~1989年・夏・北海道の旅~
午前中、根室本線の落石(おちいし)岬に行き、
午後はそこから厚床までJRで移動して、
そこからバスで別海へ行くことにしました。
別海に行きたかった理由は、
根釧台地の雄大な放牧地が見られるのではないかと、
単純に思ったからであります。
それと、半年前にJR標津線が廃線になって、
町並みが寂れていってほしくないという、感傷的な理由もありました。
大きなお世話なのかもしれませんが。
厚床から別海まで約30分だったと思います。
うろ覚えですが、バスは緑の大地を走って行くという印象で、
結構起伏のあるように思えました。
別海町自体は当時全国で2番目に広い町です。
みどころは色々あると思いますが、
とりあえず、緑の大地が見られればよかったので、
別海の市街地でバスを降りまして・・・。
降りたら、そこは普通の町で(当たり前といえば当たり前?)、
とりあえず、観光案内所らしきところへ向かってみました。
まわりに観光客らしき人は全くいませんし、
地元の方の人影もありません。
たまたま一人、年配のおばさんが「学生さん?」と声をかけてくれて、
緑の大地を見たくてバスで来たと言ったら、
「おみやげに、ぜひ別海の乳製品を」と、笑顔で宣伝されました。
なんだか、声を掛けられて嬉しくなってしまい、
お言葉につられて、乳製品を配送で自宅に送る手配をしました。
「べつかいの牛乳屋さん」の牛乳とかバターなど。
後日、家で頂きましたら、
バターはホロホロするような、あまり食べたことがないタイプでした。
おいしかったですよ。
そのあたりをぐるっとまわると、もう特に行くところもなく、
かと言って、バスの本数は少ないので、次のバスまで間があります。
何しようかな~と考え、そうだ、バスどおりの道を歩いてみよう、
と思い立ち・・・歩きました。
バスどおりの道は意外と車も通っていて、
空き缶とか結構捨てられていました。
緑の大地に空き缶は似合わない・・・、
それで、気がつくと、空き缶を拾いながら歩いておりました。
車で通る人から見たら、
「何やっているんだろう」と思われたと思いますが・・・。
たまたま持っていたビニール袋に、結構たまってきて、
ふと・・・「この拾ったヤツ、バスに持ち込むのか?自分は。」
と、我に返って慌てふためき、
かといって、バス停に置き去りにすれば、
自分が空き缶を捨てた張本人と思われてしまう。
余計なことはしないほうがいい時もありますね。
結局バスに持ち込んで、駅で捨てました。
さて、根室YHに戻ると、
昼間、落石岬で写真を撮りあった男子学生と再会。
夕食は外で北海名物「チャンチャン焼き」で、
ほかのホステラーさんたちとも仲良くなり、
チャンチャン焼きはおいしいし、楽しい夜となりました。
関西の男子学生は自分の大学の友人の友人というつながりもあったり、
・・・YHではしばしばそういったつながりがあるのも楽しいのですね。
道内に入ってこれから旅が始まる人のいる中で、
自分の周遊券の残りはあと2日・・・ちょっとさびしいな~つづく~