コードネーム「獅子は千尋の谷底に子を落とす」作戦
新戦力の発掘をかけた東アジアカップで、日本代表はあらためて選手層の薄さを露呈した。数人の新顔が気を吐いたが、このままではロシア・ワールドカップは海外組頼りにならざるをえない。結局、ブラジルW杯の二の舞だ。そこで予選から武藤、遠藤航、米倉ら新顔を大胆に抜擢し、新陳代謝を図りたい。
東アジアカップで代表レギュラー取りに新しく名乗りを上げたのは、武藤雄樹(浦和レッズ)と遠藤航(湘南ベルマーレ)、米倉恒貴(ガンバ大阪)の3人だけ。倉田秋(同)や藤田直之(サガン鳥栖)もおもしろい存在だが、バックアッパーだろう。
このほかボランチの山口蛍(セレッソ大阪)とCBの森重真人(FC東京)も合格点だったが、彼らはすでに実績があり新戦力とはいえない。
他方、能力はありながら期待を大きく裏切ったのは、宇佐美貴史(ガンバ大阪)と柴崎岳(鹿島アントラーズ)だ。彼らのデキは不合格とまではいえないが、ポジション的にもゴールにからむ働きができなかったのは致命的だ。
また正確なクロスが売りの太田宏介(FC東京)、スピードと思い切りのよさの浅野拓磨(サンフレッチェ広島)は、十分な出場時間が与えられず残念だった。2人とも潜在能力は高いだけに、今後も腕を磨いてレギュラー取りに参戦してほしい。
9月のW杯アジア2次予選のスタメンは?
ハリルジャパンは9月から、またW杯アジア2次予選の連戦が続く。カンボジア戦(3日)とアフガニスタン戦(8日)だ。ではスタメンはどうなるのか? 「予想」ではなく強い希望を提示しておく。
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◯宇佐美
◯武藤嘉紀 ◯武藤雄樹 ◯浅野拓磨
◯山口螢 ◯遠藤航
◯太田 ◯槙野 ◯森重 ◯米倉恒貴
◯川島
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大胆だが、考え方としては東アジアカップに続くテストである。ハリルは「準備期間があと3日あれば3試合とも勝てた」というのだから、では実際にやってもらう。大サービスで左SHに武藤嘉紀(マインツ)を入れてあるんだから文句ないだろう。宇佐美のワントップは「強制」だ(笑)
海外組で圧勝してしまっては問題点が潜在化する
そもそもあのシンガポールに4点取られて負けているカンボジアや、シリアに6点も取られて負けたアフガニスタンに本田や香川、岡崎ら「お偉いさん」をスタメンで使い圧勝してしまっては、肝心の問題点が覆い隠される。「なんだ、余裕じゃん」で終わってしまう。東アジアカップの教訓が何も生きない。
で、相変わらず海外組の長期固定が定着してしまう。だがブラジル・ワールドカップの本番で勝てなかったメンバーで、アジア2次予選を当たり前のように勝って何の意味があるのか? 相手が弱すぎて強化にならないし、新戦力の底上げにも役立たない。で、結局、前回の海外組でまたロシアの本大会を戦うのでは、ブラジルの惨劇の繰り返しである。何の進歩もない。
そもそもアジア最終予選まで、もう1年しかないのだ。日本はあのシンガポールに1点も取れなかったのだから、冗談抜きで予選突破自体怪しい。
なんとかしてさらなる「新しい井戸」を掘り、戦力の底上げを図る必要がある。
ゆえにここは東アジアカップで結果を出した武藤雄樹と遠藤航、米倉恒貴をアジア2次予選で抜擢し、「結果を出せば認められるんだ!」とモチベーションを上げてもらう。そうすることで、いまだ潜在している新戦力たちに門戸が開いていることを指し示す狙いもある。
機能しない宇佐美の起用法をド本番で探る
冒頭にあげた布陣の狙いは、まず東アジアカップ組の武藤雄樹と遠藤、米倉がド本番のワールドカップ予選で引き続き安定して力を発揮できるかどうか? そして機能しない宇佐美をワントップで使い守備の負担を軽くし、W杯本大会までに彼を生かすシステムを開拓する。
第3に、代表ではまだ未知数の太田と浅野を覚醒させることだ。彼らは出場時間さえ与えれば必ず芽を出す。いや、逆にそうでなければロシアでの勝利はない。
そして第4には、ハリルジャパンの核になるべき期待の新海外組、武藤嘉紀が新代表チームでどこまで機能するか? 本来なら(武藤嘉紀の件を除き)すべて東アジアカップで試しておきたかった要素ばかりだ。だがハリルは川又と永井ばかりに時間を割いてテストのチャンスをフイにした。しかし終わったことを嘆いても始まらない。
で、まずはこのテスト・システムでスタメンを立ち上げ、試合経過を見る。そして各選手の見極めがつくか、または0-0のまま点が取れない場合は本田や香川、岡崎らを順次、投入して勝ちに行く。万一、海外組でも圧勝できなかったら、もうワールドカップは辞退したほうがいい。
名づけて「獅子は千尋の谷底に子を落とす」作戦、発動だ。
