過日、TBSの『世界遺産・紅河哈尼(ハニ)族の棚田群』なるTV番組を視た。哈尼族はタイでアカ族とよぶ少数民族と同族である。
番組を視ていると、山の頂上(標高2000M)直下に集落を営み、そこから谷底に向けて、気が遠く成るほどの段数の棚田が形成されている。
棚田は完全な湿田で、乾田にすると土壌が脆くなり崩壊するので、湿田にしているという。但し稲刈りの時は作業がしにくいので、一時的に水を抜くと放映していた。その湿田で栽培しているのは赤米とのこと。
稲刈り後、水位の下がった田圃で、鯉のような魚を獲っていた。年中水を張っているので、鯉科の魚を養殖しているようだ。雑草の成長を妨げ糞は肥料になり、まさにエコと環境維持の農法である。
その魚で動物蛋白を摂取していることになる。且てはタイ人も、田圃に淡水魚を放していた、乾季には水が引くので田圃に穴をほり、田圃から水が引けば、その穴に逃げ込むようにしていたのである。北タイの山岳少数民の銀飾に、やたら魚がモチーフとして使われているのは、このように日常生活で関係の深い理由によるものと考えている。北タイ陶磁に魚文が多いのも、同じ理由によるものであろう。
<了>
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます