本日、収用委員会は15:30頃マスコミに下記の文書を公表しました。「土地収用裁決申請却下を実現する会」では、ただちに各権利者に連絡を取り始め、対応について協議、17:30に緊急記者会見を行い下記の声明を発表しました。
県民の会は、日曜日13:00 札の辻にて抗議のキャンペーンを行います。
※※ 収用委員会マスコミ文書
「収用委員会は、9月20日に審理を終了(結審)した17年度第4号、第8号、第15号、第16号の4事件(第一次畑部分)について、10月18日に裁決の会議を開催し、収用の裁決を行った。また、起業者、権利者、代理人弁護士等に対して、本日20日に裁決書を送付した。
1、裁決書の内容
(1)事業認定の無効及び違法について
(2)土地収用法第47条の規定に基づく裁決申請等の却下について
(3)土地・物件調書の作成過程の違法について
(4)収用する土地及び明渡すべき土地の区域について
(5)土地にあつ物件及び物件所有者の認定について
(6)損失の補償について
ア 権利取得に係る損失の補償(土地に対する損失の補償)
イ 明渡しに係る損失の補償
2、権利取得の時期及び明渡しの期限
平成18年12月19日 」
※※ 抗議声明
声明
2006年10月20日
「土地収用裁決申請却下を実現する会」
代表 松谷清 桜井健男 中村英一
権利者代理人 阿部浩基 塩沢忠和 中野直樹 藤澤智実
静岡市葵区鷹匠2―12―10 「市民ひろば」内
1、 抗議
土地収用委員会が、平成17年度第4号、8号、15号、16号の4事件について、収用の裁決を行なったことについて、怒りをもって抗議するものである。今回の審理において、極めて不適切な審理運営が行なわれたことと、審理が十分に尽くされていないことは明らかであり、その理由は以下のようなものである。
2、審理の公開の必要性について
土地収用法第62条は「収用委員会の審理は、公開しなければならない。」と定めている。そして、「その趣旨は、審理を衆人環視の下に置くことにより、不公正な審理が行われないようにすることにある」と解説されている(「逐条解説 土地収用法 上巻P767」)。これは、収用制度が権利者の意思を無視して強制的に私有財産を公共の利益のために用いる制度であるため、収用委員会の審理は厳正公正な運営が求められること。また、収用による利益を享受する国民全体が、厳正公正な審理が行われているか否かを厳しく監視する義務があること、この2点から定められているものである。
従って、収用委員会の審理は広く一般公衆に公開されるべきものであり、収用法第62条でも、「収用委員会は、審理の公正が害される虞があるときその他公益上認めるときは、公開しないことができる」と審理を非公開にする条件を、極めて限定的に定めているのである。よって、権利者の意見の申し立てはあくまでも公開審理の場でなされるべきものであり、意見書の提出によって代行されるべきものでないことは明らかなのである。
こうした点からすると、第3回審理において増田会長が、「御意見のある方は結審まで意見書の提出はできますので、提出をしてください。」として、権利者側からの意見書5に記載した却下事由に関する意見陳述を打ち切ったことは、極めて不適切な審理運営であると言わざるを得ない。
3、損失補償に係わる審理の不尽について
第5回収用委員会審理の場において、その冒頭に増田会長は、「本日の審理は、(略)収用対象地である茶畑及びミカン畑に係る損失補償に関することについて行います。損失補償に関することの主な項目は、土地の区域に関すること、それから補償対象物件に関すること、補償額に関すること、また、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関することなどです。」と審理対象を設定した。
しかし実際には、権利者村田利広の意見陳述に対して「起業者側でのこの土地について具体的な算定をしています補償額の、それについてのご意見はありませんか。」「今日は補償についての権利者の額をお聞きするんです」と補償額に関することのみに限定した質問を行なった。さらに、権利者檜林耕作の意見陳述に対しては「具体的には何かご意見はありますか、金額について」、権利者松本吉彦の意見陳述に対しても「松本さんにつきましても、前回の審理のときに補償についての具体的な金額というか、ご意見があったらお願いしたいと申し上げたんですが、特にございませんか」と質問を行なったのである。
つまり増田会長は、自ら設定した「土地の区域に関すること、補償対象物件に関すること、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関すること」については一切質問を行なわずに、補償額に関することのみに限定した質問を繰り返したのである。そしてその上で、午後3時過ぎに休憩を入れた後、審理を再開した際に突然、「概ね必要な御意見はお伺いできたと思います」として審理の結審を宣言したのである。
