2012年5月20、21日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が、米国シカゴで開催されました。
会場となったマコ―ミック・コンベンションセンターの外には、NATO、戦争に反対する数千人が集まり、抗議デモが行われました。
NATO会場に向けて、従軍メダルを投げつけるセレモニーを主催したのは、
「反戦イラク帰還兵の会」と「平和を願うアフガニスタン人」(Afghan for Peace)のメンバーです。
それぞれの短いメッセージに共通しているのは、軍隊への不信・だまされたという憤り・イラク、アフガニスタンの人々への謝罪の気持です。
アフガニスタンの人々に連帯し、本当の悪者は誰なのかを訴えます。
Democracy Now! 2012.5.21
『NATO(実質アメリカ軍)こそがテロリスト』
最悪な間違いだった……(目覚めはじめたアメリカ兵)
北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が、シカゴで開催されています。
60カ国の代表が集う会場は、厳重警備体制です。
一方で、数千人が、街頭で抗議しています。
公園から会場に向かう初日のデモ行進は、ここ一週間の抗議行動で、最大の規模でした。
先導したのは、米軍の帰還兵と、アフガン人の平和団体です。
『反戦イラク帰還兵の会』は、行進の終了後、従軍メダルをNATO会場に向け、投げつける儀式を行いました。
1971年、ベトナム帰還兵が、連邦議会の外で行ったのと同じです。
元陸軍軍曹、アレハンドロ・ピジャトロ氏は、2003年イラク、2011年アフガニスタンに従軍。
「NATOにNO!戦争にNO!」
「もう戦争には行かない!」
「N-A-T-O!」
「二度と殺さない!」
NATOに反対する退役兵が、一人ずつステージに上がって、従軍メダルを返上する理由を話します。
彼らの思いを聞いてください。
なぜ戦うことをやめて、平和を求めたのか。
これほど多くの声は、ここでしか聞けません。
無実の人々を殺した者も、国内で戦争継続を助けた者も、戦友の死を見守った者もいる。
ここにいない仲間もいる。
自殺したからです。
政府が約束したケアは反故にされ、破綻しは政策が、多数の死者を招くのを見た。
考えてください。
そんな価値があったのか?
ノー!
メダルが慰めになるのか?
ノー!
それとも、政府のウソと腐敗を隠し、祖国のために戦った若者への虐待を隠すためか?
メダルのウソを暴きます。
元海兵隊員、アイリス・フェリシアノです。
2002年、アフガニスタンの作戦に従軍。
壁の向こうにいる人たちに言いたい。
ウソと恐怖に満ちた作戦をいくら練っても、もうだまされない!不当な戦争は拒否する。
兵士を撤退させ、戦争を終らせよう!
メダルを返上します。
イラク歩兵部隊にいた、グレッグ・ミラーです。
こんな安っぽいメダルをよこして、僕らに捨てさせた良心の穴を埋めろというのか?
もうだまされない。
こんなメダルはいらない。
こんなものはウソだ。
スコット・キンボル、イラク帰還兵です。
メダルを返上します。
アフガニスタン、イラク、パレスチナ、世界中の占領の犠牲者へ。
戦争に反対する兵士のみなさん、君はひとりじゃない!
良心的兵役拒否者の、クリストファー・メイです。
僕らは教わった。
メダルが表すのは『民主主義と正義』『希望と世界の変革』。
でも、メダルが表すのは、国民の意思を正しく代表できない、NATOのダメ指導者たちの失敗だ。
権利を奪われた人々のために、正しいことができない指導者だ。
それどころか、人々を利用し、ひどい世界にした。
私はもう手を貸さない。
こんなメダルは意味がない。返上する。
アッシュ・ウールソンです。
イラクに行って打ちのめされた。
誰も、同じ目に遭ってほしくない。
こんなもの、返してやる!
マギー・マーティン、イラクに2度行きました。
どれだけメダルをもらおうと、戦争の苦しみを消すことはできない。
こんなのはゴミだ。
必要なのは、治癒する権利です。
ジェイコブ・クロフォード、イラクとアフガンに行きました。
メダルは無意味だ。
もっと早くから、戦争に反対するべきだった。
メダルを返します。
ブラッドリー・マニングを解放しろ!
ジェイソン・ハード、10年間、衛生兵を務めました。
2004年、イラクに行きました。
イラクとアフガニスタンに連帯し、従軍メダルを返上する。
私たちは、世界中を破壊した。
心から謝罪したい。
アフガニスタンの女性たちとここに立つことを、誇りに思う。
こんなメダルはウソだ。
返します。
スティーブン、イラクに2度派遣されました。
両親を失ったイラクの子供たちに、メダルを捧げます。
生物・化学兵器の技術兵でした。
イラクに大量破壊兵器は無かった。
私は陸軍を辞めた。
他にも、4万人が除隊した。
ウソはもうたくさんだ!
ウィスコンシン州の、スティーブ・アッシュソンです。
5年間、前線の偵察兵でした。
2005年、サドルシティです。
イラクとアフガニスタンの子供たち、願わくば、彼らが我々の行いを許し、
私たちの傷が癒され、平和が訪れますように。
マイケル・サーマン、良心的兵役拒否者です。
ブラッドリー・マニングのために、メダルとコインを返上します。
マニングは、全てを犠牲にして、戦争の真実を暴いた。
マット・ハワードです。
海兵隊で、イラクに2度行った。
メダルを三つ、返上します。
脳損傷や、軍隊内の性的暴行、PTSDに苦しむ仲間のために。
イラクに行った、ザック・ラボルト、ウィスコンシン出身です。
違法な戦争に参加して、だまされたと思った。
イラク人の解放のためだと言われたが、油田を開放させる戦争だった。
スコット・オルセンです。
四つの従軍メダルを、すべて返します。
かつてこのメダルを見ては、自分の行いを誇りに思い、正しい事をしたと得意だった。
でも間違っていた。
こんなメダルはもういらない。
元海軍兵の、トッド・デニスです。
PTSD患者です。
メダルをもらった時言われた。
「勤勉で献身的で、模範的な行いをした者に与える」と。
私は、PTSDを隠して、自分を酷使し過ぎた。
メダルを返し、治癒する権利を求めます。
マイケル・アブレゲイト、海軍に8年務めました。
自分の良心に従うために、メダルを返します。
アフガニスタンとイラク侵攻に、海軍兵として参加しました。
軍に志願したのは間違いだった。
イラクとアフガンの人々に、破壊行為を謝罪します。
ブロック・マッキントッシュ、州兵でした。
2年間、アフガニスタンに従軍しました。
2ヵ月前、アフガニスタンの友人と、グラウンド・ゼロを訪ねた。
悲劇の記念碑です。
でも、アフガニスタンの死者3万人には、記念碑なんて無い。
彼らのために、メダルを返します。
『アフガニスタンの平和ボランティア』に捧げます。
元海兵隊、ビンス・エマニュエルです。
まず、アフガニスタンとイラクの人々に捧げます。
次は、私たちの、真の建国の父だ。
学生非暴力調整委員会(SNCC)、ブラックパンサー党、公民権運動や労働組合、社会主義者たち、共産主義者やアナキスト、環境活動家、
彼らこそ、真の建国の父だ。
最後に、最も大切なのは、敵は7千マイル先ではなく、役員室にいる。
企業重役たち、銀行やヘッジファンド経営者だ。
戦地ではなく、この米国で、毎日顔を見る連中だ。
そこにいる警官たちではなく、世界を支配する億万長者たちだ。
もううんざりだ!こんなメダルはいらない!
来ることができなかった6人の代わりに来ました。
国境に近づけば、逮捕されてしまうからです。
イラク・アフガニスタン戦争に、加担することを拒否した罪です。
国外にいる、良心のある兵士に、恩赦を与えるべきだ。
海兵隊員のクリスチャン・カー、陸軍のキム・リベラ、イラクへの再派遣を拒否。
海兵隊ジェレミー・ブロックウェイ、イラクへの再派遣を拒否。
ジェレス・ティンガンダン、アフガニスタンへの再派遣を拒否。
陸軍コーリー・グラス、イラクへの再派遣を拒否。
クリス・バッシー、アフガニスタンへの再派遣を拒否。
彼らの怒りに代わって、メダルを投げます。
アーロン・ヒュース、2006年まで、イリノイ州兵でした。
このメダルを、昨年亡くなった、アンソニー・ワグナーに捧げる。
女性兵士の3割に上る、性的暴行の被害者へ。
アフガニスタンの女性のために立ち上がると言ったが、アメリカの女性を助けることすらできていない。
謝罪をこめて、このメダルを全員に捧げます。
本当に悪かった。
『反戦イラク帰還兵の会』のメンバーでした。
NATO会議の会場に向けて、従軍メダルを投げ返しました。