「伊勢堂岱遺跡」も環状列石(ストーンサークル)が発掘された遺跡だった。4つの大きな環状列石が一つのところにかたまって発掘されたが、ガイドの方の説明がなかったことで外観を眺めるだけの見学となった。
「伊勢堂岱遺跡」は、縄文時代後期前葉の紀元前2,000年から1,700年前の遺跡と考えられている。ここの遺跡の特徴は何といっても4つもの環状列石(ストーンサークル)が隣接して存在することだ。
私はこの日(10月15日)、朝一で遺跡のガイダンス施設である「伊勢堂岱縄文館」を訪れた。縄文館は大きな施設でないこともあってだろうか無料で開放されていた。
※ 「伊勢堂岱縄文館」の建物です。逆光のようで写真がはっきりしませんね。
※ 駐車場も環状列石をイメージして(?)円形に駐車するようになっていました。
今回北東北の縄文遺跡を巡っていて、どの遺跡でも多くの人たちに関心をもってもらうためだろうか?出土品からデフォルメしたり、キャラクターに仕立てたりしてアピールしているところが多かった。この「伊勢堂岱遺跡」においてはちょっととぼけた表情をした「板状土偶」(愛称:いせどうくん)を一押ししていたようだ。縄文館の展示室の入口にはその「いせどうくん」を本物の確か8倍にした大きな「いせどうくん」が迎えてくれた。
※ 展示室入口には大きくデフォルメされた「いせどうくん」が出迎えてくれました。
展示室にはその他、伊勢堂岱遺跡から発掘された「遮光器土偶」や「笑う岩偶」も展示されていた。
※ こちらが本物の「板状土偶」の「いせどうくん」です。
※ 「遮光器土偶」はいろいろな遺跡から発掘されたようです。
※ こちらは「笑う岩偶」です。縄文人もユーモアがあ???
その後、縄文館からは少し離れたところにある環状遺跡に向かった。小高い丘の上にあった遺跡は確かに4つの環状遺跡が並んでいた。(一つは円が欠けた状態だったが)4つもの環状遺跡が発見されたのはこの「伊勢堂岱遺跡」だけであるところに価値があるようだ。環状を描いている石は主として近くの米代川の川原石が使われたとされている。
※ 環状列石全体を見ることができないので、HPの空撮写真をお借りしました。
※ 発掘当時のまま川原石が並べられていました。
ところでこの「伊勢堂岱遺跡」は、大舘能代空港の近くにあるのだが、空港へのアクセス道路を建設していた際に見つかった遺跡だという。そのためにアクセス道路は計画を変更して遺跡を迂回するように建設されたそうだ。遺跡の敷地の中には、道路建設のために敷設されたコンクリートの建造物が残っていたが、そこは遺跡の野外ステージのバックとして活用しているとのことだった。
※ 空港へのアクセス道路が建設されていた痕跡が残るコンクリートの壁です。遺跡では野外イベントの際のステージのバック壁として利用しているそうです。
前述したが、ここではガイドの説明を伺うことができなかった。しかし、ガイドブックではガイドのサービスがあるとの記述があったので、事前に申し込んだところ一度は承諾されたのだが、後日になって「団体のガイド要請があったのでお断りさせてください」と連絡があった。ガイドに余裕がなかったのかもしれないが、残念であった。
その後、私は私のボーンヘッドによって日程変更を余儀なくされ、遠く青森県つるが市の「亀ヶ岡石器時代遺跡」と「田小屋貝塚」を目ざして車を遠く走らせたのだった…。
ガイダンス施設「伊勢堂岱縄文館」 秋田県北秋田市脇神小ヶ田中田100-1
◇入館料 無料
◇訪問日 10月15日(日)