電卓のすすめ17 からの続きです。
電卓で方程式が解けるというと
「電卓で方程式は解けないでしょう」
といわれる方が多いと思います。
ソルバー計算(ソルブ計算)
ソルバー計算ができる関数電卓であれば瞬時に方程式が解けます。
そして、関数電卓の多くはソルバー機能を搭載した機種が多いのです。
を関数電卓CASIOfx-jp900で解いてみます。
まずは、式を入力して[SOLVE]キーを押します。
初期値の入力を求められるので
適当な数字を打ちます。なんでもかまいません。
教えて系の掲示板では
ここで初期値の入力が必要なことを知らずに
戸惑っている方が多く見られます。
xの解が4と表示されます。
その下に表示されているL-Rは(左辺) − (右辺)の結果で
0 に近いほど精度が高くなります。
2次方程式なので解がもう一つあると思います。
初期値を-1にして確かめてみます。
もう一つの解は-4です。
ソルバー計算手順はどの機種でもほとんど同じですが、
シャープでは式の入力時に =19 の部分を省いて
とする機種もあります。
またCAS(数式処理機能)を持つ電卓では初期値の入力が必要なく
複数の解を一度に表示してくれます。
(TI-nspire CX CAS)
ニュートン法
このソルバー計算にはニュートン法というアルゴリズムが使われています。
ニュートン法を使うとn乗根の近似値を普通の電卓で出すことができます。
このアルゴリズムを始めて知ったときは、
驚きと同時に計算を繰り返すたびに正解に近づいていく過程が面白く感じられました。
から
実務電卓シャープELーG35では初期値を2とすると
2[M+]としてから
を収束するまで繰り返します。
1回目 1.75
2回目 1.71088435373
3回目 1.7099764289
4回目 1.70997594666
5回目 1.70997594665
6回目 1.70997594666
1.709975947が近似値です。
※カシオは[×][=]を[×][×][=]と打ちます。
<電卓のすすめ19 へ続きます>
続編、文具の木の実もご覧ください。
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