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稲盛さんには一回しかお目にかかったことはない。第二電電上場の祝賀パーティーで通信事業関係者が招かれた。入口で参加者に一人一人深々とお辞儀をされていたのが印象に残っている。
平成テレコム讃歌 眞藤 稲盛 孫の系譜 Kindle版でも稲盛さんは眞藤さん孫さんと並んで平成テレコムの立役者だと記した。
下記の記事は2016-08-25に拙ブログに記したものだが、今読み返しても感銘が深い。
後継者選びに苦渋する孫さんも参考にされるとよい言葉だと思う。
「泥水すすり、草を噛んだ」仲でなければ社員はトップを信頼しません。なんて心に響く言葉だろう。
才が徳に勝る人は「小人」、才も徳もない人は「愚人」だそうです。長い目で見れば、小人よりは愚人のほうが成長します。
2016-08-25 21:04:03記事
稲盛さんのよい言葉
「世の中では外部から連れてきた「プロ経営者」をもてはやす風潮もありますが、企業は人間の集団です。戦時中の軍歌の文句ではありませんが、「泥水すすり、草を噛んだ」仲でなければ社員はトップを信頼しません。トップにはそういう追い込まれた状態で、なお兵を励ましながら戦う強さが求められるのです。」
今の日本企業は才覚のある人をリーダーとして重用します。私はリーダーを選ぶとき、能力ではなく人間性や人格で選びます。能力に多少の問題があっても人格のある人は努力をして成長する。そういう人をリーダーに選んでこなかったことが、問題を引き起こしているのではないか。
中国の司馬光という人が書いた『資治通鑑』という本によると、人間の能力を「才」、人間性を「徳」とした場合、才も徳もある人は「聖人」、徳が才に勝る人は「君子」、才が徳に勝る人は「小人」、才も徳もない人は「愚人」だそうです。
会社に聖人や君子がいれば、その人をリーダーにすればいい。しかし、なかなかそんな立派な人は見つかりません。そこで多くの会社では小人をリーダーにしてしまう。これが危ないのです。才があっても人間性のない人は己の栄達のために会社を危うい方向に持って行く恐れがある。長い目で見れば、小人よりは愚人のほうが成長します。