多摩、ときどき山

多摩の暮らしと山のブログ

【ガイド】南ア/仙丈ヶ岳

2016-07-20 15:31:40 | ガイドのこと
18~19日、南アルプス/仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ・3032.6m)のガイドを行いました。

岳と森の「カール美しい南アの女王と高山植物」。T、Y、Uさんが参加。

仙丈ヶ岳は、山梨・長野・静岡県にまたがる南アの3000m峰では最北端に位置する。藪沢(やぶさわ)、大・小仙丈沢の上部に、典型的な三つのカール(氷河が削った圏谷)が口を開け、この山を優美な姿に仕立てている。特に藪沢は、穂高岳の涸沢カール、立山の山崎カールとともに我が国の三大カールに数えられており、残雪が遅くまで残り、水量も豊富。このため初夏から秋まで、文字通り高山植物の宝庫となる。

登山口でもある北沢峠付近のシラビソやコメツガ林が、高度を上げるにつれてダケカンバからハイマツとなり、お花畑に変わっていく様はその山容と相まって比類なく美しく、“南アの女王”と呼ぶにふさわしい。

18日

甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ・2967m=上)を背に、藪沢を遡る。


タカネグンナイフウロ(高嶺郡内風露)

シナノキンバイ(信濃金梅)

ハクサンフウロ(白山風露)

ウサギギク(兎菊)

毛が多く、対生する葉をウサギの耳に見立てての名。

愛嬌たっぷりの…

ホシガラス(星鴉)も。




本日の宿泊者は10名!快適な一夜を過ごさせていただきました。(笑)

19日

南アの“雄”、甲斐駒(左上)と夜明け。



コイワカガミ(小岩鏡)


チングルマ(稚児車)

こう見えてもれっきとしたバラ科の樹木です。


チシマギキョウ(千島桔梗)

ミヤマダイコンソウ(深山大根草)

イワツメクサ(岩爪草)

一見可憐な姿でも、高所の岩礫地や岩場など、強風・低温・低酸素・低養分…最も厳しい環境に生育する高山植物たち。



日本第二の高峰・北岳(きただけ・3193m=右上)を望む。

富士山との“背比べ”は、雲が出て叶わず。

山頂から見下ろす…

藪沢カール(真ん中の建物は仙丈小屋)と…

仙丈ヶ岳東面。

稜線下のすり鉢状地形が、大・小仙丈沢カール。


小仙丈ヶ岳

当初は雨天覚悟で臨みましたが、入山した18日から天候が急速に回復。爽やかな空気と南ア、八ヶ岳、北ア…「日本の屋根」の眺望、旬の高山植物を満喫することができました。3000m峰初挑戦の方もおられましたが、奥多摩で磨いた経験を活かして、皆さんゆとりの表情?(笑)山は「1/3のゆとりをもって」楽しみたいですね。


お疲れさまでした!(北~中央アルプスをバックに)

以下、亜高山帯の植物も一部ご紹介。

ツマトリソウ(端取草)

紅く縁どられた花弁が名の由来。


マルバダケブキ(丸葉岳蕗)

ニホンジカが食べないため、奥多摩ではやたらに増えている印象がありますが、一つ一つの花をこうして見ると美しい。


コイチヨウラン(小一葉蘭)














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