ほぼ日記

なぜ株下落? 12月FOMCで示された2023年の利下げ無し

(今回はちょっと長いです。推定読了時間7分。
 結論をすぐ見たい人はこの記事の一番最後をスクロールして見てください)

某ユーチューバーさん達(複数)が
「今だ、買え」「爆上げが来る!」「乗り遅れるな!」
みたいにさんざん煽っていらっしゃったのに、
蓋を開けてみたら、なぜか株価がかなりの値幅で下がりました
愕然というか、「なぜ?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

かくいう私も、
「不確定要素のある未来と群衆心理戦に基づいた株のことだから、
 確定的なことは、どうなるか誰にも分からないよね」
と頭の片隅にほんの少しだけ思いつつも、
「信じてる○○さんの言ってることだから、上がるに違いない!
と、株予算枠の中でポジションを高めに取ったままにしていました。 

ただ、11月時点で債券に全力投資したことで、
心に余裕が生まれ
「リセッション、いつでも来い! バーゲンセールならVYM買う!」
という気持ちで待ち構えています。

これから某ユーチューバーさん達がどう言い訳してくるか
それもちょっと楽しみですが、
そんな株関係者見誤っていると思われる点について
私なりに解説したいと思います。

まず、大原則として「金利と株価がシーソーの関係にある」を
耳タコだとは思いますが、おさらい。

金利が上昇し、債券の利率が高くなると、
それだけ投資家には選択肢が広がります。

高値掴みが得意中の得意な私も
高利率な債券を逃すまいと我先にと飛び込み
株ではなく債券を買いました。

株の平均リターンが6%の中で
債券はBBBの格付けや新興国建て通貨を混ぜてようやく
税引き後3.4%くらいというのが
私の肌感覚です。
(債券の平均リターンをここで示したかったのですが、ググっても見つけられませんでした。
 なお、2年とかそんな中短期ではなく、
 私は老後を見据えて30年のスパンでの利回りを求めています。
 禁断の「楽天永久債」……いやなんでもない)


一方で、暴落してもマイナス10%程度と、
株の半分以下リスクに収まる債券は
リスクを嫌う遺伝子が多い日本人や
投資初心者には、むしろ
こちらが正解ではないのか、
という気がしています。

つまり、金利が高いと、株式市場から資金が
利回りが高くなる債券に流れ込むわけですね。

他にもアメリカでは高いインフレのため、
持っている現金や株が値下がりし、
「このままお金を持ち続けているより、
 欲しい値上がりする前に、
 早めに買っておいた方が良い」
という心理が働き、投資よりも消費に向かいます。

さらにインフレならgold
基軸通貨のドルに加え主要通貨が軒並みインフレなので
金価格もこのところ高値圏で推移しています。

日本ではマンション投資が活発なようです。
ワンルームマンション投資
私もやろうとしていたのですが、
調べているうちに地雷だとわかったので
今は選択肢から外しています。

物価を表す指数、CPIが下がってきたことで、
来年後半にはFRBが利上げから利下げに転換

「PERが有利になることで株価も上がるに違いない、
さらにリセッションとなれば
元凶のインフレも下がるから買い場だ!」

これまでの株ユーチューバーさん達大多数が言っていたことは
私も正しいと思います。
(その中で、レバナス一本リーマンさんは警鐘を鳴らしていました)

ところが、
FRBのパウエル議長が
「2023年の利下げは検討しない」

 

来年の利下げ「インフレ率の低下確信するまで検討せぬ」 FRB議長:朝日新聞デジタル

 米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は14日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、利上げ幅を0・75%幅から0・50%幅に縮小することを決めました。この決定で...

朝日新聞デジタル

 

 

タカ派の姿勢を崩さなかったことで
株が上がると決め打ちしていた投資家が、
意表を突かれて慌てて売りに走ったというのが
今回の相場の真相ではないでしょうか。

1970年代にもオイルショックで高インフレになった歴史があり、
その時にはFRBが利下げすると悪性インフレがぶり返してきて
ほぼお手上げ状態になっていました。
そこに超タカ派のポールボルカー議長がやってきて
前例の無い大幅利上げしつこく徹底してやったことで
インフレがようやく沈静化したのです。

パウエル議長も以前の会見で「70年代の教訓」「歴史を踏まえ」と言っていますが

インフレのデータ自体が下がっても、
FRBはすぐに利下げなんてしないよ」

というのが理解できているかどうかです。

もちろん、株ユーチューバーさん達はそれも理解した上で
リセッション、景気後退が来れば、どのみち利下げしかないんだよ、
 利下げは確実に来る」
と読んでの買い煽りだったと思います。

ただ、「景気後退とは何か? をよく考える必要があります。
岡崎良介氏に言わせれば「失業率の大幅な上昇」であり、
「企業の業績が下がるのは景気後退でも何でも無い」
とおっしゃっていました。
(例によって、たくさんのメディアで発言されているため、
ソースがどこだったか忘れました。今週のYoutubeで捜してみて下さい)

大手ハイテク企業がリストラを急いでいますが、
労働市場全体を俯瞰してみると、
米失業率は歴史的に低く、
医療や観光などサービス分野はまだまだ「好景気」です。

「いやいや労働市場は労働参加率が下がっているだけだよ、
 早期退職が失業率を押し下げているだけで
 本当は減ってるんだ!」

という意見もどこかで聞きかじったのですが、
求人数の推移のグラフ
広告ポップが凄くうるさいサイトですが、他に良いソースが見つけられませんでした)
米国JOLT求人労働異動調査

を見ると、2割くらい下がってはいるんです。
(労働市場統計 こちらは数字のみ 出典 米労働省)
Job Openings and Labor Turnover Survey News Release - 2022 M10 Results

 

でも、失業率はそんなに上がってないですよね?
労働市場は時給5.1%と全然下がっていないので

 

【22:30速報】米雇用統計 金融政策どうなる?|後藤達也|note

12/2(金)発表の11月の米雇用統計が発表されました。特に注目された平均時給は前年同月比5.1%上昇と、市場予想を大きく上回りました。 きょうはアメリカの賃金の状況と、...

note(ノート)

 

最後

「賃金インフレは収まっていない、まだ利上げしないとダメだ」
というのがFRBの判断なのだと思います。

「物価じゃなくて、賃金を見ろ! まだ早い」

以上が
今回の株式相場とFRBを分析した私の結論です。

(とはいえ、クリスマス休暇前の損出しだと、年明け早々に上昇もあるかもと
今、これを書いている途中でふと思いました)

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