すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ロシアW杯・総評】ティキタカの終わり

2018-07-17 08:06:04 | サッカー日本代表
効率を追求するカウンターの時代

 今回の大会ではポゼッション・スタイルのスペイン、ドイツ、アルゼンチンという強豪国が早々に姿を消した。特に決勝トーナメント1回戦でロシアと戦ったスペインは、膨大な数の単調なショートパスを浪費するだけで実に退屈極まりなかった。

 反対にフランス、イングランド、ベルギーといった速いカウンターの得意な国は鋭い一閃でトーナメントを好成績で走り抜けた。これは偶然だろうか? 世界のトレンドは、守備のバランスを崩した相手を一撃で叩く即断即決のカウンターへと流れている気がしてならない。

 カウンターについて、どうも日本人は誤解している感じがする。日本人の持つカウンターのイメージとは、例えばディフェンディングサードに深くブロックを敷いて引きこもり、ボールを奪ったら1発のロングボールをFWに当てて反撃するーー。そんなロングカウンター一辺倒の古いスタイルではないだろうか?

 だがいまや攻撃の最中にアタッキングサードでボールを失えば、その場でプレッシングを開始して速いショートカウンターに持ち込むアグレッシブなスタイルもある。つまり素早いネガティブ・トランジションを武器にしたカウンターだ。

 もう昔のように前線でボールを失えば自陣のディフェンディングサードまでえっちらおっちらリトリートし、そこでやっと守備の態勢を整える、などという、ただ守るだけのカウンター・スタイルばかりではない。

「カウンター? 弱者の戦法でしょ?」などといつまでも認識を変えられなければ、日本人は確実に時代から取り残される。

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