ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

身の回りの整理

2009年10月06日 | 音楽とわたし
先日のコンサートが終わってから、自分からお願いした曲も含めて、5曲いっぺんに、新曲の練習に取りかかることになりました。
昨日から始めましたが、相手にとってはその1曲だけなので、それなりに皆、演奏し甲斐のある曲ばかり。
もちろん楽しいし、興奮するし、自分がそうしたいと思って引き受けているのだから、後悔なんて全然してません。
今日、四苦八苦しながら弾いていると、ふと、ヤマハ時代の自分を思い出しました。
ヤマハは独自の教育システムを持っているので、学歴だけで判断されることはないだろうと思い、講師の道を選んだのですが、
ただ普通に、地道に、与えられたコースを教えているのではなく、スター生徒や派手なコースの講師を担当すればするほど、なんだここもか……むしろ他より激しい学歴重視。
でも、わたしの場合、無いもんは無いんだから、とにかく体張って見せていくっきゃない!
そう決心して、チャンスを包んだパラシュートが降りてきそうな場所を見つけては突進!また見つけては突進!
そして、手にしたチャンスはどんだけ無茶でもしんどくても、とにかくモノのする!このポリシー一筋で前に前に進みました。
メチャクチャ背伸びしたりハッタリきかせたり、そんなことが休み無く続いていたので、そりゃもうクタクタ。
でも、心身ともにとても充実していた20代から30代半ばなのでありました。

そして離婚。

それまでのほぼすべてをきれいさっぱり手放し、いろんな人にお世話になったり迷惑かけたり、
でも、それからの15年は、これ以上おもろいことは無いと今も確信している子育てがたっぷりできて大満足。
それと、いっつも背伸びしていたからか、つま先立ちしてばっかりでちゃんと地面に踏ん張っていなかった自分を、どっしりと土の上に下ろしてやれた時期でもありました。

そしてアメリカ。

ここに移って9年半。最初の7年は座敷童みたいに家の中に居るのが心地良くて、出張レッスン以外、外部との関係を作らなかったけど、
50才の誕生日を期に、旦那がプレゼントしてくれたクラリネットを引っさげて外に出かけ始めました。
まずはコミュニティバンド。そのバンドのマネージャーバーバラに、ACMAの創立者アルベルトからメールが送られ、
そのメールをバンドメンバー全員に転送されたものを読んだわたし、旦那に「ほんまそこ、大丈夫かぁ~」と散々袖を引っ張られながらも、
「わたしをACMAのメンバーに入れてください!」と申し込みのメールを送ったのでした。
英語は会話ができる程度だけど、ピアノはそれよりは上手に弾けます。というメッセージを入れて。

そして今わたしはそのACMAの役員をしていて、ピアノや他の楽器演奏者から共演のお誘いをいただくようになりました。
みんな、わたしのことは、大人から子供までの、それも初心者が多い生徒を教えているピアノ教師、とだけしか知りません。
それと、パッと見若く見えるけど、ほんとはマイルストーン(人生の折り返し地点に来ている)で、大人の息子が二人いるらしい。
演奏ミーティングの最後になるとチョチョットと姿を現して、まうみをかっさらっていくアメリカン男は旦那らしい。
そんな程度です。

今日あくせく練習していて、次から次へと送られてくる合わせの練習日を決めるメールに返事している時、ふと、思いました。

はっきり言うて自分はもう20代でも30代でもない。掴んだチャンスはモノにしたい。けど、前のような無茶が続くやろか。

今の自分の、しなければならないこと、したいこと、したくなくてもすべきこと、それらを全部ひっくるめて整理しようと思いました。
作曲家が精魂込めて書いた楽譜を学び、音にし、それを自分のものにするのは、片手間な気持ちでは到底できません。
天才なら、あれもこれもの世界の中に居ながらにしてできちゃうのでしょうけど、わたしは天才ではありません。
なので、体力も気力もかなり使います。なのにいっぱい弾けるだけ弾きたい。これはかなり危険だと思いました。

少し時間をとって、何と何を手放して、何と何を残すか、そういうことを考えて決めようと思います。
Simple is best。なんて調子のいいコマーシャルがあったけど、すっぱり手放すのって勇気が要ります。
でもきっといつか、手放したものは姿形を変えて、またわたしの所に戻ってきてくれると信じています。
コメント (6)
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Zankel Hall 2010?!

2009年10月06日 | 音楽とわたし
一昨日のカーネギーのいっちゃんちっちゃいホールでのコンサートの内容と出来が認められて、
今夜、カーネギーの事務所から、うちの協会のプレジデントのアルベルトに、次のステップとして、中ホール(599席)の使用を認めますっていうメールが送られてきたそうです。

どっひゃ~

使用料$9500、こないだのコンサートは280席、あっという間に売り切れてしもて、おかげで使用料全額払えたのやけど、
なんもかも2倍、大丈夫なんでしょか……おっとろしぃような気がせんでもないけど、けど、けど、ザンケルホール、素敵やしなあ。
ピアノ2台あるから2台ピアノのための曲選べるしなあ……って……もうオーディションに受かる気でいるイチビリがひとり

緊急の会議があるそうで、英語あんまりうまないけど、一応ディレクターなもんで、この週末にちょっくら参加してきます。


あ、そうそう、タイソン・マオ君から、『まうみが言うてたラヴェル、ありゃなんぼなんでも難曲過ぎやと思うで~、お互いに』というメールが送られてきました。
もうちょっと現実的に考えようと、息子みたいな年の子から諭されて、ふたりでメールの送りっこしながら曲を決めました。
ドヴォルザークの『Romantic Pieces』という4曲からなる、その名の通りとってもロマンチックな曲と『Sonatina』。それと、シューマンかブラームスの『Sonata』を何曲か。
曲が決まった途端、じゃ、いつ、どこで練習するの?いつ演奏するの?と、もうすごい勢いで英文メールがジャンジャン送られてきて、
ええと、ええと、と、ゼエゼエ息を切らしながらタイプってたわたしであります。
12月の演奏ミーティングで弾くつもり。
でも、予想通り、「ボクは来週までに仕上げられるから、まうみが弾けるようになったら連絡して」と言い切られてしまいました。

くっそぉ~~~、わたしかて来週までに仕上げちゃるぅ~~~
コメント (10)
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