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金3世は将来、北朝鮮の涼秋と成り得るか

2010-10-23 | ラジオ
北朝鮮の指導者・金正日氏の三男キム・ジョンウン氏は、後継者として権力を掌握するための準備に入っている。
しかし最高権力者への道は、恐らく長い茨の道となるだろう。
先日、北朝鮮の議会、最高人民会議の楊亨燮副議長は、キム・ジョンウン氏がこの国の三代目の最高指導者となることを公式に認める発言を行った。

こうした類の情報としては最初の公的発言とになった。
世界のマスコミが在り得る後継者について、あれこれ論い検討した間(検討している間???)キム・ジョンウン氏はすでに権力の階段を上り始めていた。
キム・ジョンウン氏は昨年秋、父・金正日氏の安全を守る部署の責任者に任命され、また北朝鮮における最高軍事指導機関である国防委員会のメンバーとなった。
そして先月9月27日、キム・ジョンウン氏には朝鮮人民軍・大将の称号が与えられ、そのすぐあと労働党・中央委員会委員となり、さらに国防委員会の副委員長のポストに就いた。
国防委員会のトップ委員長は言うまでも無く、彼の父・金正日氏だ。
こうした権力譲渡の道筋を作りながらも、今年68歳の金正日氏は安心して後継者に道を譲る気はまだない様だ。

つい先日開かれた朝鮮労働党大会では、彼は再び総書記に選ばれたし、今も国防委員会委員長の座にある。
後継者の今後を懸念して、恐らく金正日氏は最後まで権力の座に居続けたいと願っているだろう。
と言うのは軍のエリートの間でキム・ジョンウン氏の人気が、いまひとつ高くないからだ。
ここ最近の北朝鮮情勢に付いて、ロシア政治軍事分析研究所・分析課課長は、次のように指摘している。
「金正日氏は急いで権力を手放すつもりは無い。何故なら彼には自分の息子が、権力を維持できるのかどうか確信が持てないからだ。ジョンウン氏はまだ27歳であり、軍人の間での権威は言うまでも無く、彼には何の実績も無い。
金正日氏が権力の座を去れば、軍人たちが国の権力を握る恐れがあるのだ。
今、金親子は軍上層部との問題を解決するため、あらゆることを行っている。
キム・ジョンウン氏は意思の力と覚悟を示すことで、高級将校など朝鮮軍首脳部における自分の権威を高めていく考えだ。
北朝鮮国内が不安定化すれば、朝鮮半島で戦争が勃発する可能性が生じる。
しかしそうしたことが起こるとは思えない。たとえ軍事紛争が起きたとしても、それは決して今日明日の話ではないだろう」
分析課長はこのように述べている。

ここで付け加えておきたいことは、軍の上層部が力を持つようになったのは、金正日氏本人に負うところが大きいという点だ。
権力の座に就いた後、彼はまさに軍に支えられる指導者となり、事実上、朝鮮労働党の運営からは退いている。
また北朝鮮では軍は全てに優先する、というドクトリーの下、全ての必要物資は先ず軍に集められている。
しかし北朝鮮国内から漏れてくる情報によると、キム・ジョンウン氏はあらゆる点で祖父や父を見習おうと努力し、自分に厳しく生まれつき充分しっかりした人物だと、口では評価しながらも軍の上層部のかなりの数の人々は、キム・ジョンウン氏の選択に不満を抱いているとも言われている。

とは言え北朝鮮国内ではもう偶像を作り上げ、若いキム・ジョンウン氏を将来の涼秋に代えるプロセスが始まっている。
彼の誕生日は朝鮮人民の祝祭日となったし、彼に忠誠を誓うキャンペーンも広まっている。例えばそうしたことを背景に、今年南アフリカで開かれたサッカーのワールドカップで、散々な成績にに終わった北朝鮮チームのメンバーたちは、裏切り者として槍玉に挙げられている。
韓国の北朝鮮向けラジオ放送によると、北朝鮮国内ではすでに数千万枚のキム・ジョンウン氏のポートレートが準備され、学校の生徒達は声を揃えて彼を称える歌を唄っているということだ。

10月12日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル


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