○ 海外で子会社を経営していても資本金だけでは不足するので、親会社から長期・短期資金のローンを供与したり、邦銀の海外支店から融資をしてもらって親会社から邦銀に保証書を差し入れるケースが多いですね。また、海外で会社を買収したときは、被買収企業には現地の銀行がローンを提供しているケースも多く、親会社からローンを提供するといっても現地銀行からは、親会社ローンは既存銀行のローンより劣後する旨のDebt Subordination Agreementの締結を求められたりします。一方、合弁会社の場合は、出資比率に基づく融資・保証ですから、現地パートナーの調達・保証力と日本企業の調達・保証力の差が出て、元本は出資比率に応じて調達しても金利や融資・返済期間に差が出てきます。これは避けられないですね。
○ 合弁会社が、邦銀現地支店からローンを受けるときには、合弁会社が日本の出資元(以下「親会社」)会社と保証委託契約を締結して保証料を支払う事を対価として、親会社は合弁会社の借入保証を銀行にします。ところが合弁会社ですから、現地パートナーは現地銀行から合弁会社に融資をしてもらって、その保証を現地銀行に対して行います。融資を行う現地銀行が、日本の親会社の保証を認める筈もなく、また逆に現地パートナーの保証を日系銀行は認めません。従い、合弁会社の、現地パートナーの保証に基づく現地通貨の借入、日系銀行からの日本の親会社保証に基づくUSD(現地通貨のときもある)の借入のときは、出資比率ではなく100%の保証を日本親会社は日系銀行に与え、現地パートナーは現地銀行に与えることになります。
○ 即ち、出資比率と異なる保証比率になりますね。この場合には、合弁会社の出資比率に基づき、100%の保証を差し入れた合弁株主に、自分の出資比率に応じた裏保証をそれぞれクロスで差し入れることになります。銀行への保証の条件は、当然銀行に有利な条件が一杯記載されております。銀行から保証契約の履行を迫られたら、耳を揃えて文句を言わず直ちに払えという内容ですね。100%の保証を出した合弁株主は、直ちにこれを履行しなければなりませんが、そのうち合弁相手の裏保証でカバーされている場合には、その部分を合弁相手に請求することになります。これもクロスになる場合もありますね。しかし、株主がしっかりしていれば、結局資金支援を行い合弁会社が倒産に至ることはありません。保証と保証料の問題となります。
○ では、この裏保証契約(Back-to-Back, or Back-up Guaranty Agreement)、即ち100%保証差入株主(Primary Guarantor)と自己の出資分の保証を行う裏保証株主(Back-up Guarantor)との間の契約には、何を記載すれば良いでしょうか。内容は、簡単ですね。100%保証株主が保証債務を履行したら、銀行へ支払った金額の証拠書類を提示し、自分の分を文句を言わずに直ちに支払えと書けばいいのですが、これではあまり芸がないですね。
○ 合弁会社の借入保証の委託契約は、合弁会社(株主2社の合弁の場合)及び両株主間の3社で結んだ方が良いですね。勿論、合弁会社の銀行借り入れ・株主保証をセットでBoardで決議承認し、株主の方も決裁事項ですね。
では、その保証委託契約には、どういった条項が入るでしょうか。
1) Guarantors shall give necessary assistance, severally and respectively, for the Company’s procurement of such funds in proportion to their respective Shareholding Ratio by way of guaranteeing to banking institutions for the benefit of the Company.
2) これに対して合弁会社から、保証料の支払=Guaranty Considerationの規定をいれますね。
3) また、実際あまり効果はありませんが、理屈上は代位の規定(Guarantors’ Rights of Subrogation)も入れることも多いでしょう。例えば、以下ですね。
Until Guaranteed Obligation shall have been paid in full, Guarantors hereby waive any claim, right or remedy, direct or indirect, that Guarantors may have against the Company,で、保証債務をすべて履行するまではwaiveしますという内容ですね。
○ これに基づき、Primary GuarantorとBack-up Guarantorとの間の裏保証契約をします。最も重要な規定のみ以下に例をあげましょう。
1) For xx% of the Guaranteed Obligation, arising out of the Credit Agreement, Guarantor hereby irrevocably and unconditionally guarantees and promises Primary Guarantor that Borrower shall pay the full and punctual payment and performance when due, including, without limitation, (i) the principal of and interest on each loan made to the Borrower pursuant to the Credit Agreement, (ii) all other amounts payable by the Borrower under the Credit Agreement, (iii) the punctual and faithful performance, keeping, observance, and fulfillment by the Borrower of all of the conditions, covenants, and obligations of the Borrower contained in the Credit Agreement.