権利者側は、増田会長が審理対象として設定した「土地の区域に関すること、補償対象物件に関すること、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関すること」という4項目に関する意見陳述も行う予定だったものであり、意見陳述の機会を一方的に奪われたことにはおおいに異議がある。仮に、「補償額についての権利者の意見は聞いたので十分である」と収用委員会が主張するのであるならば、なぜゆえに補償額以外の4項目を審理対象として明言して審理に臨んでいたのか、はなはだ理解に苦しむところである。
従って、収用委員会自らが審理対象であると設定し、説明していた項目について、意見陳述を一切行わせぬままに審理を一方的に終結させたことは、不適切な審理運営であると言わざるを得ない。
4、審理再開の必要について
以上の点から、第4号、8号、15号、16号という、いわゆる畑に係わる審理においては、審理が十分に尽くされていないというのが事実である。審理の不尽については、「審理が何度行われなければならないかについては、法令上何らの定めもないが、双方の主張が十分尽くされるまで、行われなければならないことはいうまでもな」く、特に「損失の補償に関する事項については、当事者主義が採用されていることからも、審理が十分尽くされなければならない」と解説されている(「逐条解説 土地収用法 上巻P769」)。
然るに、収用委員会としては速やかに審理を再開すべきであり、このことは、「本法には民訴法153条(弁論の再開)に相当する規定はないが、いったん審理を終結した後において、重要な意見の申し立てがある場合には、必要に応じて審理を再開して差し支えないし、また、再開することが望ましい」と解説もされている(「逐条解説 土地収用法 上巻P774」)。今回の事例が「再開することが望ましい」ことは言うまでもない。従って、権利者側が意見陳述を予定していた、複数の裁決申請却下事由と、特に収用委員会自らが設定していた損失補償に係わる4項目についての権利者からの意見を聴取するために、収用委員会が審理を再開することを求めるものである。
以上、適切な審理を経ずして下された今回の裁決は、審理過程の手続きにおいて瑕疵がある違法な行為となる可能性が極めて大きいものである。なお、この件に関しては本日付で意見書15として収用委員会に提出済みである。
県民の会は、日曜日13:00 札の辻にて抗議のキャンペーンを行います。
※※ 収用委員会マスコミ文書
「収用委員会は、9月20日に審理を終了(結審)した17年度第4号、第8号、第15号、第16号の4事件(第一次畑部分)について、10月18日に裁決の会議を開催し、収用の裁決を行った。また、起業者、権利者、代理人弁護士等に対して、本日20日に裁決書を送付した。
1、裁決書の内容
(1)事業認定の無効及び違法について
(2)土地収用法第47条の規定に基づく裁決申請等の却下について
(3)土地・物件調書の作成過程の違法について
(4)収用する土地及び明渡すべき土地の区域について
(5)土地にあつ物件及び物件所有者の認定について
(6)損失の補償について
ア 権利取得に係る損失の補償(土地に対する損失の補償)
イ 明渡しに係る損失の補償
2、権利取得の時期及び明渡しの期限
平成18年12月19日 」
※※ 抗議声明
声明
2006年10月20日
「土地収用裁決申請却下を実現する会」
代表 松谷清 桜井健男 中村英一
権利者代理人 阿部浩基 塩沢忠和 中野直樹 藤澤智実
静岡市葵区鷹匠2―12―10 「市民ひろば」内
1、 抗議
土地収用委員会が、平成17年度第4号、8号、15号、16号の4事件について、収用の裁決を行なったことについて、怒りをもって抗議するものである。今回の審理において、極めて不適切な審理運営が行なわれたことと、審理が十分に尽くされていないことは明らかであり、その理由は以下のようなものである。
2、審理の公開の必要性について
土地収用法第62条は「収用委員会の審理は、公開しなければならない。」と定めている。そして、「その趣旨は、審理を衆人環視の下に置くことにより、不公正な審理が行われないようにすることにある」と解説されている(「逐条解説 土地収用法 上巻P767」)。これは、収用制度が権利者の意思を無視して強制的に私有財産を公共の利益のために用いる制度であるため、収用委員会の審理は厳正公正な運営が求められること。また、収用による利益を享受する国民全体が、厳正公正な審理が行われているか否かを厳しく監視する義務があること、この2点から定められているものである。
