サラ☆の物語な毎日とハル文庫

『ツバメ号とアマゾン号』あとがきで神宮輝夫さんは

『ツバメ号とアマゾン号』は神宮輝夫さんの訳による12冊のシリーズの最初の本。
イギリスでは1930年に出版され、日本では、1958年に少年文庫で出版された(このときは、岩田欣三と神宮輝夫の共訳だったらしい)。1967年にアーサー・ランサム全集として第一巻の本書が刊行(神宮輝夫単独の訳業となる)。
 そのときのあとがきで、神宮輝夫さんは、次のように語っている。

★子どもの本の発展のために国際的な活動をしているオーストリアのバンベルガーという作家は、「子どもたちを実在の人間のようにえがくこと──世界中の児童文学を考えても、どの作家がアーサー・ランサムとおなじくらいまで、このことをなしとげているだろうか?」といっています。

★…十二冊の物語には、どこにも解放された休暇のよろこびがあふれています。
このよろこびは、レクリエーションというようなものではなく、人間がもっとも人間らしくなったときに感じる深いよろこびだとわたしは思います。
つまり、ランサムは、どんなに時代が変わっても、人間が人間であるかぎり、持ちつづけるよろこびをとらえたのだと思います。
そのよろこびを、さらにこまかく分ければ、新鮮な興味、行動への意欲、自然の恵みの享受など、いろいろになるのでしよう。

★ランサムは物語の書き手としてすぐれた才能を持っています。
その上、物語全体に、半生をついやしてつかんだ人生に対する考え方をぜんぶつぎこんでいます。
アーサー・ランサム全集は、世界のトップクラスの物語作者が全力を出しつくして書いた子どもの文学なのです。…

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