○ 立場の弱い人は保護されますね。国内では消費者とか借家人・借地人等ですね。
海外でも同じですね。自国民保護という事になります。昔は、中国では、公園に入るときは中国人と外国人とは差別的な料金でした。国をまたがっても自国民保護というのもあります。インドではインド企業の株式を購入する外国人投資家は、購入最低価格が適正価格ですが、インド人が株式を買うときは、適正価格が最高価格という、露骨な内外差別を行っていますね。今回は、中南米(特にカリブ海諸国)、EU、中近東諸国で行われている代理店保護法制についてです。<o:p></o:p>
○ 中南米
中南米諸国では、代理店・販売店契約の解約・終了に関して特別法を制定している国が多いです。即ち、準拠法を外国のものとしたり、紛争解決を海外で仲裁すると当事者間で決めても、その国の特別法で効力を否定されると言うことです。この特別法は、契約の中途解約、終了、更新の場合に適用されます。解約の場合には、①十分な期間をもった事前通知、②解約の正当理由、③補償の範囲が問題となるようです。正当理由としては、代理店の契約不履行(破産・秘密情報漏洩等)、詐欺、背信行為等ですね。損害賠償の範囲として、算定要素(代理店の過去5年の純利益の総額等)を法律で規定している国もあるようです。解約するときは、多額の補償金を取られます。<o:p></o:p>
○ 中近東
中近東では、国内の商業活動を自国民・自国企業に限定して代理店起用を強制している国、起用は強制していないが起用するときは、自国民・自国企業に限定する国、政府関係入札では、自国民・自国企業を代理店として起用することを要求する国等があるようです。代理店起用を強制している国では、その実効性を担保するために登録制度を設けています。未登録で輸入しようとすると輸入が認められないか罰金を課せられます。国によっては、同一商品については複数の代理店起用を認めていない場合があります。<o:p></o:p>
○EU<o:p></o:p>
EUが出来る前は、ベルギー・ドイツ・フランス等で代理店保護の法制がありましたが、EUで統一されました。理事会指令86/653/EEC(1986年12月18日付)が出され、契約終了時の取り決めを定めていますが、対象となるのは個人事業主の代理商だけであり、法人格を持つ事業者は対象外ですので、殆ど影響が無いと思われます。
① 契約期間のある代理店契約:期間満了後は、契約期間不確定として、いずれからも通告で契約を終了できる。
② 契約期間の定めの無い代理店契約:契約期間の長さにより、事前通告の期間の定めがある。
③ いずれかの契約違反・特別事情があれば即時解約できる。
契約終了の場合、利益機会喪失とこれまでの代理店の投資額補填の補償が認められる。
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