以前から一度は見てみたい!と思っていた連凧を揚げるところをようやく目撃することができた。100枚もの凧が連なって羊ヶ丘の大空を悠々と舞うさまはまさに爽快だった。
※ 扉写真として使用しましたが、これはまだ100枚すべてが揚がった状態ではありません。
「札幌凧の会」(代表:田中光男さん)では四季の折々に市内各地で連凧を揚げる催しを開催していることをニュースで度々報じられていた。その度に「一度行ってみたい!」と思っていたのだが、なかなか実現できずにいた。
先日、新聞で今月12日に白老町にオープンしたアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の開業を記念して、羊ヶ丘展望台で カムイの文様を描いた連凧を揚げる会があると聞いて、24日(金)羊ヶ丘展望台まで出かけた。
※ 「羊ヶ丘展望台」の定番、クラーク立像と札幌ドームと札幌都心の風景です。
羊ヶ丘展望台にはそれなりの数の観光客が訪れていた。その展望台の傍の芝生の広場が凧揚げの会場になっていた。
私が展望台に着いたのは12時近くだったが、広場では手作り凧の講習会に参加した人たちが自ら作った凧を揚げていた。そして、運良く正午からこの日何度目かの「連凧を揚げます」という案内があったが、凧揚げには都合の良い緩やかな風が吹くコンディションだった。
見ていると同じ形の、同じ図案の凧が引き綱に等間隔に結ばれていて、それを20枚くらい出しただろうか?そしてリーダー(田中さん?)の方が何か合図をしたかな?と思う間もなく凧が軽々と揚がり始めた。あとはどんどんと綱を伸ばしていくと、それにつれて凧が次々と空に放たれた。100枚全てが空に放たれると綱はうねり、まるで竜が悠々と爽快に空を泳いでいるかのようだった。綱の長さは100mにもなるそうだ。
※ 連凧を収納している箱から取り出し、揚げる準備をしているところです。
※ 連凧の先を持っていた人がパッと手を離すと、直ぐに凧は揚がり始めました。
※ 凧のデザインはアイヌ民族にとっての象徴の一つシマフクロウの目をデザインしたものです。
※ 連凧揚げを指導する「札幌凧の会」代表の山田光男さんです。
※ 100枚全ての凧が空を舞う様子です。
凧にはアイヌ文様(シマフクロウの目を象った図案だそうだ)が施され、その下に「カムイの凧」と書かれていた。一方その横では「札幌凧の会」の代表の田中さんが「コロナ撃退」と書かれた幅1m×長さ2mの大凧を揚げていた。
※ こちらは「コロナ撃退」と書かれた大凧です。
私は連凧を揚げるのはもっと困難なのでは?と想像していたが、あまりにもスムーズに 揚がるのを見て、少し拍子抜けの思いをしたくらいだった。ただ、そのためには長年の経験から、凧のサイズとか、形状などに緻密な計算をされたうえでのことなのだろうとは思いながら空を泳ぐ連凧を眺めていた。
最後に凧を揚げていた「札幌凧の会」の会員の方に、「今日は凧を揚げるには良いコンディションなのですか?」と伺うと、ニッコリと肯定してくれた。
ところで「羊ヶ丘展望台」は札幌の観光スポットとして定番の一つだと思われるのだが、「札幌でしかできない50のこと」の中にはリストアップされていない。その理由は何なのだろうか?いかにも北海道らしい広々とした光景が広がり、北海道を代表する文化人の一人クラーク博士の立像が有名なのだが…。いろいろと事情があるのだろうと推察されるが、あえてその理由を挙げるとすれば…。周囲に広がる施設に統一感が感じられないところにあるのかな?と思われることだ。特に私が果たして「羊ヶ丘展望台に必要だろうか?」と思われる施設として、「オーストリア館」、「さっぽろ雪まつり資料館」、「石原裕次郎記念碑」、「羊ヶ丘ほっと足湯」などを挙げたい。
※ 観光客の誰もが、このようにクラーク博士のポーズをとって記念写真に収まります。
「オーストリア館」は札幌を訪れた観光客には、オーストリアと札幌との関係などほとんど無関心であり、違和感しか残らないのではないだろうか?
※ 眼前に羊たちが草をはむ牧歌的な風景が羊ヶ丘展望台のウリではと思うのですが…。
「さっぽろ雪まつり資料館」もその存在理由が希薄であり、内容もあまりにもチープである。私に言わせれば設置場所としては大通公園内にある「札幌資料館」が相応しいのではないかと思う。また、展示物もこれまでの雪まつりのポスターと雪像の模型が陳列されているだけだった。青森の「ねぶた資料館(名称は定かでない)」では実物のねぶたが展示されていてその迫力に圧倒されたものである。せめて本物の雪を使って大雪像の何分の一かのスケールで保存展示する方法などないものだろうか?
※ この風景からは都会の中にいるとは全く感じません。
「石原裕次郎記念碑」も「羊ヶ丘展望台」に存在する理由は見当たらない。「恋の町札幌」のヒットで札幌観光に貢献したというのであれば、札幌時計台の庭あたりに建立されるのが適当ではないだろうか?
※ こちらもいかにも北海道の広大な風景を連想させます。
「羊ヶ丘ほっと足湯」にいたってはまったくその理由を見つけることが難しい。もっとも今は休止していたが…。
また、チャペル(教会)が2棟も建っているのも解せなかった。1棟で十分ではないだろうか?
というように統一感がまるで感じられないのが残念である。できれば、大都市札幌の中心からそれほど離れていない「羊ヶ丘」で北海道らしい広大な光景を感じてもらうことだけに特化した観光スポットと出来ないものだろうか?
と勝手なことを綴ってきたが、そうしたことが「札幌でしかできない50のこと」の中にリストアップされなかった理由の一つではないだろうか?という思いが拭えない私である。
そして羊ケ丘展望台に対する田舎おじさん様の考察も鋭く名人芸の域に達しているのでは?
おっしゃるとおり、広い草原に遊ぶ羊たち、円形にポツンとSFのような札幌ドームがあれば、羊ケ丘展望台はその魅力が十分なのだと思います。
オーストリア館も雪まつり資料館も裕次郎記念館も、その存在すら知りませんでした。
裕次郎記念館は、小樽が寂れたので札幌に移動した?
オーストリアよりは、羊繋がりでオーストラリアのほうがよかったのでは?
雪まつり会場ではない羊ケ丘になぜ? まったく解せませんね。
単に広くて場所が空いていたからなのか……?
結婚式場はそれなりに需要があったのでしょうか。
妻の知人もそこで挙式しております。
バブルのころには、「素敵なウェディングのメモリアルを演出する」施設だったのかもしれませんが、最近のように簡素化が進むと利用者はどうなのでしょう。
ましてや足湯って、単なるブームに乗っただけのシロモノでは!
今回のような批判とも取られかねない投稿には十分注意をしなければならない思っています。
ただ今回の場合は、素人が素朴に考えた感想めいたことを文章にしてみました。「こうするともっと魅力が増すように思えるのだが…」という気持ちでした。
チャペルの件はあのようなロマンチックな空間でウェディングを挙げたいというニーズがあることは十分に理解できるのですが、2棟もいらないのではないだろうか?という思いからでした。そこで文章をちょっと修正しておきました。