新戦力の発掘をかけた東アジアカップで、日本代表はあらためて選手層の薄さを露呈した。数人の新顔が気を吐いたが、このままではロシア・ワールドカップは海外組頼りにならざるをえない。結局、ブラジルW杯の二の舞だ。そこで予選から武藤、遠藤航、米倉ら新顔を大胆に抜擢し、新陳代謝を図りたい。
東アジアカップで代表レギュラー取りに新しく名乗りを上げたのは、武藤雄樹(浦和レッズ)と遠藤航(湘南ベルマーレ)、米倉恒貴(ガンバ大阪)の3人だけ。倉田秋(同)や藤田直之(サガン鳥栖)もおもしろい存在だが、バックアッパーだろう。
このほかボランチの山口蛍(セレッソ大阪)とCBの森重真人(FC東京)も合格点だったが、彼らはすでに実績があり新戦力とはいえない。
他方、能力はありながら期待を大きく裏切ったのは、宇佐美貴史(ガンバ大阪)と柴崎岳(鹿島アントラーズ)だ。彼らのデキは不合格とまではいえないが、ポジション的にもゴールにからむ働きができなかったのは致命的だ。
また正確なクロスが売りの太田宏介(FC東京)、スピードと思い切りのよさの浅野拓磨(サンフレッチェ広島)は、十分な出場時間が与えられず残念だった。2人とも潜在能力は高いだけに、今後も腕を磨いてレギュラー取りに参戦してほしい。
9月のW杯アジア2次予選のスタメンは?
ハリルジャパンは9月から、またW杯アジア2次予選の連戦が続く。カンボジア戦(3日)とアフガニスタン戦(8日)だ。ではスタメンはどうなるのか? 「予想」ではなく強い希望を提示しておく。
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◯宇佐美
◯武藤嘉紀 ◯武藤雄樹 ◯浅野拓磨
◯山口螢 ◯遠藤航
◯太田 ◯槙野 ◯森重 ◯米倉恒貴
◯川島
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大胆だが、考え方としては東アジアカップに続くテストである。ハリルは「準備期間があと3日あれば3試合とも勝てた」というのだから、では実際にやってもらう。大サービスで左SHに武藤嘉紀(マインツ)を入れてあるんだから文句ないだろう。宇佐美のワントップは「強制」だ(笑)
海外組で圧勝してしまっては問題点が潜在化する
そもそもあのシンガポールに4点取られて負けているカンボジアや、シリアに6点も取られて負けたアフガニスタンに本田や香川、岡崎ら「お偉いさん」をスタメンで使い圧勝してしまっては、肝心の問題点が覆い隠される。「なんだ、余裕じゃん」で終わってしまう。東アジアカップの教訓が何も生きない。
で、相変わらず海外組の長期固定が定着してしまう。だがブラジル・ワールドカップの本番で勝てなかったメンバーで、アジア2次予選を当たり前のように勝って何の意味があるのか? 相手が弱すぎて強化にならないし、新戦力の底上げにも役立たない。で、結局、前回の海外組でまたロシアの本大会を戦うのでは、ブラジルの惨劇の繰り返しである。何の進歩もない。
そもそもアジア最終予選まで、もう1年しかないのだ。日本はあのシンガポールに1点も取れなかったのだから、冗談抜きで予選突破自体怪しい。
なんとかしてさらなる「新しい井戸」を掘り、戦力の底上げを図る必要がある。
ゆえにここは東アジアカップで結果を出した武藤雄樹と遠藤航、米倉恒貴をアジア2次予選で抜擢し、「結果を出せば認められるんだ!」とモチベーションを上げてもらう。そうすることで、いまだ潜在している新戦力たちに門戸が開いていることを指し示す狙いもある。
機能しない宇佐美の起用法をド本番で探る
冒頭にあげた布陣の狙いは、まず東アジアカップ組の武藤雄樹と遠藤、米倉がド本番のワールドカップ予選で引き続き安定して力を発揮できるかどうか? そして機能しない宇佐美をワントップで使い守備の負担を軽くし、W杯本大会までに彼を生かすシステムを開拓する。
第3に、代表ではまだ未知数の太田と浅野を覚醒させることだ。彼らは出場時間さえ与えれば必ず芽を出す。いや、逆にそうでなければロシアでの勝利はない。
そして第4には、ハリルジャパンの核になるべき期待の新海外組、武藤嘉紀が新代表チームでどこまで機能するか? 本来なら(武藤嘉紀の件を除き)すべて東アジアカップで試しておきたかった要素ばかりだ。だがハリルは川又と永井ばかりに時間を割いてテストのチャンスをフイにした。しかし終わったことを嘆いても始まらない。
で、まずはこのテスト・システムでスタメンを立ち上げ、試合経過を見る。そして各選手の見極めがつくか、または0-0のまま点が取れない場合は本田や香川、岡崎らを順次、投入して勝ちに行く。万一、海外組でも圧勝できなかったら、もうワールドカップは辞退したほうがいい。
名づけて「獅子は千尋の谷底に子を落とす」作戦、発動だ。