「ブックカバーチャレンジ」
DAY3
ブックカバーチャレンジ3日めは『つめたいよるに』という江國香織の短編集。
冒頭に入ってる「デューク」が秀逸です。
12月の街。クリスマスソング。
そういう背景の中で起った、泣きじゃくる女の子の短い物語。
心を持っていかれるとはこういうことかも。
短編の力ってすごい。
書き出しはこうです。
「歩きながら、私は涙がとまらなかった。二十一にもなった女が、びょおびょお泣きながら歩いているのだから、他の人たちがいぶかしげに私を見たのも、無理のないことだった。それでも私は泣きやむことができなかった。
デュークが死んだ。
私のデュークが死んでしまった。
私は悲しみでいっぱいだった。」
デュークというのは、グレーの目をしたクリーム色のムク毛の犬で、プーリー種という牧羊犬。
短編は意外な展開を見せ、最後でぐっと落とされる。
人によっては号泣ものです。
ペットとの暮らしが愛おしくてしかたがなくなるお話。