講師を務めた宮武祥子氏はプロスノーボーダーらしく自らの選手生活を、スノーボードの魅力を、そしてこれからの未来を、快活に、ポジティブに語った。
※ 「ほっかいどう学」かでる講座で講演する宮武祥子氏です。
前回からリアル講座として復活した「ほっかいどう学 かでる講座」の第9回講座が昨日午後開講された。今回は「スノーボードで北海道の魅力発信!」と題して道内でプロスノーボーダー(アルペンスノーボード)として活躍する宮武祥子氏が講師を務めた。
私はスポーツに興味・関心があり、スポーツ界のことについてそれなりに知識のある方だと自認していたのだが、宮武祥子氏のことについての知識はなかった。彼女は現在34歳(と自らの履歴の中に表記している)ですでに第一線を退いているが、現役時代は真剣に五輪出場を目指していた選手である。アルペンスノーボードの世界ではソチ五輪で銀メダルを獲得した竹内智香選手が有名であるが、宮武氏は当時2番手、3番手につけて五輪出場を狙っていた。絶好調時には全日本選手権にも優勝を果たしていた。時には海外に拠点を移し五輪出場のため努力を重ねたが、怪我などにも見舞われ壁を突破することができず、28歳の時に五輪出場を断念したそうである。
※ アルペンスノーボードは写真のように旗間を潜り抜けタイムを競う競技です。
ここまでを語る宮武氏は、無念さもあっただろうが、それよりはむしろ自らの選手生活を誇るかのように快活に、ポジィティブに語る姿が印象的だった。それがまた彼女の現在に繋がっているとも言えるかもしれない。
彼女は現在、①ジュニアチームSIG-NAUTUREコーチ、②大会等イベントの企画・運営、③選手活動(国内プロツアー参戦)の三つの顔をもって活動しているという。
①のジュニアチームの育成については、頂点を目指して選手生活を過ごした彼女が当然のごとく携わらねばならない役割だろう。彼女は道産子アスリートから五輪選手を育てたいとの夢を持ってジュニアを慈しみ育てているという。
②の活動については、スノーボードを核としてなんとか “北海道を元気にしたい” との夢を抱いているという。地域特性を活かして選手・観客・関係者など全てが楽しめる企画を実施していきたいと語り、そのために自らは「北海道アルペンスノーボード盛り上げ隊長」を自称しているそうだ。
そして③の選手活動については、彼女自身「何よりこだわりたい」ことだという。けっして若くはない(失礼!)彼女だが、戦い続けながら、新しい「プロ」の姿を築きたいという。ここにこそ彼女のポジティブ思考を見て取れる思いがする。
※ 宮武選手の現役時代の写真と思われます。
ところで彼女は今回の講演では全く触れなかったが、彼女にはもう一つ私が注目した顔があった。それは彼女が自己紹介の中でサラッと触れたのだが、彼女は現在出身地の「登別市会議員」を務めているということなのだ。このことがきっと彼女の思考や言動に大きく影響していると私は思うのだ。「地域の活性化」は地方議会の議員にとっては至上命題である。そうしたことを彼女は自らの来し方を振り返り、そこから彼女の現在の思いや活動が生まれてきたのではと想像するのである。
彼女が最後に放った言葉「北海道を舞台としたエンターティナーになりたい」と快活に語る宮武祥子氏のこれからに心からのエールを贈りたい。期待しています!