バイク・キャンプ・ツーリング

NERIMA爺、遅咲きバイクで人生救われる

1996年6月5日(水)

2024年09月24日 | 1996年
6月5日(水)
 大安。
 朝、9時40分の12号線(今の大江戸線)で春日町駅までいく。カミさんも一緒の地下鉄。店まで歩いて10分。店が近づいてくると素直にうれしい。ドキドキ胸が高鳴る。店主とおぼしき人が、にこにこと応対してくれる。任意保険、盗難保険、防犯登録のこととかを聞いてから、いよいよ整備場に置いてあるCB400に対面。
 
 バックミラー、シート、各部を覆ってあるビニール袋を店員が取る。
 これが愛車か。
「おたく、ついてますよ」と店員。こんなに早く納車できる予定ではなかったらしい。人気車種なので、かなり待つらしい。「よかったですね」お世辞で言っているのかと思ったが、どうやら本当らしい。月末に生産されたやつが割り当てらしく、同じCB400をここで注文した前の人は、20日間待ってようやく2日前にきたそうだ。受け取りにいったホンダの工場の人がオタクのもう一人の人に(ワシのこと)、そんなに早く渡すわけにはいかないと、言ったとか言わなかったとか……。強引にもらってきたと、店主は笑っていた。……だけどホントだろうか。ま、いいか。(今思うと、絶対に怪しい)

 店の外に出して、いよいよCB400に触る。店員がなんか説明しているが、ほとんど耳にはいらない。聞いてない。オイルの交換時期やチョークの使い方だのをしゃべっている。はやく、鍵。
 いよいよ、店員がエンジンを始動。真新しい排気の匂い。
 ブロン。ブロローン。
 ガソリンのいい匂いがする。
――実は5、6歳のころ、カブがまき散らす青い排気ガスに惹かれた経験がある。バイクのあとを、匂いを嗅ぎながら追いかけたりしていた。今、思うと恐ろしいような気がするが、当時は、自分にとって、あれは香気の匂いだった。

 ザックに詰め込んできたメットとグローブを、ゆっくり装着する。あわてちゃいかんと言い聞かせる。店員が気をきかせてくれ、どこかにいってくれたのでホッととする。スタートするまでいられたら、緊張してエンストするのは目に見えている。
 バイクにまたがり、バックミラーの調整などして、教習所でやっていたと同じようにゆっくりと発進する。ここまでは、なかなかいい感じ。環8から川越街道を成増方向にいくが、横を原付のおじさんが簡単に追い抜いていく。別にあせりはないが、車の流れにうまくのれない。はっきりいって怖い。車のうしろをついていくのが精一杯。ほかのバイクが車の間や路側帯をすいすいすり抜けていくのを、じっと見てるだけ。まだ、とてもあんなふうにはできない。

 自宅までこんなに遠いとは――。
 ようやく公園にいく道を曲がる。距離にして5キロもきてないのに、身体のあちこちが強ばっている。そのまま、慣らしのつもりで公園の回りを2周。そのあと、一旦、部屋で休むことにする。その前に豊島園通りでガソリンを給油。
「新車だね」とガソリンを給油しながらおじさん。
 おもわず「まだ、慣れてなくて……」
 走行距離計はまだ7キロ足らず。ガソリン15リットル給油。初給油。なぜかわからないが、気分が高揚。むふふとなる。

 部屋で1時間ほど気力を充電。公園の回りを何周かして、旭町の裏道を低速でとろとろと流すが、いつのまにか川越街道にでたので、そのまま川越方面にいく。20分ほどして、左に折れて住宅地をゆっくり回遊していたが、気がつくと所沢にいく道を走っている。
 どこかで一息つきたいが、そんなところは見あたらない。航空公園を横目に見ながら走るが、横断禁止の黄色のセンターライン。しかたないので、そのまま北上。狭山湖までいき、ようやく休憩。むやみにギヤ変速をするので、クラッチのレバーをひく左手が強ばって痺れたように痛い。
 帰りは大丈夫だろうか。しかし、なんとか新青梅街道をひたすら走り帰り着いた。安堵のため息が知らずにでる。本日の走行距離約100キロ。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。