<続き>
暫く中断していたが再開するも今回で終了。インターネット・オークションに多くの東南アジア古陶磁が出品されるようになってきた。ミャンマー、クメール、シーサッチャナーライなどは素人で、真贋の判断精度は低いが、北タイ陶磁はそれなりの場数を踏んでいる。そのような眼でみると、まだまだ首を傾げる品々が出品されており、被害者にはお気の毒である。特にインターネット・オークションでは写真、しかも解像度が低く、真贋判断の妨げになっている。下に掲げる出品陶磁は本歌と思われる。
<カロン>
上の2点は先日も紹介したが、バンコクのリバーサイド・オークションハウスの最近の出品陶磁である。
雲閣文の玉壺春瓶は貴重で、絵付け文様に中国陶磁を参考にしたことが如実に表れている。これをもって中国からカロンに陶工が移動したと、唱える一部の人が存在するが根拠不十分である。
以前はネット・オークションでサンカンペーン陶磁を見る機会が無かったが、最近ではポツポツ見るようになってきた。上は云わゆる”犬の餌鉢#である。
サンカンペーンと云えば、写真の印花双魚文盤である。写真のように釉色は様々である。この釉色は時代の変遷か、窯元の違いを表すのか? 窯元はフェイ・ブワック・ピン窯と云われており、ここに幾つの窯が操業していたのか詳細は分らない。印花双魚文盤の所有点数は10点を越えている。一度科学的分析といっても非破壊検査になるが、分析したいと考えている。
<パーン>
パーンかカロンか見分けが難しいが、カロンの白磁には見えず、カロンの青磁とも思えそうにない。出品ではパーンとなっている。品物はケンディーと呼ぶ水差しで、ハムサ(ハンサ)の形をしている。ハムサはブラフマーの乗り物であり、ヒンズーの背景なしには作陶されないであろう。
以上、ここ半年でみたオークション出品作品の紹介を終了したい。
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