従って、収用委員会の審理は広く一般公衆に公開されるべきものであり、収用法第62条でも、「収用委員会は、審理の公正が害される虞があるときその他公益上認めるときは、公開しないことができる」と審理を非公開にする条件を、極めて限定的に定めているのである。よって、権利者の意見の申し立てはあくまでも公開審理の場でなされるべきものであり、意見書の提出によって代行されるべきものでないことは明らかなのである。
こうした点からすると、第3回審理において増田会長が、「御意見のある方は結審まで意見書の提出はできますので、提出をしてください。」として、権利者側からの意見書5に記載した却下事由に関する意見陳述を打ち切ったことは、極めて不適切な審理運営であると言わざるを得ない。
3、損失補償に係わる審理の不尽について
第5回収用委員会審理の場において、その冒頭に増田会長は、「本日の審理は、(略)収用対象地である茶畑及びミカン畑に係る損失補償に関することについて行います。損失補償に関することの主な項目は、土地の区域に関すること、それから補償対象物件に関すること、補償額に関すること、また、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関することなどです。」と審理対象を設定した。
しかし実際には、権利者村田利広の意見陳述に対して「起業者側でのこの土地について具体的な算定をしています補償額の、それについてのご意見はありませんか。」「今日は補償についての権利者の額をお聞きするんです」と補償額に関することのみに限定した質問を行なった。さらに、権利者檜林耕作の意見陳述に対しては「具体的には何かご意見はありますか、金額について」、権利者松本吉彦の意見陳述に対しても「松本さんにつきましても、前回の審理のときに補償についての具体的な金額というか、ご意見があったらお願いしたいと申し上げたんですが、特にございませんか」と質問を行なったのである。
つまり増田会長は、自ら設定した「土地の区域に関すること、補償対象物件に関すること、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関すること」については一切質問を行なわずに、補償額に関することのみに限定した質問を繰り返したのである。そしてその上で、午後3時過ぎに休憩を入れた後、審理を再開した際に突然、「概ね必要な御意見はお伺いできたと思います」として審理の結審を宣言したのである。
権利者側は、増田会長が審理対象として設定した「土地の区域に関すること、補償対象物件に関すること、権利又は権利者に関すること、権利取得の時期又は明渡しの期限に関すること」という4項目に関する意見陳述も行う予定だったものであり、意見陳述の機会を一方的に奪われたことにはおおいに異議がある。仮に、「補償額についての権利者の意見は聞いたので十分である」と収用委員会が主張するのであるならば、なぜゆえに補償額以外の4項目を審理対象として明言して審理に臨んでいたのか、はなはだ理解に苦しむところである。
従って、収用委員会自らが審理対象であると設定し、説明していた項目について、意見陳述を一切行わせぬままに審理を一方的に終結させたことは、不適切な審理運営であると言わざるを得ない。
4、審理再開の必要について
以上の点から、第4号、8号、15号、16号という、いわゆる畑に係わる審理においては、審理が十分に尽くされていないというのが事実である。審理の不尽については、「審理が何度行われなければならないかについては、法令上何らの定めもないが、双方の主張が十分尽くされるまで、行われなければならないことはいうまでもな」く、特に「損失の補償に関する事項については、当事者主義が採用されていることからも、審理が十分尽くされなければならない」と解説されている(「逐条解説 土地収用法 上巻P769」)。
然るに、収用委員会としては速やかに審理を再開すべきであり、このことは、「本法には民訴法153条(弁論の再開)に相当する規定はないが、いったん審理を終結した後において、重要な意見の申し立てがある場合には、必要に応じて審理を再開して差し支えないし、また、再開することが望ましい」と解説もされている(「逐条解説 土地収用法 上巻P774」)。今回の事例が「再開することが望ましい」ことは言うまでもない。従って、権利者側が意見陳述を予定していた、複数の裁決申請却下事由と、特に収用委員会自らが設定していた損失補償に係わる4項目についての権利者からの意見を聴取するために、収用委員会が審理を再開することを求めるものである。
以上、適切な審理を経ずして下された今回の裁決は、審理過程の手続きにおいて瑕疵がある違法な行為となる可能性が極めて大きいものである。なお、この件に関しては本日付で意見書15として収用委員会に提出済みである。