12月1月と渋谷のシアターコクーンで上演されている、野田秀樹脚本・演出の『贋作罪と罰』を見ました。(少し前の話ですが)
10年前の1995年が初演で、そのときは大竹しのぶが演じたヒロインを、今回は松たか子が演じています。
内容は、ロシアの文豪ドストエフスキーの『罪と罰』を下敷きにした野田版サスペンス。
舞台は幕末、ラスコーリニコフを投影した役柄は、江戸開成所の女塾生・三条英(はなぶさ)。
『人間はすべて凡人と非凡人との二つの範疇に分かたれ、
非凡人はその行動によって歴史に新しい時代をもたらす。
そして、それによって人類の幸福に貢献するのだから、
既成の道徳法律を踏み越える権利がある。』(劇中の台詞より)
というのが三条英の思想。
そして、この思想にのっとって、金貸しの老婆を殺害するのです。
そのあとに待ちかまえているのは、かずかずの苦悩と反問。
古田新太が扮する親友の才谷(じつは坂本龍馬)、段田安則扮する刑事、母親役の野田秀樹など、じつに芸達者な面々が、緊張感あふれる舞台をつくり出していました。
舞台は客席中央に特設されていて、わたしのシートからはすぐ近く。なんと、松たか子を、ほんの3メートルの距離で見たのでした。
美しい!!
凛としていて、見とれるほど。
演技もうまくて、感動しちゃいました。
「結局、絶望の中で救いとなるのは愛なのだ」というメッセージが最後に投げかけられると思うのだけど、納得させるだけの力演でしたよ。
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