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最近ドラマの質が落ちてきていて、見るべきドラマが減ってしまって残念に思っていたのですが、NHKの連続ドラマ『しずかちゃんとパパ』は上質なドラマでした。感動しました。
過疎化が進んでいる地方都市が舞台で、企業による再開発案が持ち上がっているのですが、地元の商店街はもちろん反対します。商店街の中に聾唖者が経営する写真館があります。その聾唖者には健常者の娘がいます。聾唖者が笑福亭鶴瓶が演じ、その娘が吉岡里帆が演じます。鶴瓶さんがうまい。聾唖者を見事に演じると同時、表情だけですべてを表現しています。吉岡里帆も負けていません。誠実な娘を的確に演じています。
企業側の担当者と娘が恋に落ちます。空気を読めないまっすぐな青年担当者を演じるのは中島裕翔。ロミオとジュリエットですね。二人は結婚を考えますが、担当者が海外出張になってしまいます。娘は聾唖者の父を残していくことはできません。しかしそんな娘の背中を父親が押してくれます。
聾唖者として生きること、健常者として生きること、どちらも同じだということを訴えかけます。もちろん現実にはそんなに甘いものではないことはわかります。しかし多様性を認める世界に生きるということは、現実の厳しさを当たり前として受け止めることができるということです。
今、社会が多様性を受け入れることを目指し始めました。言葉だけでなく、真に受け入れるためには、一つ一つクリアしていかなければなりません。それを教えてくれるドラマでした。
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