○ 最近環境、国際協力等様々な分野でNPO活動が活発になって来ており、またその重要性が増しています。しかし、多くのNPOが法人格をもたずに任意団体として活動しています。しかし法人格を持たないと、いろいろ不便です。事務所を借りたり、銀行口座を開設したり、物を購入するのも、理事長名義になります。また理事長が交代したらその変更手続きも手間です。法人格を持つと団体名で法律行為ができますので便利ですね。
○ 政府も、NPOの重要性と意義を認め、NPO法人(特定非営利活動法人)の設立促進を諮るため、特定非営利活動促進法(H10年施行)を制定し支援しています。しかし、実際はなかなか手間がかかるようです。
設立の申請書類だけでも12種類(①設立認証申請書、②定款、③役員名簿、④就任承諾書、⑤社員名簿、⑥確認書、⑦設立趣意書、⑧設立意思決定を証する議事録、⑨⑩初年度及び翌事業年度の事業計画書、⑪⑫初年度・翌事業年度の収支予算書)あります。これら書類は出せば終わりではなく、翌年度からも同様の書類・変更等の届出、定款変更の認証申請・届出を行わないといけません。余程しっかりした組織でないとやっていけません。
詳しくは、内閣府 NPOホームページ↓ 設立及び管理・運営の手引き ご参照 http://www.npo-homepage.go.jp/found/npo_guide.html
○ 税法上の認定NPO法人になれば、個人の寄付金は寄付金控除の対象に、また法人では、通常の寄付金の損金算入限度額に加えて別枠で損金算入ができる等、また当該法人についても収益事業から得た益金から収益事業の損金にプラスアルファの損金算入ができるというメリットがあります。でも、NPOで収益事業を行って課税所得のあるNPOってどれだけあるのでしょうか?まあ、殆んどないでしょう。
○ ということで、こんな邪魔くさいことするなら、株式会社の形式を使ってNPOを作ったらどうでしょうか。まあ、会社設立登記、税務署等への設立届けと変更時の変更届は必要ですが、経理さえきちんとすれば、大丈夫ですね。物を販売したりしているNPOも多いですが、活動資金の一部であり、利益を上げているところなどまずないでしょうね。課税所得もまず発生しないので税金を納めることもないでしょう。但し、固定資産税、住民税の均等割り、事業税の外形標準の部分については少し納める必要がありますけれどもね。
○ 運営については、具合的には以下等が考えられるでしょうね。思い付きですけど。
・ 定款の目的:NPOの目的を記載しておけば良いですね。
・ 役員:代表取締役理事長・総裁でも隊長でもご自由に、取締役理事とか適当に作ればいいですね。
・ 会員:NPOは会員制ですね。しかし株式会社という形式を利用したら株主ですね、合同会社なら社員ですね。
・ 会費の徴収:新株予約権を理事長なりに発行しておいて、新規会員にはその予約権を譲渡して予約権を行使して払込をしてもらう、これを会費の払込とすれば良いですね。翌年からもその新株予約権を行使してもらって会費を毎年納入してもらうわけですね。
変更登記が少し手間ですけど、会員募集を一定の時期にして、登記の回数を減らせばいいですね。
・ 株主(会員)の権利:会社法105条には株主の権利として、1)剰余金配当を受ける権利、2)残余財産の分配を受ける権利、3)議決権が規定されています。1)&2)の両方を与えないのは会社法違反ですので、形式的に与えておけば良いですね。NPOですから所詮は利益など出ませんからね。
こんな感じでしょうか。NPOを設立しやすい株式会社(あるいは合同会社)で設立するのも手だと思いますが、如何でしょうか。
でも、他にも応用できそうな感じでとても興味深い内容です。