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トワンテの青磁は、ペルシャ湾の西海岸にある交易拠点であるJulfar(Hansman 1985)からも出土している。それらが発見された層は、15世紀または16世紀とされている(Sakai2003、2005; Borell 2014:285)。
反対の東側・フィリピンで発見されたパンダナン難破船(1450〜1487)ではビルマ産の青磁盤が出土している。フィリピンで発見されたもう一つの難破船サンタクルーズは、2001年にルソン島のザンバレス北西部の海岸で発見された。この船は東南アジアと中国の特性を組み合わせた形式の船で、南シナ海の伝統に属していると云う。このタイプの船は15世紀と16世紀に建設された(Manguin 1993)。考古学者は、この船が建造に使用された木材によって、フィリピンで建設されたと考えている。積荷は中国(貨物の86%)、タイ(9%)、ベトナム(0.37%)、ミャンマー(3%)(Orillaneda 2016)。サンタクルーズは、中国・弘治帝時代(1488-1505)の陶磁器をベースにしており、ビルマの青磁盤は、スコータイ青磁盤を置き換えた可能性がある(Brown 2004:86)。
トワンテの窯の開窯時期は、まだ明確になっていない。しかしトワンテが15世紀と16世紀の間に施釉陶磁の主要生産者であったという強力な状況証拠がある。トワンテ運河沿いの陶片は、おそらく同時に、そして後に大量の陶磁生産が行われたことを示唆していると思われる。シンガポール大学付属NUS博物館での展覧会は、ミャンマーの陶磁に集中した、初めての展示である。トワンテの窯は最も重要であり、集中的に研究されている。これは、過去30年間のMyo Thant Tyn氏と彼の同僚の不断の仕事によるものである・・・として、以下の陶片が展示されている(NUS博物館パンフレットより)。
トルコブルーの陶片である。底に多くの孔が開いており、そこに釉薬が流れ込んでいる。当該容器の使途がはっきりしないが、釉薬を漉すのに用いたか?
現地で、じっくり見たかったのがカウミュー窯出土の当該陶片である。この写真を見た途端、シーサッチャナーライのモン陶かパヤオと思ったほどである。これにつては別途紹介したい。
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