アメリカ・エネルギー省の国家核安全保障局のプレス部が明らかにしたところによると、地下施設の破壊を目的として製造された、アメリカの核爆弾B53がこのたび廃棄されることになった。
観測筋はアメリカのこうした決定を、露米関係のリセットに向けた大きな一歩だと評価しているが、こうした措置には他の国々も続く必要がある。
一方15日付のロシアの新聞イズヴェスチヤ紙に掲載された、核抑止力から全体的な安全保障へと題された記事の中では、核軍縮の実現はあらゆる国際システムを改編して初めて可能となるものだと指摘されている。
この記事はアカデミー会員のプリマコフ氏、ヴェリホフ氏、イワノフ前外相、ロシア軍のモイセーエフ前参謀総長が共同で表したものだ。
記事では現在の国際関係においては直接、武力が行使される脅威があり、その脅威が存在する以上、ロシアは核潜在力を維持する必要があると指摘されている。また著者らは、核抑止力は大量破壊兵器の拡散、国際テロ、民族宗教紛争、国際犯罪といった、21世紀の新たな脅威に対抗する力を有していないとの考えを述べている。
ここで提案されているのが新たな原則、新たなシステムによって作られる国と国の信頼関係を構築することだ。軍縮分野の専門家で、アメリカ・カナダ研究所の副所長は、ロシアの声からのインタビューに答え、次のように語っている。
「露米のミサイル警戒システムの情報交換センター設立は、そのための大きな一歩となる筈だった。ロシアとアメリカは10年以上も前に、モスクワにこうしたセンターを設立するとの覚書に調印したが、さまざまな理由からセンターはまだ設立されておらず、現在再びこのアイデアを実現するための調査が進められている。
これは核軍備における両国の信頼を醸成するのに重要な役割を果たすものとなるだろう。重要なのはこのセンターには最初から他の国の参加も視野に入っていることだ。核保有国だけでなく、非核保有国ももちろんセンターの作業に加わることができる」
副所長は、このように述べている。
核軍縮は人類にとっての戦略的な目的で在り続けるべきだ。しかし核兵器を廃絶した世界が、別の兵器を持つようになることを避けなければならない。
ここでも国際的な管理、国際的な協力が必要となる。
アメリカがヨーロッパ、極東、中東などでミサイル防衛配備を計画していることを考慮すれば、こうした情報交換センターは世界のあらゆる地域で創設される必要がある。
イズヴェスチヤ紙に掲載された記事は、軍縮分野における新たな協力の形、信頼醸成措置を模索する必要性を訴えるものだ。それを探し出すことができなければ、冷戦時代の負の遺産を払拭した、新たな時代の安全システムを作り上げることはできないだろう。
10月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
観測筋はアメリカのこうした決定を、露米関係のリセットに向けた大きな一歩だと評価しているが、こうした措置には他の国々も続く必要がある。
一方15日付のロシアの新聞イズヴェスチヤ紙に掲載された、核抑止力から全体的な安全保障へと題された記事の中では、核軍縮の実現はあらゆる国際システムを改編して初めて可能となるものだと指摘されている。
この記事はアカデミー会員のプリマコフ氏、ヴェリホフ氏、イワノフ前外相、ロシア軍のモイセーエフ前参謀総長が共同で表したものだ。
記事では現在の国際関係においては直接、武力が行使される脅威があり、その脅威が存在する以上、ロシアは核潜在力を維持する必要があると指摘されている。また著者らは、核抑止力は大量破壊兵器の拡散、国際テロ、民族宗教紛争、国際犯罪といった、21世紀の新たな脅威に対抗する力を有していないとの考えを述べている。
ここで提案されているのが新たな原則、新たなシステムによって作られる国と国の信頼関係を構築することだ。軍縮分野の専門家で、アメリカ・カナダ研究所の副所長は、ロシアの声からのインタビューに答え、次のように語っている。
「露米のミサイル警戒システムの情報交換センター設立は、そのための大きな一歩となる筈だった。ロシアとアメリカは10年以上も前に、モスクワにこうしたセンターを設立するとの覚書に調印したが、さまざまな理由からセンターはまだ設立されておらず、現在再びこのアイデアを実現するための調査が進められている。
これは核軍備における両国の信頼を醸成するのに重要な役割を果たすものとなるだろう。重要なのはこのセンターには最初から他の国の参加も視野に入っていることだ。核保有国だけでなく、非核保有国ももちろんセンターの作業に加わることができる」
副所長は、このように述べている。
核軍縮は人類にとっての戦略的な目的で在り続けるべきだ。しかし核兵器を廃絶した世界が、別の兵器を持つようになることを避けなければならない。
ここでも国際的な管理、国際的な協力が必要となる。
アメリカがヨーロッパ、極東、中東などでミサイル防衛配備を計画していることを考慮すれば、こうした情報交換センターは世界のあらゆる地域で創設される必要がある。
イズヴェスチヤ紙に掲載された記事は、軍縮分野における新たな協力の形、信頼醸成措置を模索する必要性を訴えるものだ。それを探し出すことができなければ、冷戦時代の負の遺産を払拭した、新たな時代の安全システムを作り上げることはできないだろう。
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10月15日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル