ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

「今回の原発事故は、紛れも無く、日本人の手によるものなのです」

2012年07月11日 | 日本とわたし
『星の金貨プロジェクト』というブログに掲載されている記事を紹介します。
このブログを書いていらっしゃる小林さんは、ほんとうの今を知りたいという気持ちから、日々、海外で報道された記事を翻訳しておられる方です。


日本の行政機関による、原子力発電に対する過剰なまでの肩入れ
投稿日: 2012年7月12日 作成者: admin

【人間が作り出した災害、福島第一原発事故】

「日本の従順すぎる国民性が、福島第一原発の事故を「作り出してしまった……」


ナタリー・キョウコ・スタッキー / ザ・インデペンダント(英国)7月6日




昨年発生した福島第一原発の事故について、国会が任命した独立調査委員会は、
事故の発生を予見することは可能であった、したがってこれを予防することもまた可能であった、と厳しく断罪しました。

委員会は、2011年3月11日に、東北地方を襲った地震と津波によって起きた福島第一原発の事故が、
政府機関と産業界の間の、「馴れあい」によって引き起こされたものであり、
それを生んだ「日本の社会の中に、染みついてしまった慣習」について、非難
しました。

報告書はさらに、マグニチュード9.0の地震そのものによって、福島第一原発が損傷を受けた可能性について言及し、
日本の原子力発電所の安全性についても、厳しく問いかけています。
これまで、東京電力は、福島第一原発の事故は、地震そのものではなく、その後に起きた巨大な津波によって破壊された、と主張し続けており、
その津波も、予見不可能な、偶発性の高いものであった、としてきました。

もし、国会事故調査委員会の指摘が、事実であれば、震災後、すべて停止していた原子炉の中、
つい先週、再稼働した、大飯原発を含め、地震多発国日本での、原子力発電には、重大な懸念があります。
「事故の、直接的な原因のすべては、2011年3月11日の前に、予見できたはずである。
しかし政府、規制当局、そして、東京電力によるなれ合いによって、その機会は失われてしまった」




福島第一原発で、電源喪失が発生した結果、6基の原子炉のうち3基までが、メルトダウンを引き起こし、近隣住民70,000人以上が、避難しなければなりませんでした。
これらの人々は、現在、仮設住宅や避難所暮らしを強いられていますが、
日々のニュースは、故郷の放射線量について、帰郷して暮らせる日が、はるか遠くにしかないことを伝えています。

報告書の中、日本人特有の、権威・権力に対する従順さについて指摘した一節は、とりわけ衝撃的であるかもしれません。
調査委員会の黒川委員長は、以下のように記しました。
「今回の事故に関する、広範な事実の中、とりわけ、世界中の関心を持つ人々に、この報告書だけで伝えることが不可能なことがあります。
それは、今回の事故の背景となった、怠慢を生んだ、日本人の意識です」
「これを認めることは、非常につらいことではありますが、今回の事故は、紛れも無く、
『日本人の手によるもの』なのです。
それを作り出したおおもとは、日本社会の中に染みついている、慣習にほかなりません」
「権威・権力に対する卑屈な姿勢、権力にたてつくことへのためらい、現実を見ながら軌道修正を繰り返すことができない教条主義、群れを作り群れを守ることが第一のように思い込む習性、そして島国根性」




日本の行政機関による、原子力発電に対する、過剰なまでの肩入れは、
電力業界・原子力産業界をして、厳しい監視を歯牙にもかけない、
『何をやっても許される』力を、持っているかのように思い込ませてしまった。
黒川委員長は、こう指摘しました。

http://www.independent.co.uk/news/world/asia/fukushima-disaster-was-profoundly-manmade-7917945.html

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小沢氏を中心とする、新党『国民の生活が第一』が発足し、『脱原発』を明言しました。
これに対し、自民党の石原幹事長は、「原発を止めて、国民の生活が守れるのか?!」とコメントしました。
コメントする際、鼻で笑うような態度でしたが、私だけがそう感じたのかもしれません。

自民党、公明党、そして民主党の、もうひとつの『3党合意』は、原発ルネッサンスの推進です。
なぜなら、福島第一原発の事故の後も、自民党と公明党は、『原発ルネッサンスの推進』について、一切撤回する、とは言っていません。

アメリカの共和党の、かつての推進派ですら、『もう原発ルネッサンスなど、この地上には存在しない』と言っているのに、です(http://kobajun.chips.jp/?p=2516)。
「自民がだめだから民主。でも民主もだめだったから、やっぱり自民……」と、この2党で政権のキャッチボールをさせていたら、
絶対に、原発は止まりもしないし、下手をすると、減りもしないかもしれません。


政治とは、自分たちの生活やいのち、そして、子供たちの未来の上にまで、まともにのっかっている、
その危機感を、失わないようにしたい
ものです。


以上転載終わり。



10日間あまり、ほとんどパソコンの前に座れず、だから情報を得ることもなく、
けれども、官邸前デモの間だけは、iPadを寝床に持ち込み、早朝こっそり起きて、その様子を見守っていた。
ツィッターを数分だけ斜め読みしたりもした。
大飯原発の再稼働を阻止しようと、雨の中、ろくに眠りもしないで、反対を訴えていた人達の様子も見た。
鹿児島の、脱原発を明確に主張して選挙に挑んだ候補者が、破れたことも知った。

双葉町の町長の話をかいつまんで読み、被災地に今も暮らす人達の環境が、いかに酷いものであるか、
人が、普通に暮らしていてはいけない所に今も留まっている、留められていることの不可解さを、改めて認識した。

ツィートなどで情報を発信したり得たりしている人の数は、やはりこれほど少ないということか。
マスコミが、被災地の本当の様子を、事故現場の状況の事実を伝えないから、人はこれほどに知らないまま、他人事のように思って生きているのか。
だから、マスコミや官僚や政治家が悪いのであって、知らないままの、知ろうとしないままの人は無実なのか。
 
騙されるまま騙されていたから、知らない方が知ってしまうよりうんと楽だったから、
だからこんなふうに、いつの間にか、といっても40年以上もの長い時間をかけて、日本の国は放射能汚染に囲われてしまっていた。
わけのわからない健康被害が出て、苦しむ人は苦しみ、難を逃れた人は何も気づかず、どちらも当たり前のように生きている。

本当にこのままでいいの?
こんなふうに、仕方が無い、受け止めるしかない、どうしようもない、頑張っても何も変わらないと、
またこれまでと同じ道に戻って、自分の無関心が、放射能汚染にまみれて生きることを強いられるのを承知で、自分を、そして他人を、小さな子ども達や自然を殺していくの?
コメント (2)
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