都内で公開中の映画「五日市物語」を観ました。
「市制15周年記念事業」としてあきる野市が出資・制作。
行政主体ということもあり、ドキュメンタリー風の少しお堅い内容をイメージしていたのですが、なかなかどうして楽しめました。油屋旅館や大悲願寺、横沢入に瀬音の湯など、日ごろ見慣れた地元の映像はもちろん、そこに昔の写真を織り交ぜながら、ちょっとした仕掛けと笑いもあるヒューマンドラマに仕上がっていました。
私の住む東京都あきる野市が誕生したのは1995年(平成7年)。秋川市と五日市町が合併して生まれました。
この映画の舞台・五日市では、後北条氏が支配した戦国時代(1500年代ころ)より、定期的に市が開設されていました。「五」の付く日に市が開かれたことが地名の由来。その頃は農産物の売買などが中心でしたが、江戸に幕府が置かれると、大消費地を抱えて、炭・薪や材木を中心とした市に変わっていったようです。
足元を流れる秋川で西隣の木材供給地・檜原村とつながり、さらに浅間尾根~小河内村(現・奥多摩町)~大菩薩峠を越えて甲斐の国へと続く甲州古道の入口。甲州街道(現・国道20号)が開かれてからは、交通・流通拠点としての重要性は失いましたが、「現在の渋谷がまだ村だったころ五日市はすでに町だった」(映画より)事実が、当時のこの地の賑わいを物語ります。
映画は、遠藤久美子演じる今風の若き女性ルポライターが、地元の人々と交流する中で「東京のふるさと」五日市に魅せられ、この地に定着するまでを描いています。人の往来が激しい歴史は、五日市を「来るものを疑うことなく受け入れてくれる」(同)懐の大きなまちに育てたようです。
一方で、私自身が地元・五日市のこと、あきる野のことをほとんど知らないことを反省。檜原村については村史などをひも解いているところですが、歴史的にも地理的にもつながりの深い五日市のことも合わせて調べると面白いだろうな…と、この映画を観て思い始めたところです。
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