この頃よく本を読むようになりました。
読む本は様々、その時の選択で、ドキュメントから、エッセイやら推理小説まで。
やはり、今の時代の本はあまりぼくの心のアンテナに響かないのでしょうか、20年くらい前の本が多いようです。
作家は好みで選びます。
新しい文学、といっても本が元気だった頃の本を選ぶことが多いので、なぜか80年代の本が多くなるようですね。
最近感心しながら読んだ本に、久世光彦さんの、「簫々館日録」という本が面白くって、毎日楽しみで・・・読んでいました。
久世さんって、この本で、泉鏡花賞を受賞されているんですね。2004年の本です。
テレビ局、東京放送を経て、ドラマのディレクター、作家に。才能ある方は何をやられても光るんですね。
この本は、芥川龍之介や、小島政二郎、菊池寛らをモデルにして、史実に題材をとったフィクションという事のようですが、ぼくには大正という時代の一瞬の小春日和、明治と昭和の戦争の谷間にさいた文学者の生きる姿がおもしろかったなあ。
5歳の少女の目を通した、芥川龍之介・・・という時代の苦悩、こういう風に書くといかにも通俗的で申し訳ないのですが、ご興味のある方は、古本で探してごらんになるとよろしいかと思います。(中公文庫・2004年刊)
この本を通して、またしっかりと芥川龍之介を読んでみようと思いました。
やっぱり、ぼくには散歩と本と、そして写真が生きる上での楽しみなんだなあと思い直して、それをたっぷりと楽しんで生きてゆこうと思いました。
フォト・文 石郷岡まさを
スミマセン。
雨にも負けず、
と書こうとしたのです。