原題は、Under sandet[砂の下]、英題はLand of mine[地雷の大地]、邦題の「ヒトラーの忘れもの」は何とも頂けません。
第二次世界大戦が終わった時、デンマークでは、ドイツ軍が埋めた地雷が放置されていました。
デンマークに派兵された多くのドイツの少年兵は捕虜となり、その地雷の処理をさせられました。
そのほとんど知られていないエピソードの映画です。
ドイツへの憎しみ一杯のデンマーク軍の軍曹ラスムスンは、その一隊の指揮に当たります。彼は彼らに厳しく接します。
少年兵は地雷処理で怪我し、精神を壊し、そして死んで行きます。
彼は、次第に少年兵に心を開きはじめ、「任務が終えたら国に返す」と約束します。
ところが、彼らは与えられた任務を終えると、再び別の地に派遣されるのでした。
そのことに激怒した彼は上官に抵抗し、彼らを取り返し、国に返すのでした。
映画では、その経緯が描かれていないので、どうしてそのことが出来たのか私にはわかりませんでした。
この結末は、明らかに失敗でした。いかに「不誠実・いたたまれなくても」、不条理さに任せるべきでした。
こうした悲劇は、シベリアの日本兵、タイの戦場架ける橋をはじめ世界中でたくさん起きたことでしょう。
英語の"mine"にどうして地雷の意味があるのか疑問に思い調べました。
私達の多くが知っているのは「私のものというmine」ですが、地雷mineの語源は、ラテン語・フランス語のミネラルにあるようです。
そこから鉱山、鉄鉱などへ意味が広まり、"地雷"につながったと辞書にありました。
やはり、言葉は生き物、面白いですね。
この映画、途中に中だるみがありましたが、最後の結末を除いては、とても良く出来ていたと思います。 【5月29日】