まつや清の日記 マツキヨ通信

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「『坂の上の雲』と司馬史観」(岩波新書 中村政則)は読んでみたい

2010年01月17日 | ニュース・関心事
今日もNHK大河ドラマ『竜馬伝』を見ました。土佐藩出身の坂本竜馬と岩崎弥太郎の若き日の出会いが感動的に描かれていました。そういう中、毎日新聞書評欄で「『坂の上の雲』と司馬史観」の紹介記事。

著者の中村政則さんインTビューを本人弁として語らせています。「明治ナショナリズムを強調したかったのであろうが、ここまで書かれるといい加減にしてほしいといわざるを得ない」と手厳しい。

いつの時期か覚えていませんが、関川夏央さんや井上やすしさんなど出演してのNHK「司馬遼太郎シンポジウム」での「司馬が何故、明治初期しか書かず、大正デモクラシーの時代を描かなかったのか」。

確か、関川さんの答えが「物質的豊かさを獲得していった明治から大正への時代の庶民の堕落を書きたくなかったのではないか」という記憶です。明治ナショナリズムがもつ肯定性と侵略国家という否定性。

両面併せ持つのが一個の人間の全体性。私の精神史から言うと、大学入学後に侵略国家・日本その末裔である自分への否定性がどうにもこうにも消化できない時期に司馬史観は自己肯定安心感の材料となりました。

という経過の中で「『坂の上の雲』と司馬史観」は読んでみたくなる本の一冊です。