まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

利益剰余金は誰のものか

2016-03-03 22:11:01 | 企業一般
○ BSの主な構成は、資本金・資本剰余金・利益剰余金ですね。これをまとめて株主資本と呼んでいます。資本金・資本剰余金は、株主が拠出したものですから株主資本と呼ぶのは当然です。しかし利益剰余金を含めてどうして株主資本と言うようになったかですね。昔の商法時代は、商法の計算書類規則で、I.資本金,II法定準備金(資本準備金+利益準備金)& III.剰余金(任意積立金・当期未処分利益)としていました。会社は誰のものと言われても、1990年代までは株主のものという人は少なかったですね。しかし、日本の優秀な頭脳が、米国の大学等へ留学し、MBA等を取得したり、米国会計基準等を勉強した人が増えました。そういった人たちから見れば、会社は株主のものであり、純資産は株主資本というのは当然と思われるようですね。

○ 資本金・元手を出してくれるのは株主ですので、配当金などで報いるのは当然ですね。しかし、どうして従業員の汗と知恵と努力で稼いだ利益剰余金が、株主資本になるのでしょうか?株主は、会社が利益を獲得するのに知恵や汗を出してくれたでしょうか?出していないですよね。利益剰余金は、その会社の役職員のものです。もし、株主のものならなぜ配当性向を100%とか90%にしないのですか?日本の企業の平均の配当性向は、どれぐらいなのでしょうか?多くても50%ぐらいではないでしょうか?
利益剰余金は、その会社の役職員のもので、次の役職員に引き継ぎ、企業の持続的成長・事業の成長に使用する資産ですね。といっても、純資産は資産マイナス負債の計算上の数字ですので、実際は流動資産や固定資産・投資等になっていますが。

○ 米国では、証券市場は個人株主や機関投資家がメインですし、ESOPやERISAなどで、従業員が株式を取得するシステムができています。しかし、日本では従業員持株会があっても、申し訳程度の少ししか従業員は株式を保有・取得しませんね。システムが、米国と日本では異なるのです。また会社に対する意識も、「わが社」ですし、基本的には、まだまだ終身雇用制ですね。最近でこそ、会社の役員は、会社は株主のものと答えないと、いろいろ支障が出るので、そうは言っていますが、本当に会社は株主のものとだけ思っているんでしょうか?会社は、株主のものとは会社法には記載されていませんね。

○ 米国で、米国の考え方に洗脳されて、それが世界標準であるかのように勘違いして、日本で、米国の考え・発想・Corporate Financeの講義・解説書を、受け売りで行っている学者先生や留学帰りが多すぎますね。みんな洗脳されているのですね。なぜ、会社は株主のものと言っている人が、配当性向は100%あるいはそれに近い数字にして、儲けた利益は株主に還元・配当せよと主張しないのですか?矛盾していますよね。

○ ドイツには、共同決定法等があります。従業員の代表が取締役会の上部機関である監査役会の委員になっていますね。日本の企業経営は、このドイツの制度をもっと勉強して取り入れるのが良いのではないでしょうか。会社は、株主だけのものではなく、役職員も共同所有者とすべきではないでしょうか?

米国の、利益剰余金も株主資本であるという発想は、奴隷の汗は自分のものであるという、奴隷制度と一緒の発想ですね。日本は、米国の制度・考え方の猿真似導入はやめて、一般従業員の代表も経営に参加して、1億総活躍社会?の新しいシステム・仕組みの一つを作るのが良いと思います。
コメント
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