旧軽井沢区の年中行事の一つ、「どんど焼き」が今年も諏訪ノ森公園で行われた。集まった年配者のはなしによると、自身が子供の頃の思い出にはこのどんど焼きはないが、子育ての時期に、子供達を連れてどんど焼きに参加した記憶はあるという。
年配者というのは区の役員諸氏の事なので、そこから判断すると3-40年ほど前からどんど焼きが行われてきていることになる。
もう少し詳しいKさんに聞いてみると、以前は公園に隣接する諏訪神社の境内で行われていたが、その後今行われている公園に場所が移されたのだという。
現在、旧軽井沢区のどんど焼きは地元小学校のPTA支部が主催していて、これに消防団、区会が協力する形をとって行われている。
そうしたこともあって、どんど焼きで燃やす、正月飾りのしめ飾りや門松、縁起物のだるまや招き猫、子供たちが書いた書初め、神社からいただいた破魔矢、お札、御守り、おみくじなどの品々を、子供たちが各家庭や、別荘、商店、ホテルなどを回って集めている。
ところが、昨年からは新型コロナの影響があり、子供たちが各家庭を回ることを止めている。代わって、区会の関係者とPTA役員が分担して地域をまわり、どんど焼きで燃やす品々を集めるようになっている。
これらとは別に、どんど焼きで燃やしてほしい種々の品を諏訪神社に持参する人もいるし、どんど焼き会場に当日直接持参する人もいる。
諏訪神社に集まった縁起物のだるまや、破魔矢、正月飾り、お札、お守りなどが公園に運ばれて来た(2022.1.10 撮影)
暫くすると、軽トラで各所から回収した品々が公園に集まって来る。集められた品の中では、「だるま」が目立っているが、そのだるまの大きさはさまざまで、手のひらサイズから一抱えもある大きなものまである。また、門松も商店のもは大きく立派で、太い竹が使われている。
軽トラで運ばれてきた品々が加わり、一挙に燃やすものの量が増える(2022.1.10 撮影)
集まって来た品の中でも、だるまや招き猫、そして太い竹などは、燃やしているうちに破裂する恐れがあるという事で、だるまなどは底の部分の素焼き粘土を取り外す作業をしたり、竹はあらかじめ割れ目を作ったりする作業を行う。
さらに、町のごみ処理ルールに従って、金属、陶磁器などの不燃物やプラスチック製品などは取り外して分別ごみ袋に分け、燃やしてもよい品々だけを公園中央に積み上げる。そうこうしているうちに諏訪神社からのお神酒などが運ばれてきて、神事の準備も整う。
公園の中央部に積み上げられたどんど焼きで燃やす品々と神事用のお神酒など(2022.1.10 撮影)
午前中にこうした準備をして、午後からお焚き上げの行事が始まる。今回は順調に準備が進み、しばらくは一休みであった。
午後になると、関係者が再び集まって来るが、万が一に備えて消防車も用意される。
消防車も用意される(2022.1.10 撮影)
そしていよいよお焚き上げの神事が始まる。進行役は小学校のPTA支部長さんである。
PTA支部長さんの進行で神事が執り行われる(2022.1.10 撮影)
諏訪神社の宮司さんが祝詞を読み上げ、続いてPTA支部長、区長、区の消防部部長が玉串を捧げる。
区の役員が玉ぐしを捧げる(2022.1.10 撮影)
次に、積み上げられた品々にPTA役員の手でお神酒が振り掛けられ、その後消防団員により点火される。燃えやすくするために、灯油が少量ふりかけられたようである。
火は順調について、炎が高く燃え上がる。
用意され、積み上げられた品々にお神酒をふり注ぐ(2022.1.10 撮影)
消防団員による着火作業(2022.1.10 撮影)
すぐに火がついて燃え始める(2022.1.10 撮影)
勢いよく燃え上がる(2022.1.10 撮影)
積み上げられていただるまなどはみるみる火だるまとなり、真っ赤な塗装色が白く灰になっていく。
燃え上がるだるまなどの品々(2022.1.10 撮影)
炎が落ち着いてくると、この火と熱を利用して、子供たちは楽しみにしていた団子や餅を焼き始める。中には待ちきれないで、燃え盛る炎に長い枝先に付けた団子を差し出す子もいる。
勢いよく燃える炎に長い枝先に付けた団子を差し出す少年(2022.1.10 撮影)
火が落ち着いてくると待っていた子供たちが団子を焼く(2022.1.10 撮影)
紅白の団子のほかチョコレート団子も混じる(2022.1.10 撮影)
今回は、残念なことに新型コロナ/オミクロン株の再流行の兆しを受けて、PTAは子供たちの参加を見送った。今回公園に集まったのは親に連れられて自主的に参加した子供たちだけであったが、10人ほどの子供たちは大いにこの行事を楽しんでいたようであった。
約1時間ほどで積み上げられていた品々は燃え尽きた。後は消防団の皆さんが火の始末をしてくれるという事で、三々五々解散となった
どんど焼きが行われる目的の一つに、無病息災が掲げられている。すでに2年もの長きにわたり世界中を苦しめ、混乱に陥れている新型コロナであるが、皆の気持ちが通じて今年は何とか終息に向かってもらいたいものと、柄にもなく祈りたい気持ちになった。
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