているケイ素(シリコン、Si)に不純物を入れてn型とP型をつくり、接合させるのと、原理は同じです。

 合計約700平方メートルのスペース内に、世界に1台、あるいは数台しかないような最先端装置が所狭しと並び、大学院の学生や研究員の方々が多数、研究開発活動に励んでいます。

 プラズマナノ工学研究センターは、文部科学省の21世紀COEプログラム「先端プラズマ科学が拓くナノ情報デバイス」の研究成果を基に、プラズマナノ工学の世界的研究拠点として設立されました。そのプラズマナノ工学研究センターのさまざまな最先端装置を見学させていただきました。

 プラズマナノ工学研究センターが発表している、各研究開発成果はかなり難しいものです。その最先端の研究開発成果を十分い理解し、紹介できるものをお伝えしたいと思っています。

愛知県豊田市の山里の小原町では、シキザクラの花がまだ咲いていました

2011年12月11日 | 旅行
 愛知県豊田市の山間部の小原町は、晩秋に咲くシキザクラ(四季桜)の花の名所です。シキザクラの開花は毎年11月上旬から下旬が最盛期です。

 今年の「小原四季桜祭り」は、11月5日土曜日から12月4日日曜日まで開催されました。小原観光協会のWebサイトを見ると、「12月8日でも、各地区の四季桜は盛りを過ぎたが、五分咲き」と伝えています。

 シキザクラの花と紅葉を楽しむために、小原町の「和紙のふるさと」を訪ねました。和紙のふるさとでは、確かに四季桜祭祭りが終わったように、シキザクラの花がいくらか咲いている感じでした。





 豊田市の中心部から山奥に向かう途中に、小原町に近づくと、シキザクラの木があちこちに植えてあり、花が四部咲き、五分咲きの感じです。シキザクラの花は、5枚一重の薄く淡い桜色で、見た目は“枯れ木に花”という感じです。



 川沿いにはシキザクラの並木があちこちにあり、紅葉したモミジなどと華を競っています。シキザクラの木は中庸の背の高さで、それほど大きくはならないようです。





 シキザクラは1年に二度開花するサクラです。エドヒガンとマメザクラの交雑種と考えられているそうです。花は4月上旬ごろに、花を少し咲かせ、かつ新芽が出て葉が伸びます。一方、10月末や11月初めには、葉を落としながら、多数の花が開花します。

 小原町地区で11月に開催される「小原四季桜祭り」は、4会場で開催され、自然豊かな山里を巡るものだそうです。山里一帯がシキザクラの花を咲かせるようです。「小原四季桜祭り」の時には、山道が大混雑する盛況ぶりのようです。

 小原町地区は四季桜に加えて、「小原和紙」「小原歌舞伎」が有名な山里です。日本各地には、四季折々のいろいろな名所があるものです。

富士山は、このところの寒波で冠雪し白く雪化粧しています

2011年12月10日 | 季節の移ろい
 このところの寒さで、名峰富士山は冠雪し、白い雪化粧の山肌を輝かせています。

 12月9日の早朝に、東京近郊ではみぞれ混じりの雨が降り、かなり冷え込みました。この寒波の到来によって、遠くに見える山々の山頂は冠雪し、雪化粧しています。一番目立つ富士山も遠目に見た感じでは、五合目以下まで雪化粧している様子です。12月10日も、この冬一番の寒さだそうです。冬が来ている感じです。

 静岡県御殿場市駒門からは北西方向に富士山が望めます。富士山はすぐ近くに見えました。富士山の南東部分の山肌が見えています。



 雪は山頂をはじめとする山麓に十分に降り積もった感じで、雪化粧の山肌が輝いています。

 静岡県富士市岩淵では富士川越しに富士山が望めます。富士山は北北東の方向に見えます。



 富士川を見下ろす高台から見た富士山です。

 静岡市清水区由比西倉澤(旧由井町)の海岸線は、駿河湾越しに富士山を望めることができる名所です。富士山は北北東方向に望めます。



 海岸線沿いの低地から見る富士山の山肌は、駒門から見える富士山に比べて、白さが少ない感じです。富士山の南西側斜面が見える方向です。


 静岡市清水区草薙の日本平の頂上からも富士山がよく望めます。富士山の南西側斜面が見える方向です。



 よく晴れた日で、雲があまりなく、富士山が遠目からよく見えました。

 富士山の山頂は雪化粧し、白く輝く季節は本格的な冬の訪れが近いことを意味しています。今年は9月24日に富士山が初冠雪して以来、温暖な日々が続き、富士山山頂は赤褐色の山肌を長くみせていました。今日の富士山山頂の気温はマイナス20度(摂氏)です。やはり山頂は既に厳寒の世界になっています。

東海大学湘南キャンパスで開催された「産学連携フェア2011」を拝見しました

2011年12月09日 | イノベーション
 神奈川県平塚市の東海大学の湘南キャンパスで、同大の産学連携などを紹介する「東海大学産学連携フェア2011」が開催されました。

 この「東海大学産学連携フェア2011」は、今年度で8回目を迎え、東海大にとっては「冬の恒例行事」になっているのだそうです。



 別件の用事があって、湘南キャンパスにたまたま訪問したことから、同フェアと同時開催された研究プロジェクトの成果報告会(東海大学研究フォーラム)を拝見・拝聴しました。

 会場の入り口には、工学部動力機械工学科の長谷川真也助教の研究成果として、「熱音響機関による高効率廃熱回収システム」のミニシステムの展示品が置いてあります。





 音波の共振を利用して動く「熱音響機関」は、吸熱反応と発熱反応を起こすので発熱と急熱による冷却を起こすとのことです。その仕組みはセラミックス製の円柱状のフィルターです。円柱状の軸方向に四角柱の細長い穴が開いています。四角柱の四角は1ミリメートル弱と小さい穴です。自動車の排ガスフィルターと同じ構造と思い、どこが作製してるのかを聞くと「日本ガイシです」との答えに納得しました。このセラミックス製の円柱状フィルターを2個組み合わせて利用するシステムです。

 音波が、このような細長い穴(波長の1/3000程度)の中に入り、その狭い穴(流路)をゆっくりと音波が伝播する場合に、 流体である空気の圧縮と膨張のサイクルが長くなり、空気は等温的に変化し、流路の壁と空気(流体)との間で熱交換が行わるのだそうです。 この熱交換によって、音エネルギー(振動エネルギー)と熱エネルギーとの間でエネルギー変換やエネルギー輸送が行われるのだそうです。この発熱や冷却の仕組みを用いた冷却システムや、熱音響機関とリニア発電機器と組み合わせた廃熱による発電システムを開発中だです。

 研究プロジェクトの成果報告会では、チタン合金製の人工股関節のボール部分にダイアモンドライクカーボンというやや構造が崩れた炭素の薄膜をコーティングする研究成果などを拝見しました。

 自分の研究成果を表すポスターの前に、その研究を担当する各教員が立ち、参加者によるいろいろな質問に答えます。こうした中から、共同研究が誕生したり、製品化を目指した技術移転などが生まれるようです。

 開催場所の建物の外では、寒さが厳しい外気の中で雨が降り、寒さを一層強めていましたが、開催された建物の内部では、熱い議論が飛び交っていました。