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南アルプスの懐、大鹿村
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大鹿村へ向かう県道を走ってると、小渋川対岸に白い一条の線が・・・
地図上ではこの位置に道はありませんし、この白線は小渋ダム堤体にぶつかって途切れてしまいます。
雪がうっすらと積もると、こうした水路・小道が浮かび上がります。
・・・所々崩れているし、水路だとしても使われていなさそうです。
廃道マニア心をくすぐられますが、このルートにはちょっと心当たりが。
『下伊那史 地理編』によると、大鹿村から松川町部奈まで軌道があったようなのです。
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地図は同本より引用。(赤丸部が今回歩いたところ)
なんでも、大正時代に久原鉱業という会社が大鹿村の木を切り出すためにトロッコ軌道を敷設したそう。
大鹿村内の製材所を経て、部奈からは索道で天竜川を横断、上片桐駅まで引き上げて飯田線に積み込み。
材木は日立鉱山の坑木として利用されたが、関東大震災の際には復興資材として利用されたそうです。
伐採が行われていたのは大正6年から昭和4年まで
この間だけ軌道があったとすれば、実に80年以上前の廃線跡!となります。
・・・これは見に行くしか・・・という事で気づけば崖の上に(笑)
小渋川を長靴で横断、対岸の谷づたいの獣道をジグザグによじ登るとちょっとした平場が
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しばらく進むと石垣、やはり山腹水路ではなく道のようです。
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道のわきに不思議な穴が・・・
一辺1.8mほどの矩形断面で道に垂直に掘られています。
・・・歩いた区間2カ所にあり、道に垂直していて道路トンネルではなさそうなのでスルーしたのですが、一体何なんでしょうかね。
北側斜面なので氷室のようなものには最適かと思われますがはたして・・・?
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この道のハイライト?の断崖区間
小渋川の作り出したかなりの絶壁の中腹に道が刻まれています。
対岸にはダンプの行き交う県道があり、生と死の対照的な二本の「道」が並行しています。
・・・なので人気が無く全く静か、といういつもの探検とは違う雰囲気でした(笑)
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ややオーバーハング気味に削られた崖
この道を通す際の苦労が偲ばれます。
「下伊那史」によれば、トロッコ道は全長24キロで既設の道を9尺に拡幅して利用した、とあり、およそ3m弱の幅員。
対してこの道は広い箇所は3mくらいですが、断崖区間はせいぜい2mちょっと。
・・・まぁ、この幅員が取れない箇所もあったと考えれば該当するのかなと・・・
「下伊那史」の地図が正しいとすればこのルート以外に通せる場所があるように思えないので、おそらくここがトロッコ道なのかなと。
ちなみにトロッコの軌間は不明、動力は重力に従って下山、上りは畜力によったそうです。
昭和6年の地形図には、大鹿村側からちょうど私がスタートした辺りまで、点線道(小経 幅員1米未満)で描かれるも部奈までは通じていません。全く不自然な位置で途切れるのですが、穴が何かに使われていたという事なのか・・・?
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当日は積雪は無かったものの、湧水が凍結し氷瀑?ではないが見事なツララを形成していました。
・・・アイゼンがあってよかった。
訪問日:H29年2月18日
※この日記を読んで訪問される方は(いないと思いますが)、自己責任でお願いします。転落・落石・野生動物などの危険があるのでおススメできません。