2) Upon the failure by the Borrower to pay punctually any such amount or perform such obligation stated in the Credit Agreement, Guarantor agrees that it shall forthwith on demand by Primary Guarantor pay only xx% of such amount demanded from Bank as the performance of the Back-up Guaranty.
まあ、そんなところでしょうか。
○ 合弁会社が、邦銀現地支店からローンを受けるときには、合弁会社が日本の出資元(以下「親会社」)会社と保証委託契約を締結して保証料を支払う事を対価として、親会社は合弁会社の借入保証を銀行にします。ところが合弁会社ですから、現地パートナーは現地銀行から合弁会社に融資をしてもらって、その保証を現地銀行に対して行います。融資を行う現地銀行が、日本の親会社の保証を認める筈もなく、また逆に現地パートナーの保証を日系銀行は認めません。従い、合弁会社の、現地パートナーの保証に基づく現地通貨の借入、日系銀行からの日本の親会社保証に基づくUSD(現地通貨のときもある)の借入のときは、出資比率ではなく100%の保証を日本親会社は日系銀行に与え、現地パートナーは現地銀行に与えることになります。
○ 即ち、出資比率と異なる保証比率になりますね。この場合には、合弁会社の出資比率に基づき、100%の保証を差し入れた合弁株主に、自分の出資比率に応じた裏保証をそれぞれクロスで差し入れることになります。銀行への保証の条件は、当然銀行に有利な条件が一杯記載されております。銀行から保証契約の履行を迫られたら、耳を揃えて文句を言わず直ちに払えという内容ですね。100%の保証を出した合弁株主は、直ちにこれを履行しなければなりませんが、そのうち合弁相手の裏保証でカバーされている場合には、その部分を合弁相手に請求することになります。これもクロスになる場合もありますね。しかし、株主がしっかりしていれば、結局資金支援を行い合弁会社が倒産に至ることはありません。保証と保証料の問題となります。
○ では、この裏保証契約(Back-to-Back, or Back-up Guaranty Agreement)、即ち100%保証差入株主(Primary Guarantor)と自己の出資分の保証を行う裏保証株主(Back-up Guarantor)との間の契約には、何を記載すれば良いでしょうか。内容は、簡単ですね。100%保証株主が保証債務を履行したら、銀行へ支払った金額の証拠書類を提示し、自分の分を文句を言わずに直ちに支払えと書けばいいのですが、これではあまり芸がないですね。
○ 合弁会社の借入保証の委託契約は、合弁会社(株主2社の合弁の場合)及び両株主間の3社で結んだ方が良いですね。勿論、合弁会社の銀行借り入れ・株主保証をセットでBoardで決議承認し、株主の方も決裁事項ですね。
では、その保証委託契約には、どういった条項が入るでしょうか。
1) Guarantors shall give necessary assistance, severally and respectively, for the Company’s procurement of such funds in proportion to their respective Shareholding Ratio by way of guaranteeing to banking institutions for the benefit of the Company.
2) これに対して合弁会社から、保証料の支払=Guaranty Considerationの規定をいれますね。
3) また、実際あまり効果はありませんが、理屈上は代位の規定(Guarantors’ Rights of Subrogation)も入れることも多いでしょう。例えば、以下ですね。
Until Guaranteed Obligation shall have been paid in full, Guarantors hereby waive any claim, right or remedy, direct or indirect, that Guarantors may have against the Company,で、保証債務をすべて履行するまではwaiveしますという内容ですね。
○ これに基づき、Primary GuarantorとBack-up Guarantorとの間の裏保証契約をします。最も重要な規定のみ以下に例をあげましょう。
1) For xx% of the Guaranteed Obligation, arising out of the Credit Agreement, Guarantor hereby irrevocably and unconditionally guarantees and promises Primary Guarantor that Borrower shall pay the full and punctual payment and performance when due, including, without limitation, (i) the principal of and interest on each loan made to the Borrower pursuant to the Credit Agreement, (ii) all other amounts payable by the Borrower under the Credit Agreement, (iii) the punctual and faithful performance, keeping, observance, and fulfillment by the Borrower of all of the conditions, covenants, and obligations of the Borrower contained in the Credit Agreement.
2) Upon the failure by the Borrower to pay punctually any such amount or perform such obligation stated in the Credit Agreement, Guarantor agrees that it shall forthwith on demand by Primary Guarantor pay only xx% of such amount demanded from Bank as the performance of the Back-up Guaranty.
まあ、そんなところでしょうか。
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